闘え！

闘え！

闘え！

闘え！

闘え！

闘え！

闘え！

頭の中で声が響く。体温が上昇するのを感じる。

意識が沈む。これは夢か？それとも現実なのか？

俺は誰だ？オーガロックの、岩山鉱助……




―――ホントウニ？―――



―――オマエハホントウニ、ソンナモノダッタノカ？―――



―――意識が、落ちる―――

気付けばロックは、暗闇の中に居た。確か今日はオーガを捻り潰した後、山を登り直す為に寝て……そこで記憶は途切れている。

そう言うと黒い靄のようだった姿を変え、ロックにも見覚えのある……だが、確実に違う姿を取った。

グレンダ・エイル・カートライト。ロックの仲間の少女を模した姿を。

黒い靄がその姿を取った瞬間、ロックは叫んでいた。

仲間を侮辱された。そう感じたからだ。

そう言うと先ほどまでの黒い靄に戻り、ロックの周りを漂う。

選択しろと、そう言っている。知るか知らぬか、選べと。

そしてロックは答えを出す。否定の答えを。

そうシェイドが言うと、ロックの体は浮かびあがっていき―――

ロックが目を覚ますと、見覚えのある山の近くだった。そう、今日はこの山に登りに来た訳で。

『知らない』事を選択した事に後悔は無い。特に知りたいとも思わなかったから当然だが。

ロックがそうしていると後ろからにゅっと缶が伸びてきて、そう聞いて来た。

わけのわからない夢のせいですっかり忘れていたが、オーガとの契約とカーンとの解約を同時にやった事により、二匹の契約が混じったらしい。

意識はカーンの物で、能力はオーガの物と言う、何とも中途半端な状態になってしまった。

おそらくはロックに原因があるのだが、そんな事を知れるはずもなく。

それが、ロックの生き方なのである。

文はとても不思議そうにロックを凝視しながら
軽く体をこんこんと叩いている

ここには居ない、姉を思い出したのだろうか、ロックを見て嬉しそうな顔から、悲しそうな顔になる文がいるのであった

突然出てきて何か叫んだ自称鳥は、直後に主人によってお空へ放り投げられた。