「頼む…」

あぁ、久々に見る、――――


　「私がまだ、人間でいられる間に、あいつ等と同じ化け物に成る前に、」


また、この夢か――――














　「殺して欲しい」

いつからあたしは、みんなを助けることを諦めてしまったのだろう――――


　「…よかった、」

　「お前に頼んで正解だったよ」








　『ありがとう――――』







どうしてみんな、あたしに感謝して逝くのだろう








　『最後に人間扱いしてくれて　本当にありがとう――――』









だって、その言葉は、その願いは――――





























　





















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右手のグローブを外し、手の甲を見つめる。

その手に浮かんだ紋章を、苦々しく眺め、呟く――――

金色の竜と分断され、ローバルの軍勢と激戦を繰り広げた後。
久しぶりに見た顔に、ほんの少しだけ安堵する。

包帯を取り出しているミクネに向けて、突き放すように言い放つ。

まだあの”喰らう”竜がすぐそこにいるかもしれないと言うのに。
彼女を巻き込む訳にはいかない。
その一心で、立ち上がる。

押さえている場所は、骨折しているかのように腫れ上がっている。
実際、骨折している。
体のあちこちが疲労しており、足取りは重い。
肉体の損失は自己再生されているものの、それは遅過ぎる。

バランスを崩し、片膝をついた。

……今は応急手当を受けるほか無い。

自らの首元に手刀を当てて、首を落とす仕草を