久しぶりに日記を、と思ったけれど、
何やら色々と、ありすぎて。

燃え尽き症候群、というものは、こういうものの事をいうのだろうか。


彼が一番辛く苦しかっただろうあの瞬間。
実は、私は嬉しかったのだと言ったら、彼は、怒るのだろうか。


私はもっと、彼の言葉を聞きたい。
私はもっと、私の言葉を伝えたい。




そう言えば、彼女へのお礼に、悩む。
もう随分と旅を共にしているのに、彼女の好きなものがわからない。

……これは、もうひとつの勇気の出しどころな、気がする。


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（恐らくチキレ敗走なので、メッセは次回になります。まことに申し訳ないです。）

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記憶に在る姿より、幼く。
けれど真直ぐに前を見る瞳は大人びて見えて。

この世界での居場所の片鱗になれるなら、何度でもいおう。
友達の居場所を守る手助けが己にできるなら、何度でしよう。
よかった、と瞳を伏せて。
そっと隣に居る少女を見、笑う。

隣で微笑む彼女に微笑みを返しながら。
同じになってしまうから、と付け加える声は、仄かに悪戯げに。

彼女は気づくのだろうか。少女の瞳もまた、記憶にあるそれよりも、迷いなく。

　

制服の少女の手を握る。小さく優しい手だと感じる。
きっとナイフを握り続けて少し硬くなった私の手より、ずっと良い手だ。

和風、といえば良いんだっけ。そう付け加え、ほのかに笑った。

それでも、と目を眇める。

それは俺には分からないことだ、とそう続けた。

それで気付けば、数十年だ、と。

　
　向けられた二言には、応えるようにまたふわりと笑んで氷は言う。
　人のように声を発するそれは、恐らく自分の周囲に在るエンブリオにしては異質な部類だが、彼女はどう思うだろう。
　そう思いながらも、その少女が眼が丸くしたのを見て、にし、と笑った。

　
　やっぱりそうは思われていないのかもしれない。望外なだけかもしれないが。氷はやはり微かな音を立てて笑うだけ、そこに僅かに苦笑の色が混じる。
　条件、それを問う声には、今度は淀みなく口を開いた。
　

　

　
　勝負に近いかな、と、付け加える。

　その大きな区分けの中ですら、悪戯好きとされる水の精霊がいたり、人と関わりたがる水の精霊がいたりとするのだから、専門を決めなければ中々に大変なんだと聞いた事があるよ、なんて楽しげに語ってみせながら。

　ねー！　と小首を傾げてみせれば、また、きゃあ！　と声をあげて、くすくすと笑う。

　緩い苦笑いを浮かべながらも、何処か楽しげにそう言ってみせたのち、頬を押さえたまま、えっと、だの、その、だのと口籠もって。

　もごもご。恥ずかしげに目を伏せて。

　どんな人なの、と。首を傾げて問うた。

息、一つ。切っ先を見る黄昏は深い色。

ぴょい。飛び出した影一つ。

出来れば。と。微かな呟きの背を押す様、風が、吹いた。

敵でなければ良い、と、二人が去った方向を見つめる瞳は、常の、眠たげな。