そう言って、彼女は胸元から赤い石・・・たぶん、ルビーだ・・・のついたペンダントを取り出して見せた。

・・・因みにその国が滅んだのは、500年以上前のことである。
計算したシルフィードは指摘しようとしたが、言うとまた怒られそうな気がしたので口に出すのは止めた。

ますます小さくなっていくシルフィードである。

蒼空を行き来する術を訊くウィルフレッドに、シルフィードの目が輝いた。

木の実が直撃したのを見届けると視線を真横に移す。

割と棒読みだった。

淡々とした口調は今まで通り変わらない。
…が、少し口元が緩んでいる。

何も言わず、軽く人形を真上に放った。
…人形が光に包まれ、そのまま消えてなくなった。
ほんの少しだけ、満足げな表情を浮かべているようにも見える。

>「やりたい事ねえ。聞いてもいいか？ 」
>「相手によってはそれなりの額を頂くことになるぞ。 」

相手の質問に直接は答えず、一枚の写真を取り出す。
…写真の中の金髪の女は、何処か目の前の少女に似ている。

それだけ告げて写真を仕舞う。

上に向けた掌をあなたに軽く突き出し、数秒程度の短いメロディを口ずさむ。
掌から膨れ上がるように、白い光が溢れる。
…膨張した光が薄れて消えた掌の上には、ふよふよと数本の金色の延べ棒が浮いている…。