・・・ええ、報告は以上になります。

そう、あのレクシアがついに最前線に出ましたのね。

ハネズさんも予想はしていませんでした？

どうでしょう？ すでにポテンシャルは十分ありましたし、あとは当人のやる気次第でしたからね。

・・・あえて今訊ねますが、なぜレクシアちゃんをメルンテーゼに送り込んだのですか？ 『メリーさん』の対処であれば我々の分割世界でも十分対処できましたよね？

レクシアは―――似ているのです、私と。

似ている？

知識ばかりの頭でっかちの私に必要なもの、それは経験でしたの。

経験・・・ですか。

戦いだけではありません、様々な人と接するだけで信じられないほどの経験を得る事ができました。 それを・・・レクシアにも体験させたかったのです。

それって、まさかレクシアちゃんやみぞれちゃんの故郷というのも嘘だったのです？

まさか。 みぞれちゃんの母親はれっきとしたメルンテーゼ出身者ですのよ。 理由にはしましたが、第二の故郷というのは事実です。

・・・ほっ、よかった。

メルンテーゼ、フラウにブリギットにスノーホワイトにユキアネサ・・・雪女に近い種族が多くいる世界なのです。 母親がどの雪女に属するかは判断しかねますが・・・。

全体的に寒冷地に見えないのに不思議です。 にしても・・・この一揆で、どう変わるんでしょうかね。 世界も、レクシアちゃんも。

向上心さえ芽生えれば、あとは自ずと・・・自身も、世界をも変えてゆけるでしょう。

ふぇぇ・・・。

ほら、手を休めてはいけない。 続けて。

えぅ、だって・・・。

これはそういうものなのさ、耐えるしかない。

あら、珍しい組み合わせ・・・って、何をしてるの？

たま・・・ねぎ・・・。

みぞれちゃんに料理を教えて欲しいと頼まれてね。 ふふ・・・材料に玉葱を入れたのが拙かったかな？

あっ、わかってて入れてるわね・・・このドS道化。

えぅ、おわり・・・ました。

うんうん、上手にみじん切りができたね。 良い子だよ。 こうしないと、この料理は玉葱の美味しさを引き出せないのさ。

・・・ところで、なんで料理を教わってるの？

わたし、なにもできないから・・・せめて、なにかできること、ないかなっておもったの。

・・・・・ふぅん。 いい心がけね、それで何を作っているの？

野菜ハンバーグさ。

野菜ハンバーグ・・・？

昔、とある王城に野菜嫌いの王子様がいてね。 どんな野菜も口にしないので、試行錯誤の末に様々な『王子レシピ』が生まれたのさ。 この野菜ハンバーグもその一つなのだよ。

それはいいけど、普通のハンバーグを教えてはいけないの？

実の所、このレシピは栄養学的にも非常に優れていてね。 野菜の食感と苦味を極限まで失くす為に刻み、そして摩り下ろした野菜に火を通してある。 この行程が消化吸収の効率までも促進している。 肉だけのハンバーグより、健康面に良いならそちらを選ぶだろう？

・・・そう、問題は味ね。

ふふ、王子様が『野菜だと気付かなかった』料理が王子レシピを名乗れる。 つまりはそういう事さ。

なるほどね。

じゃ、次は人参を摩り下ろすんだ。 丸々一本使っていい。

はい！

少しずつ、人と人が出会う事で何かが変わり始めている・・・不思議なものね。

・・・・・。

あら、難しい顔してるじゃない？

あ、ルネさんこんにちはデす。

何か考え事かしら？

タいしタ事じゃないのデす。 タダ、ご主人様以外から何かを任されタのは初めテデ・・・。

怖気づくなんて珍しいじゃない。 不安？

不安じゃないト言えば嘘になりますかね。 責任の大きさが違い過ぎます。

溶けた・・・。

デも、楽しみデもあるのデす。 わタしも頼られるくらいの存在になれタのかなッテ思えテ。

何かを成し遂げるには、相応のリスクが必要なのかもね。 だからこそ、成し遂げた者へは賞賛が贈られる。

かもデす。 ダから、これからはもット真剣に一揆に取り組まなきゃいけない気がしましタ。

・・・そうね。 私個人としてはメルンテーゼや王国がどうなろうとどうでもいいけど、私はレクシアさんについて行く事しかできない。 だから、全ての行く末を見届けさせて貰うわ。

はいな、頑張るのデすッ。

さて、そろそろサーチュン達のお料理実習が終わる頃よ。 全員分用意したらしいから、お呼ばれにいきましょう。

わぁい♪

・・・私は、もっと変わる事が出来るのかしら？

もう一度、あのお屋敷に行ッテみましょう。

私も千秋ちゃんが恋しかったよー！ きゃー！
みんな無事でよかったわっ

グリーンパレス・・・？　って、何か・・・すご・・・。

ぼくたち、場違いな気がするよ・・・。

出生の秘密、ですか……。
知りたいことが判ると良いですね。

確かに面白い世界かもしれないですね。
少なくとも私のいた世界とは全然違うので、新鮮に見えることばかりです。
私のいたの世界では魔法とかそう言うのは無かったですし。

なんでって言われてもこれしかする事がない、からかな？
私もこの世界に自分がいる理由が判らないんだよ。

だからそれを捜す為に一揆に参加している……そんな感じかな？

うーん、硬くするのは難しいね

別に硬くしなくても十分強そうだからいいんだけど

わたしのも体毛って言うかそういうものを加工してるんだよー

大分材質が違うけどセーターみたいな感じかな？

レクシアさんのはそう聞くとなんだか鱗って感じだね。柔らかいうころ

簡単に作った物だけどそれそのものが発熱するから普通のマフラーよりは暖かいはず・・・レクシアさんなら火傷もしないだろうし

ふむふむ、食べ物をエネルギーにするのに酸素を使うと、でも体表面でまかなえる程度の消費量なら効率がすごくいい感じだね。すごい。

わたしもやってみたいけどどうしても浮いちゃうんだよねー・・・

レクシアさんと手を繋いだらいけるかな？空気は魔法でなんとか

木琴って言う楽器だよー、鉄で出来た鉄琴ってのもあるけどさすがに重いし

メロディ奏でられる打楽器・・・叩くタイプの楽器は案外少ないからね〜、ピアノってのもあるけどあれはあれで装置が大がかりすぎて

レクシアさんも音楽に興味を持ってくれたら♪

う、うん、本業って訳じゃないけど必修だね。

人を捕まえたり、誘惑したり、迷わせたり、いたずらや遊び目的の場合が多いね。

最近はあんまりやってないけど・・・

♪

おお、レッサーさん。

鶏ね

焼き鳥かな

・・・え？　こんなにいっぱいで挑みかかっていいの・・・？

うー・・・ミスしないようにがんばらなきゃ・・・！

負けませんヨ。覚悟してくださイ！

僕の歌を聴いていってよ。お代はいいからさ。

レッサーだからレッサーとしか言えないってレッサー先輩が！！

君らが噂の・・・・・悪いけど通さないよ。

レッサーだからレッサーとしか言えないってレッサー先輩が！！

君らが噂の・・・・・悪いけど通さないよ。

漸く、ワシの出番が来たかの。

漸く、ワシの出番が来たかの。