…あのサバスという名の男、ずいぶん興味深いことを言っていたな。
あやつは間違いなくこの元素世界の真理の一端を得ているのであろう……あるいは――。

…………。

…エンブリオの本来の意味。
それは語るまでもない。
正にその名のとおりの意味を持つのだとしたら、契約者の生命力を欲する理由も察しは付く。
我が推測が正しいのならば、それゆえに、契約した者がそうでない者と比べ絶大な力を得る原理の論拠ともなる。

だがサバス。
あやつは一言付け足した。
…「エンブリオという言葉は本来の意味の略称でしかない」と。
そうなると、私の思い至る言葉といえば――。

イレギュラーなもの。
だとするならば。
だとするならば、あの赤子はそういうことなのだろうか。

そしてあやつは繰り返し言った。
「言葉の意味」と。

エンブリオ、契約者、紅き生命の華。
胚、不定、強制型。
真理を知る者、水色の赤子。

――元素世界“Melentese”。

突如として生命の華を独占し始めた王と、異世界の戦士を呼び寄せてでも王を打倒しようとする一揆衆。

――結果として。
結果として、世界規模で促進された契約とそれに伴うあふれんばかりの生命力。

……ここまでとしておこう。

翼のような大剣を取り出して構えました。

自分が作ったゴーレム――ヴィーヴィの頭を満足気に撫でている。