何人かの者は、何も残さず、死だけが伝えられた。
エリック＝ロイドもそうであった。
兄たちの死を信じられず、エメリーは黙って様子を見ていた。
村の大人たちは葬式のことなどを話し合っていた。
しばらくしたら、彼は何事もなかったように帰ってくるのではないか。エメリーは未だにぼんやりとしながら、家に戻った。
普段は口数が少なく、厳しい母親がまるで子どものように泣いていた。
父親はというと、母親の隣に座り、黙ってその背中を撫でていた。
それに堪えきれなくなり、エメリーは自分の部屋に行って泣いた。
気がついた父が待てと言っていたようだったが、
その日のことはもう覚えていない。

それから2日後の朝、エメリーは両親に地下室に隠れるようにと言われた。
何が何やら分からなかったが、言うとおりにするしかなかった。

ごそごそ。

黄昏を宿したほのかな焔の一塊が、燈子の影から静かに滑り出た。

焔は音もなく、ほのかに瞬いている。