この世界にきて、気づけば二桁の日数に突入していた。早いもんだ。そしてよく生きてるもんだ。人間どう転ぶかわからない。
　まあ、すべてがすべて自力じゃない。色んな人に図らずも助けられ支えられ、ってのが現実だ。このエンブリオとかいう仲間にも。
　クァールは女集と仲良くやってる。時折、ネージュんとこのインコに食いついてたり（比喩じゃなく）して、まあ元気だ。
　ツッチーは気が小さいのか、あまり俺の傍から離れない。一番新参のネムと気があったのか、スローペースで楽しくやってる、と思う。何せ話せないんでね。寝むはこいつの言葉がわかるってんだから驚きだ。

　これから先、仲間もそうでない奴とも、山のようにであうことになるだろう。
　だができれば――あまり多くない方がいい、かな。引っ張られそうで怖い。そんなことを思った。