辺りを見回すとただひたすらに続く白。
何もない誰もいない、そんな場所。

ああ、そうか、私は死んだのだっけ。
アウレリオ派へ行き指令の意図を聞きに行く、ただそれだけだったはずだったのに。

どうしてこうなってしまったのだろう。

反論なんてできるはずがなかった。
結局は私のせい、何を言ってもいい訳にしかならないだろう。

一人ずつ、一人ずつ徐々に人が増えていく。
気づけば私の周りに色々な人、子供達や滅ぼした里の人達、その他大勢に囲まれてしまっていた。

そして

――ズンッ

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ハッと起き上がるとベッドの上だった。

そうか夢だったんだ。
アウレリオ派の拠点へ行ったことも、ノエミに刺されたのも、私が死んだのも。
全部全部、夢。

起き上がろうと身体を動かすと胸部あたりに違和感を感じていた。


無理をして鏡の前まで歩いていき、着ていた衣類をはらりと脱いだ。
その鏡に映った私の胸部には刺傷。

ゲイルに殺されたかけた後、私は意識を失い、どうやってここまで運ばれたかも知らない。
そんな朦朧としていた意識の中で、唯一つ鮮明に覚えていた記憶。

再びベッドの上へと倒れこむ。



――どうして生きながらえてしまったの？


――憎しみをもつものに殺されるならいいと思っていたのに。


――もう生きるのが辛い。





ベッドの横にある机に目を移すと、いつも肌身離さず持っていた古式銃があった。
神父様からもらった大切な物。

手を伸ばし弾を確認すると、中は空っぽだった。
それもそうか、そもそも実弾を込めたことなど一度もないのだから。

ポケットを弄ると一つだけ弾が見つかった。
実弾ではなく、中には砕いた宝石が入っている、火薬の入っていない弾。

震える手で弾を掴み、古式銃へと込めた。
そして徐に自分の頭へとその銃を突きつけていた。

決意してもガクガクと身体が震える。


――怖い。


――死ぬのは怖い。


――でも生きるのも怖い。

何処からともなく声が聞こえてきた。

何を言っているの？そもそも誰？