質素な部屋の中で自分達が出るであろう試合を待っていた。
得物の確認や瞑想したりと各々が静かにしている。

Ｘ｢…おい｣

静寂を破りペナが話しかけてくる。
横になって目を瞑っていた俺は起き上がった。

イ｢そろそろ出番か…?｣

俺は大振りなナイフを抜き体を軽く動かす。
体に異常はなく、体も温まってきた。
そこに鞭が柄に巻きつきナイフを奪われる。
ナイフは鞭と共に持ち主へと戻りペナが掴み取る。

イ｢面白い芸だな…敵から奪えれば最高ってやつだな｣
Ｘ｢最後くらい真面目にやったらどうだ…?｣

そう言ったペナがナイフを投擲した。
投擲ナイフと違うので難しいはずなのだが心臓に向かってくる。
もちろん刺さったら死んでしまうので体を軽く横にそらし柄を掴む。

イ｢当たったらどうする?｣
Ｘ｢力量は把握している｣
イ｢そりゃどーもっ｣

言い返した側から隠してある小型ナイフを投げ返す。
ナイフは刺さる前に鞭によって跳ね返され戻ってくる。

Ｘ｢当たったらどうする｣
イ｢腕は知ってるよっと｣

ナイフを弾き今度は蹴り飛ばす。
互いに跳ね返し合う。

Ｘ｢気の緩みは実戦では死を意味する｣
イ｢緩んでて悪かったな｣

話に連れ飛来するナイフの速度が上がる。
何度も火花や金属音が鳴り響く。
互いに言い合っていると横から眩しい光がナイフを消し飛ばされた。

サ｢うるさいよ｣

静かにしろとばかりにサチがこちらを見ずに言っている。
先ほどまであった壁がナイフと共に消失して瓦礫と化す。
また静寂が支配し始めた部屋に兵士が入ってくる。

兵｢この次が貴方達です
　 準備をお願いします｣

瓦礫と化した壁には目もくれないのは他にもやった奴がいるのだろう。
4人は準備を終えると部屋を後にした。
会場まで歩いていると…。

Ｘ｢緩みすぎだ…
　 実戦だと思え｣

と言ってペナは沈黙した。
何も言えずにいる俺を残し前の二人と共に戦場へと出て行く。
ここまで言われて活躍できなければ名折れだ。

イ｢仕方ねぇ…期待に添えるくらいはしないとな｣

顔を叩くと自分の戦場へと赴く。
最後となる闘技大会という舞台へ…。

羽の生えた相手を見つつ

もそもそとアイテムを探している