最近はしばらくばたばたしていたから、こうやって日記をゆっくり書くのは久しぶりだ。
やれナイトスピリットに腹刺されるわ、変な呪いかけられるわ、
ダイゴとかいうのには負けるわ、何なの？という位悪い流れが続いていた。
そろそろこの流れもなんとか断たねばならない。

目下の問題は、ダイゴ戦か。
最悪な負け方をしてしまった。詳細を書きたくない程。
出来るだけ平常心を保っているつもりだったんだが、ユディタには見抜かれたのか
それとも誰から見てもバレバレだったのか、別隊で動くという形で頭を冷やす時間を渡されてしまった。
結果としては、とてもありがたいものではあったが、やはり不甲斐無さにもやもやしきりだ。

小学生の頃だ。似たようなことがあった。
大会に出て、同年代の男子と試合で剣を交えることが何度かあった。
習い事の域からはみ出た稽古を受けていただけあって、上級生を押しのけて入賞するのが常だ。
そんな俺が、初戦で敗退したことがある。
慢心もあっただろう、ひょろ弱そうな相手に露骨に油断していた。
予選表を思い返し、次の相手は誰だったかと考えている間に一本とられてしまった。
自分の過ちを受け入れられなかった俺は、即座に相手に再戦を求めた。
公式の試合ではない、ただの二人きりの練習試合だ。もちろん俺が勝った。
それでも胸のモヤモヤは取れず、再戦が道場の人達にばれて四面楚歌なお叱りを受けた。
それからしばらくスランプみたいになって、がむしゃらに練習しているうちに元に戻った…んだっけ。

今なら分かる。自分に足りなかったもの。
自分の過ちと負けを認め、受け入れなくてはならない。
相手は憎むべき対象ではない。それは八つ当たりだ。あいつはベストを尽くしただけだ。
自分の驕りのせいでユディタを守りきれなかった自責の念から逃げてもならない。
全て受け入れ、全て飲み込み、糧としなくてはならない。
こうやってまとめると、なんのこともない、当たり前の事だ。
その当たり前がとても難しい。俺はまだまだ未熟だな。
それでも、こうやって結論を出せた事はとてもありがたい。肩の力がやっと抜けた気がする。
山登りに来てよかった。ユディタに感謝しないとな。




ところでその山登りなんだが。同行者がとても不思議だった。
まず△の飾りが目印。それちょっとやばいやつじゃね？と思ったけど、メイド服も目印と言われた。
会ってみたらすごくテンションが高い人だった。
ユディタの紹介だし、変な人じゃないだろう、と思っていたら、

これが

↓
こうなって

↓
こうなった

おばけかな？と思ったけど、妖怪だっていうし。
だが妖怪があんな幼女が喜ぶ系の魔法少女みたいなものになるだろうか？
まぁメルンテーゼだし、想像の域を軽く飛び越える存在がいるということにもそろそろ慣れよう。
彼女が勤めている？お店の料理もとても美味しかったし。悪いことはないはずだ。
いや本当、久しぶりに食べたんだよ、ナポリタンとハンバーグのセット。しかも鉄板皿。
メルンテーゼに来る前によく食べた、馴染みのある味だった。
こういう味の再現ばかりはユディタにお願いしようにも難しいし、このお店にありつけたのは幸運だ。
他にも気になるメニューがある。また機会があれば行ってみようと思う。
今回は終始落ち着きのない様子だったから詳しく話が聞けなかったが、
次行く頃にはあのゆゆこという人も話しやすくなっている…だろう。多分。
どんな妖怪なのか、あとちょくちょく視界に入ったねこみみの子のことも。
まさか生ねこみみ娘をこの目で見ることができるとは。メルンテーゼ入りも悪くないな。
一回り年上の女性と接するのは古傷をえぐる部分もあるが、そうも言ってられない。