〜求浄天晴学園　高等部２年５組教室〜
メルンテーゼの一揆は終わった、無事に冬休みを終え、始業式を迎えた柊魔異
式の後、クラスへと戻ってきた彼を迎えたのは『二人の転校生がいる』という教師の言葉だった――

ガラガラッ！
勢い良くドアが開かれた。
――錯誤者。一目見て伝わった事であろう、彼女はそれだ。
学ランを肩からかけた、所謂番長スタイル、頭上には何故か角笠。
…とにかく奇天烈な格好をした少女が入室した。

カツッカツッカツッ！
そして少女は記す。黒板に自らの名前を
【杜若　明日香】
嫌に攻撃的な、所謂ゲバ文字で記された少女の名前。
そして少女は口を開く。開いてしまう。

教室が、静まり返った。

柊魔異は目の前の光景に思わず
――すぅ、と呼吸をする。

その時、魔異の後ろで誰かが立ち上がる気配が。

聞き覚えのある声に魔異が振り返ると、
そこには大きめの指定の制服に身を包んだ後輩の姿があった。
話し終えればいつも通りの眠たげな表情のまま、当たり前のように元の席に着く。

じ、とクラスを見回しながら、ぽつりと。