違う、もん……。

うぐう。

う…？　な、何でそんなにあたしを見ているのかしら…？

う〜ん…何だか斜め上な勘違いをされてる気がするなぁ。

一番強いから『最強』って言うのだし、たくさんいる時点で矛盾だらけよね…。
もう少し、まともな竜はいないものかしらね…。

ま…そのまともなのが王側に味方していたら、それはそれで一揆側のあたしとしては困るのだけれどね。

まああたしもその『人間のみ』な世界の出身だからね。
高位の竜は人語を介していたから、厳密に言うと少し違うのだけれど。

ともかく、今はその新王をどうにかしないと気の休まる暇も無いわね。

ま、まあ…つまりはそういうことよ。
顛末は察してもらえると嬉しいわね…。

いのちを良く…か。
……心配はいらないわ。
むしろ普通の人間より、よほど長命だから。

……なるほどね。
外から来た人間には、そういう輩も少なからずいるものね。
元からメルンテーゼにいた彼女からしてみたら、例え一握りでもそういう邪な余所者がいたら、同じ『余所者』のあたしを警戒するのも無理も無いわよね。

正直に言わせてもらうわね。
少し昔の、色々と自棄になっていた頃のあたしが一揆に参加していたなら、そういう風に…この世界のことなんてどうでいいって考えていたと思うわ。

今は違うわよ？
少なくとも、この世界のことは気に入ってはいるし。
……信じてもらえるかどうかはわからないけれどね。

わっ。

えっ、あっ、えーと。喋った？

お、おやっ？
更にエンブリオ？　は、初めまして？

こ、これは――いわゆる“逆鱗に触れた”という形か。
まるで猫みたいで可愛――じゃない、
尾を踏んづけたということになるな。

いや。そこのエンブリオの言うとおりだソウ殿。

貴殿のような子供に手を出す趣味はないし、
装飾物を取るつもりもない。
不用心な行動に出てしまったこと、詫びよう。この通り。

ああ、すまない。
私も少し距離をとった方がいいみたいだ。

……いや、何だかすまないねユノ殿……。
この状態できちんと結果を読めるか心配になってきた……。

しかしそうか、メルンテーゼの行く末……大きく出られたね。
実に難しい話だな。
あまり保証はできないけど、私自身も気になる所だ。

尻込みしていても仕方がない。
やってみよう。

なかなか強い相手だな。
だが、千巌は負けないぞ！

…覚悟は宜しくて？

この水域は我等の物だ。何人にも譲りはしない。

私の力をお望みか？ならば私を蹂躙してみるがいい。

この水域は我等の物だ。何人にも譲りはしない。

私の力をお望みか？ならば私を蹂躙してみるがいい。

私の力をお望みか？ならば私を蹂躙してみるがいい。

この水域は我等の物だ。何人にも譲りはしない。