古びた手帳にやや乱れた筆跡で文字が綴られている。

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―――泣かせてしまった。
彼女が知り合いであった可能性のが高かったのに、配慮に欠けていた。
けれど、どこか安堵しているように見えたのが気に掛かる。
記憶を失う前の自分は彼女に酷いことをしていたのだろうか？


探し物はまだ、わからない。
昨日もあの夢をみた。こうも同じ夢を見続けるとは。

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泣き続ける彼女をなんとか宥めて、もう一度名前を問う。
どうやら彼女は喋れないようだったが、幸いなことに文字を書くことが出来るようだ。
手持ちのペンは妖精には大きすぎたが、彼女は苦労しながらも手帳に名前を書いてくれた。

形が崩れていて読み辛いそれは、けれど自分の知る文字で書かれていて。意思の疎通が出来ることに安堵する。


「そう、シャノンっていうんだね。僕と少し音が似てる。仲良くしてもらえると嬉しいな」



……また泣かせてしまった。
何が地雷なのかさっぱりわからない。困ったな。

遠くから眺める子供が二人。

双子が長いマフラーを引っ張った！