動く死体と遭遇した。
民話としてはありきたり題材だが、実際に遭遇してみるとそれなりの知能、高い耐久力となかなかにやっかいな相手だ。

これだけの数がいることを考えると生前に特別高い能力を持っていたとは思えないが、それでもこれだけの力を出せるというのは興味深い。
生きていると過度の負荷を避けるために脳が無意識に力を制限しているというのは本当なのだろうと思える。
そして、おそらくは死体を再度動かすようにする課程でそうした肉体的な能力の増大と知的能力の減退が同時に起こるようになっているのだろう。
やり方を変えれば知的能力と肉体的能力を生前と同等に保った死体を作り出すことができるのかもしれない。
機会があれば一度試してみたいテーマではある。

うっかり名前を忘れたまま、挨拶をゴリ押した。

またもや、やりづらい相手、と。ため息混じりの呟きを。