〜　日曜チキレ劇場　〜
【　けっこんしてよ！ギュス子さん　】

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☆登場人物紹介☆

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【　第２０話　『　アウトレンジから狙うのずるくね？　』　】




扉を開けたら、そこには別世界が広がっていました。

ここは、冥土喫茶 『有楽飯庵』（うらめしあん）。異次元の扉で何処からでも行ける、憩いの妖怪メイド喫茶店です。
料理自慢のオーナーと、かわいい２人のメイドさんがいつでもお客様をお待ちしております。


さて、前回までのあらすじ。

アイスソードを諦めきれなかったギュス子さんは仲間を募って再度ブリギット捕獲に乗り出しました。
仲間の協力もあって見事に捕獲対象に遭遇、勝利を得ることができたので、目的は一応果たされたはずでした。

が、戻ったギュス子さんはなんだか不服そうな表情を浮かべていました。
勝てたのは良いけれど、その勝ち方に納得がいかなかったようです。

そうなのです。ギュス子さんの話の通り、戦闘には勝利したものの真っ先にギュス子さんが落とされてしまい、
その尻拭いを仲間の方にまかせっきりにしてしまったことが、ギュス子さん的には許せなかった模様です。

ただここは、猫ちゃんの意見が正しいでしょう。素直に感謝して勝利を喜ぶべきであります。

ギュス子さんが落とされた理由。

それはブリギットさんと同時に現れた、３体の雪だるまの存在でした。
雪だるまは全員の体力を大幅に減らす攻撃を持っており、放置しておくと仲間全体に危機が及ぶ可能性がありました。
ブリギットさんを倒す前にこの雪だるまを止めなければ危険な状況であったわけですが、
困ったことに雪だるまの隊列は後列。前衛を排除しなければ普通に攻撃が届かない距離だったのです。

そこでギュス子さんは意を決して雪だるまの居る後列に飛び込んだわけです。
飛び込みざまに一体を撃破したものの、勢いはそれ以上続かず・・・たちまち包囲撃破されてしまったのでした。

まあフォローするならば、ギュス子さんが身を賭して撃破したことで相手の戦力は確実にダウンしましたし、
その後、集中砲火を浴びることでダメージを一身に受けて、仲間への被害を軽減させたことは事実です。

そこで見事に生還していれば、ギュス子さん的にも完璧な結果だったはずなのですが・・・。

もちろん元々決死のダイブだったのですし、仕方ないといえば仕方ないことだったと言えるでしょう。
しかし、それでも不本意感が捨てきれなかったギュス子さん。
いつもの執着心の深さが今回は良い方に発揮され、敗北から何かを学び取った様子でありました。

ほう・・・。射程に気がつくとは・・・ギュス子さんも大したヤツ・・・

ではありませんでした。そうでした。ギュス子さんの主力はメイド神拳。徒手空拳のインファイトスタイルです。

昨今の格闘業界では素手でも波動が出たり、音速の衝撃波が出たり、アッパーから竜巻がでるなどしていますが、
ギュス子さんはまだその辺の域に達したわけでもないので、当然そういう飛び道具は実装されていません。

これでは射程をのばすといっても不可能では・・・と思われましたが、ギュス子さんの自信の表情は変わりませんでした。

飛ばないならば伸ばせばいい。やはりギュス子さんも天才か・・・

じゃないです。伸びません。ゴムじゃないから伸びないし、銃弾も普通に効きます。
飛ばないなら伸ばす、という発想は斬新でしたが、伸ばす方法がなければまったく意味はありません。

流石にそこまでは考えつかなかったようで、ギュス子さんも考え込んでしまいました。

すると、意外なところから助け船が。

テンチョーの存在に気がつくとは、やはり彼はイケメン・・・。

そうでした。すっかり忘れていました。
うらめしあんのオーナー、通称テンチョーはろくろっパカの妖怪です。ろくろっパカとはろくろっ首のアルパカ、
つまり首を伸ばすくらいは造作もないことに違いありません。

気がついたら行動は早いギュス子さん。

駆け足で厨房の奥に引っ込むとなにやら交渉が始まったのでした。



そして数時間後・・・。

満面のドヤ顔で戻ったギュス子さんが、一同の前で新技披露を始めました。

いろいろと問題のある技名を叫んだ後、突き出した拳は見事に・・・ええ、見事に・・・


伸びました。確かに伸びました。

どう伸びたかは、それを目撃したお二人の感想から推察して頂けると有り難いです。


こうしてギュス子さんは自らの弱点を克服し、長射程を狙えるようになったのでした。



その代わりに失ったものは・・・計り知れませんけれど。




つづく。


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ギュス子さんのテンションに、虎鬼は戸惑っているようだ！

有無を言わさず、妖怪扉に引っ張り込まれる！

（...コミュメッセへ続く）

……
…

トラトラの背中にはブッ潰れたちよのが乗っかっている。

彼にも聖職者故地味に死者に対しての苦労はあるようだ

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