それじゃあ、帰界します。
１０日間、ご迷惑おかけしました。ローラス教樹。

うむ……道中気を付けて。

バベルのこと、よろしくお願いしますね。
見ての通り頼りない子ですから。

……僕にそれを頼むかい。

他に頼む人が居ません。
それに、バベルはあなたのことを信頼しています。

…………。

よーやく見つけた……。
もう、行くの？

………うん。

……そっか。
あの……これ、つまらないものだけど、
お土産……。

中身は魔月光石。メルンテーゼ産だよ。
きっとトリトンの役に立つと思って。

………。
ありがとう。
他に、アカデミエの誰かに渡すものは？

…………。

……これ、ママに渡してもらえるかな。

うん。
いいよ。リューゼリぜさんに渡しておく。

クリシュナさん、フェルハトさんと、ヴィクラムさんだっけ？
仲間の人にもよろしくね。

………それじゃあ、バベル。
前にも言ったけど、約束だよ。
必ず無事に生き残って、幸せになること。

死んだりしたら許さないから。

約束するよ。

アカデミエには……戻ってこなくてもいいから。

………うん。
……でも、顔は出すよ。

………期待しておくよ。

それじゃ……さようなら。

あれ？もう帰るんだ？
ん〜、もうちょっと遊んでいたかったけど、とりっぴい一人をハゲとメガネに任せるのも心配だし、帰りますかねぇ。

あっはは！だ〜いじょぶだって〜！残りたい時はおビブいなくても残るし！
渡航制限も解除されたから、またいつでも来れるしねぇ〜。

ん？んん？励まされた？
へええ！珍しいねぇ！おビブがあたしにそういう事言ってくれるなんて！
義理とかで言ってないよね？ま、いーや義理でも！心からの本心だと思っとこ！

いやー、別にそこはいいんじゃない？
友達だからっていつも一緒じゃなきゃダメ！とかそういうのも変じゃん？
…例え生まれ故郷を離れる事になっても、そうしたいならそうしたらいいし、それを止める権利は誰にもないさ。

幸いあたしには、どこにでも行ける足も、技術も、知識も、その気になれば手に入れられるからね！
まぁ、今のとこ興味はないからアレだけど…。
もしおビブがものすごい遠くに行っちゃったとしても、会いたくなったら、勝手に会いに来るよ。

だからまぁ、とりあえず死んじゃ元も子もないから、それだけ気を付けてね〜〜〜。
ま〜半身不随くらいなら別にいいけど、言葉わかんないレベルになったらつまんないから嫌かな〜？

あ、そもそもこんな所でそんな状態になったら、延命措置とかできないかな？あっはっはっは！
じゃーなおさら気をつけてね！あっはっはっは！

あのねっ、あのね！仲直りできたよ、お姉ちゃん！！

ポプリに何かあったら手放さなきゃ……かもしれないけど、

でもね、きっと大丈夫だと思うんだ！
困った時はお姉ちゃんに頼っちゃうかもしれない。

本当！？ビブリお姉ちゃんに褒められるの嬉しいな！

お姉ちゃんの評価じゃ駄目なのかー……
褒められたら行けるかなって思ったんだけどな。

だからそう簡単に行けるところじゃないんだロ！

あ、じゃあローラスさんの評価じゃ行けたりしないの？

んお、おつかれー。いろんなヤツいて面白かったな〜…
ノンキなとこだぜここは。そりゃアカデミエも渡航許可出すわ

ワカってないねぇ〜トリトンちゃん。
普段の仕事と関係ないからタノシーのよ。要は息抜きよ息抜き！
トリトンも楽しかったろ？

それに俺は俺で研究やってたしな。『世界値の測定』。
あれって一週間とか一ヶ月とかかかるからねぇ〜　終わるまでヒマなのよね。
だいたいはそれまで風土調べたりー、飲み食いしてるだけだからなー。
そういや、ここの"タクアン"、ウメーな？俺おみやげ買っちゃったよ。5PSだし。

あ？俺？俺はあれだよ。アリウムにちょっと呪術入れてもらって。
あとは、自分の発明品で、自然由来の乱数調整したり、会場の魔術法則をちょっと狂わしたり……的な？
エンブリオとかいうのは持ってねんだし、いいだろそんぐらい。

「デリカシー」？なにそれオイシイの？
相変わらずッスね〜ビブ子、学術書以外の本読み過ぎなんじゃない？
メルンテーゼの文化状況はあんまり調査してなかったけど、そういうのにお固いトコなのココ？

っつーか、彼氏は否定しねーんだ。
んなら、どーすんのお前？ここで結婚してメルンテーゼ民になんの？
彼氏がパーならアカデミエにゃ入れないわよ。そいつ頭いいの？

……ん〜、どうしよっかな〜。
戻るか、メルンテーゼからさらに別の分割世界に飛ぶか、ちょっと迷ってる感じ。
……ビブ子、そういやさ、そのエンブリオとかってアカデミエに連れて帰れるもんなの？
連れて帰っても「ネクター」っていう植物がないと契約破棄されちゃう感じ？
いや俺も一匹くらい連れてこうかなとか思ってみたりしてんだよね。便利そうだし。アカデミエの審査が通らないかなあ。

「グランドマスター」……？
なんかその、なんていうか、まぁ、えーと、アレな通名だな……

なるほど、気まぐれね。
そしたらそのグランドマスターが君の師匠というわけか。
彼も鉱石を？

……だからさ、きっと歴代の研究者は、きっと「自分のコドモを残そう！」と思ったわけじゃないと思うんだよね。
でも、結果そうなってる。
だから、君もあんまり気にしなくていいんじゃない？
研究ってのは結果を出すところまでをそう呼ぶんだから。

結果は誰かに伝わらないとその意味を成さないわけでしょ。
君がそうやって自分の伝える力に疑問を持ってるんだとしたら、
出版した本とか書き直すトコから始めたら？

……あ！そういえばちょっと見せてもらった本、ぜんぜん概念的でわかりづらかったわ！アハハ！

ま、私が言えたことではないんだが……
伝えたいことがあるなら、とりあえず口にしないとわからないよ。
勉強のことも、気持ちのことも。

あはっ、議論しあってたっていうのはローラスとなんだ？
面白いね〜、おとうさんのライバルの下に娘がついてるってのは。

でもさ〜、議論ばっかりなの？実験とか証明とかしないわけ？
ローラスが君のパパを召喚してみせて二人目のパパが出現するかどうか実験してみたらいいじゃん。

もしくは二人で別世界に存在する生き物を同時に召喚して、
別世界の生き物が消えるかどうかと、二人がいる場所に何体出現するかどうかを確認するとか……
流石にやってるかあ。どうだったの？

思考した結果に満足したのなら別にそこで停止していいでしょう。
君みたいなタイプってさ、心配したらしたで
「私は子供じゃないんだから心配しなくてもいいのに」って言いそー。

お父さんのことがスキで、かまってほしいんだなあ。
ますます羨ましいねぇ。

おかげさまで。
この世界の生物やら植物やらのサンプルも採取できましたし、
なかなか有意義な時間が過ごせましたよ。

僕の研究についてはレポートまとめてライブラリに保管しますから、
時間の出来た時にでもゆっくり見てみてくださいよ。
結局鉱石も精霊石も物質や魔力が結晶化したものですから、
何かしら君の研究にも役立つんじゃないかと思いますよ。

ああ、僕も帰ります。一緒に行きましょう。
採取したサンプルやらなんやを向こうに持って帰って、
早くきちんとした設備の在るところで研究したいですから。
ああーでも、その前に何か美味しいものでも食べません？
アカデミエにないものが良いですね……ああ、ビブリオバベル、
最後におすすめの店かなんかあれば教えてくださいよ。

ま、彼氏の件は君がまたアカデミエに帰ってきた時に聞きましょう。
その頃には色々進展もあるでしょうからね、
聞く側としても情報量が多い方が面白いですからね。
楽しみにしてますよ。

それじゃトリトン、行きましょうか。
楽しかったですよ、ビブリオバベル。身体に気をつけて。また、アカデミエで。

あー……、うん。そうだった。
揉んでくれる人はいるんだっけ、ね

わー、さすが、おねえちゃんだ

故郷を出たのは理由があったけど。
外の世界に来てよかったなって思ってるよ

……。

だいじょうぶ、守るよ

……うん

引かないでよ！突っ込んでくるところでしょうここは！
酷い…ビブリちゃんの鞭が痛い…

そうだね。こんな状況下でこそ縁、
つまるところカネとコネは大切にしないといけないねぇ。

いやいや俺がとりわけデンジャラスな思想の持ち主とかってことじゃなくてね？
どのような本心であれ相手に"悟られること"そのものがリスクってこと。
それが愛情であろうと嫌悪だろうと関係なくね。

だからつまり俺が陰惨とかそういう話じゃなくてね！！

…ま、もうちょい大人になれば分かるんじゃない？
何ならローラス先生にでも聞いてごらんよ。

あ、やっぱりそうなだ？
そりゃ俺ぐらいの有能な商人になると、
信用できる情報筋の１つや２つあるからさぁ。

言わない言わない、俺とビブリちゃんの仲じゃん！
なになに、相手はどんな人？メルンテーゼの人？

ま、そういう地形は一部だけどね。雨季もあるし。
職人の世界…ウォートフラックっていう、地味な世界だよ。

んー、あたしはあまりそうは思わないかも、です。
どちらにせよ、その世界は管理する必要がありますし、
利用方法としては、比較的正しい方じゃないかなーと。

力が無い被害者にとって、一生閉じ込めておけるその世界は、
ないと困るものかもしれませんよ？

本当にラケルトさんがまた出たんですか？
ちょっと会ってみたいなー。本気、出して欲しいですー。

場所は訓練場ですか？　ふらふらして行っちゃったんでしょうかね。
不釣合いな場所ではありますけど、この前も部下と一緒でしたし、
やっぱり、訓練中の部下とかと一緒に出るんでしょうか。

貴方の本望は戦う事じゃないようですし
抜け道はいくつでもあるでしょうね、戦うのはボランティアみたいなものです
無理をしても仕方が無いでしょう

敵もどんどん手強くなって…目立っていた森の竜よりも
竜のような狼の方が単純に強い相手だという話です
厄介なだけの敵はできるだけ避けたいところですね

竜自体よりも竜のような別の生き物の方が強いなんて不思議な話ですけど
…あ、でも貴方もある意味竜のような人間という事になるのですね
…失礼しました

何だか普通の母親といった感じですね
飾らない自然体で変に気取って無理をするよりは良いと思いますが
研究職はあまり外見を気にしない方が多いですからね

女性らしく綺麗でいようとする気持ちは持ち続けられれば理想ではありますけど……
そういえば貴方もある意味女性らしい格好は避けているような格好ですね…

方向性は違えど、その無頓着さは親譲りなのかもしれませんね……
なんていうと不本意でしょうか？

からかいにも程度というものがありますしね
行き過ぎた言葉は冗談でも辛い時もあるでしょうし…

心穏やかでいられる相手とするならば
素直で純粋な人の方が良いでしょうね
貴方も素直で真面目な人ですから、相性も良いでしょうし

友人なら色んな方がいて良いものですが
伴侶や恋人は合う合わないはありますし
もし相性の良い人が見つかれば、理想的ではありますね…

中々、そんな風にはいかないと思いますけど
物語でもあるまいし……

合ってると思います、ただエンブリオと人間を同軸に見るのは
少し変かとは思いますが……エンブリオは様々な種族がいますし
人間と同列にして種族として扱うのはおかしいかなと……

そういう意味では、生きている植物が平然と日常に溶けこんでいるのは
特別な世界だと思いますね、すぐにそうなったわけではなく
長い時間をかけたからこそ違和感無く受け入れられているのでしょうし

人間では無い種族ならあり得る話ではあるのですが
普通の植物は急成長して葉を伸ばしたりはしませんからね……
完全に植物外の特殊能力かと思いますけど……

……そういえば樹木と一口に言えども様々な種類の樹がありますよね
人間に人種の違いがあるように……貴方は何の樹になるのでしょうか？

そうですね。抜ければ希望なんていくらでも広がっているのでしょうね。でも、深い深い井戸の中に居るものには、ただ青い空を見上げていることしか出来ないんですよ。

それを人と呼べるかどうか。欲望を縛らなければ動物と同じでしょう

そうですね、法は人が決めるものです。限られた、ごく一部の人間が。

良い法だろうが悪い法だろうが、従わなければ首が飛ぶ。変わったのならばそれに従う。逃れることの出来ない檻の中ですね

僕は別に、法が正しいと言っているわけではありません。ただ、必要なものであると、そう言っているだけです

優しい土地、ね。

たまたま運が良かっただけでは無いですかね？場所によっては奴隷扱いされていたかもしれませんよ？

見た目が似てるもんで、わたし塩と砂糖良く間違えてしまうんだけど‥
愛情だけでは乗り越えられないものもあるんですなー‥

そういうコトじゃなくてですね

情熱的な意思がないと務まらない‥かぁ
先生っていうと、よくある熱血家でリーダーシップの塊で
って感じの人を連想してしまうんだけど、それとは少し違うかな

積極的でなくてもローラスさんみたいな静かで居心地のいい先生もすてきだと思うけどなぁ

熱血先生のローラスさん‥それはそれで少し見てみたいかも
‥‥体温で葉っぱが萎れちゃいそうだけど

そっかーアカデミエには簡単には入れないんだね‥‥
興味はあるけど、昔から研究というか勉強は少し苦手なんだ‥
集中力がすぐ途切れちゃって

良かった！眼鏡をしていれば悪くはならないんだね

へぇー！その目で魔力を見れるの？
魔鉱物の研究をしてるんだったら、もってこいの能力だねー！
じゃあこれからビブリちゃんが眼鏡を外して何か見ていたら
視線の先を要チェックですな！

魔力を持ったものがあるのは聞いたことがあったけど
それを確認できる目ってのは見たの初めて
アカデミエではそんな能力を持った人は少なくないのかな？

え？まあいいけど……
いや、そんな連呼しないし別に。

……！？

えっ　やっ
書いたのは、その、そうだけど、た、大したことやってないから今見たら結構無駄なとこあるし……！

……

え、えっとそっか、ビ、ビブリ……は研究者なんだっけ……。
魔鉱物の研究って具体的にはなにしてんの？どういう分野が専門なの？

ある程度は仕方ないけど、いい気分もしないよな。めんどいし。
へえ、じゃあ堂々と研究してても別に文句言われないのか。
在るだけで致死的な呪を撒き散らす石……えっそんなのマジであんの？ただの例？

そ、そこはもちろん多分余裕だけど！
ライセンスとったら研究結果とか全部提出しないといけないから嫌なんだよ

相手はカエル化！防御力が大幅ダウン！
お姫様だろうが何だろうがタックルのチャンスね！！

いや、そうは言っても…小さなカエルだ…タックルなんぞしたら恐ろしいことに…

もしかすると、顔面くらいにはおっきなカエルさんかもよー？

やめろよ…そんな恐ろしい話は…

ビブリオバベル様には、これが一番ぴったりですわ！

ここをブローチかなにかでとめれば
歩いても落ちてくることはありませんわ

この柄は、私の故郷のフォーマルハウトの伝承にちなんでおりますの
きっと、ビブリオバベル様にもフォーマルハウトの加護がありますわ

ふふ、見慣れた柄ですのに
着る人がかわるだけですごく新鮮に感じます
なんだか嬉しくなってまいりました

お譲りいただいたオパールも、大切にさせていただきますわね

わたくしのウィスプが気にしているようですの

…もう少しなじんだら、この石に
ウィスプが宿ることができるかもしれません

先日は、ビブリオバベル様ともご一緒させていただけて
とても楽しかったですわ

…楽しかった、という表現は、一揆の最中には不謹慎でしたかしら

学ぶことの多い進攻になりました

フェルハト様にも、宜しくお伝えくださいましね

あら。最悪の可能性を考えるって、時には必要だと思うわよ？

・・・・・・。
”私の”セルフォリーフは・・・そうね、崩れ去ったわ。文字通り。

他者の観測だと確認は出来ていたり封印されていたり、一応行き来できた人も存在するけど・・・。
どうにも、個別の認識ごとに分化しているみたいね。
こればかりは、どうにも成らないでしょうね・・・。

まあ今となっては、生き残りと言うか・・・あの世界出身で、他の分割世界にも渡っている人間はどの位居るのかしらね。

っと、そうね。巨人・・・とは言ったけれど、「大きな人型のエネルギー体」と訂正するべきかしら。身の丈は4,5階建ての建物と同じくらいのね。
で、戦闘時には体表面を硬質化させて、あの板みたいなので外殻を形成する、らしいわ。住人全員そんな感じの世界って話でね。

まあ、その分割世界の固有名称は、未だ決まってもいないとか言っていたっけね・・・。
ま、何か面白いことに使えるなら、そう願うわ。

ふむ・・・世界によって様々だけど。
科学や錬金術、あるいは信仰の奇蹟に頼るような社会生活基盤としての利用を、魔鉱物に求める訳ね・・・。

まあでも、一種錬金術と言うか・・・原料から加工してって意味では同じかしらね。
後の問題は産出量と利便性、さらには普及率と効率がどうなるか、かしら。

或る世界では、魔力を貯められる結晶で塔を作り、その蓄積された力を魔術師なら誰でも引き出せるようにしてたって聞いたことが有るわね。
まあ結局、蛮族扱いされてた普通の人たちに物理と人海戦術で文明崩壊させられちゃったらしいけど。

ともあれ、面白いわね。
貴女、一揆の様子・・・と言うか世界の情勢、国とそこに住む人間の動きを、客観的に見ておいた方が尚の事良いわよ？
もし本当に、今言っていたように・・・行く行くは魔鉱物の有効活用を広めたいのならね。

――何がしかの力となるものを、多くの人に行き渡らせるためには何が必要か。その時問題となるものは何か。費用は？ 人の感情は？ 利害関係は？ 本当に”それ”でなければならないのか・・・等々。

まあ、今はまだそんな段階でも無いでしょうけれど・・・。
綺麗な結晶の輝きは、目を離せないものね。

へへ〜、かわいいっスか？うれしいっス〜。

でもそれなら恋人じゃなくてもいいから……ってこれじゃ話が逆戻りっスね。

けど〜、それだとベルちゃんとはお話するまでの仲にしかなれないっスか？なんかもやもや……。

嫉妬が制御できない感情だっていうなら、ゆあがベルちゃんを食べちゃいたいなあって思うのも抑えきれない感情っス！＞＜

色んな世界か〜。きっと面白い生き物もいっぱいいるんだろうな〜。ゆあも行ってみたくなるっス。

あ〜！争い事が嫌い！そんな感じっスね。
それでも見てるのはベルちゃんが心配だからっスかねー。せんせい実はやさしいっぽいし〜。

へ？

ん〜、そうっスね〜……やめるとは思うっス。メルンテーゼがどうってのはよくわかんないし、ゆあは生きてくのに困ってないっスから。

でも今一緒に行動してる人たちは一揆やめないと思うから〜……もうちょっとついていくっスかね。せっかく仲良くなれたから！

……？
何故そんな狼狽えたような顔をするのかわかりませんが…

ともあれ、私は別にあなたを低く見ているわけではありません。
時折、強い言葉で当たるのは、それに値する人物であると思っての事。
それはわかってください。

ビブリオバベル、あなたの信念はわかりました。
今はそれを信じましょう。
そして、現在問題となっているのは『全体に漂う空気』というのも、その通りかと思います。

……実際、参加者の中から、いくらかの脱落者も出ているようですからね。
単純に戦列から外れた者から、解放される見込みのない農場労働に望んで落ちた者まで。
大義名分云々がなくとも、すでに事は進んでいるように思われます。

ただ、疲弊による反乱の沈静化は、体制側の策としては定石と言えるでしょう。
そも、こうした反乱は、規模の大きな体制側が有利です。
反乱側は初動で情勢を傾けられなかった場合、長期間の粘り強い闘争を強いられます。

ですから、反乱の長期化とは想定して然るべきものなのです。
おそらく、異世界に呼びかけての大量動員は、短期決戦を望んでの戦略だったのでしょうが、裏目に出ましたね。
現在の状況は、首謀者の見通しの甘さが招いた結果とも言えるでしょう。

我々は漫然と小さな勝利を重ねているものの、新王軍にどれほどのダメージを与えているのかさっぱりわからない。
新王軍の強さとは、そうした情報統制の巧みさもあるのかもしれません。

・・・リトン。

・・・粒子汚濁度0.036mg/m3不動、
大気汚染度0.001〜0.0005ppm横這…。

御機嫌陽、リトン。嗚呼、闘技大会持終わっ多乃。
御疲れ様。見てい他蹴度、中々見応絵我有っ多…。

総ね、逸ろ逸ろアカデミエ乃空気我懐かし居。
研究然放置志多侭堕し、私然帰る事にす留和。

…ローラス教樹。其の御言葉、楽し身にしてゐ〼よ。
出端、先図御先にアカデミエで御待ちしてゐ〼。

御武運を。

ビブリオ。

必ず、生きて 会ゐに来て頂戴。

………。

何か事情がありそうですね。
説明して貰えたら、ありがたいんですが……そうもいかなそうかな。

というかあの男性の身体はどうなってるんでしょう……！？
まさか、新種の魔鉱物……？

………。

切り抜けるッ！

わわわたしに任せてっ！！！

イィから・・・・・下がって・・・・・

見れば見るほど不思議な身体……。

戦利品、戦利品。

・・・・・力が足りなィのなら、仕方がなィ・・・

・・・・・・まだだ、フロラ・・・私は・・・・・まだ・・・・・

君を・・・・・救えない・・・・・

いいものみーっけ♪

これは……。

お宝発見？

そちらは無事に勝てましたかっ？
それじゃ、ちょっと練習しましょっか。

力比べよ。

この面子でやるのも暫くぶりな気がするね？

光翳らす者に、熱き血潮の鉄槌を――