【一揆参加15日目】

闘技大会の顔合わせも兼ねて、初めて4人揃っての攻城を行った。
探索も上々、遭遇した障害との戦闘も危なげなく運ぶことができ、小隊として十分に機能できていることを確認することができた。

今回新たに肩を並べて戦ったのはナルミという女性である。
姓も、故郷も、四肢すら持たぬ女剣士。それでも彼女は笑っていた。
強い、と思う。

笑い、働き、怒り、休む。
あの一揆が終わるまでは誰でも当たり前にできることだと思っていて、意識することなどなかった。
アイツを始めとした仲間がいなくなり、この世界に呼び出された時、自分の手の中には何一つとして残ってはいなかった。
それからの私は笑うことはできていただろうか。少なくとも自分の記憶には心から笑った記憶は残っていない。
心が、死にかけているような感覚がある。

やはり 彼女は強いのだろう。
彼女には手の中のものどころか、その手すらなかったのだ。それなのに彼女の心は死んでいない。
これからも生き抜いていこうという気概がある。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　私は 彼女のようになれるだろうか



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＞同胞

そういったかと思うと、彼もまた考える様子を見せる。