「魔法少女・・・・か」

ため息がとまらない。心が重い、重圧で胸が潰れそうだ。

そう、私は魔法少女だ。

帝王イカを倒した私は逃げるようにしてべルフィちゃんの前から
姿を消した、当然だ、魔法少女は人に正体を知られてはいけないのだから。

魔法少女はお伽話のように甘い職業ではない。

はい、魔法少女に変身できました、
はい、来週から魔法少女カリカ☆マギカが放映開始、
はい、第三話でパピィさんが加味されて視聴率ガン上がりやったー！

こんな夢みたいなことにはならない。
それはそうだ、テレビに放映されるような魔法少女は
基本魔法少女のなかでも一握り、俗にいうリア充のような存在だ。

家族友人に恵まれ、ピンチの時には必ず新必殺技なり、
新キャラの助けが入り、まして例外はあるものの
敵はなんだかんだで正々堂々で、しかもヒロインには
大抵イケメンのヒーローがくっつけとばかりに用意されている
たまにはアーダンみたいなのを用意する気はないのか、
いやしなくていいけど。

ともかく現実は甘くない、私のようなかわいい美少女が
魔法少女とバレた日には大きなお友達の処理できっと
手一杯になってしまう。

ある日、突然見知らぬ男が全裸で電信柱の影から出てきて、

「カリカたん！カリカたんカリカたんカリカたんはぁはぁはぁはぁ！！！！
はあああああ、カリカたんのエルドラドに僕のオコジョが魔法の力でブルタァーーールッ！！！」

なんて言われながら近寄られる魔法少女ライフはほんとどうしていいのかわからないから・・・


・・・えっと何が言いたかったんだっけ、あ、そうそう。
というわけでとりあえず私は正体を隠すため、
旅の清楚で可憐な僧侶という名目で冒険者の群れにまじることにした。

「えっとー、私、カリカっていいます・・・得意なのは
ブル・・・ブレッシングウィンドで、PTの回復役目指してます。
一生懸命頑張りますから、よろしくおねがいしますね」

ふむ、今回組んだ冒険者たちは結構強そうだ、
どうみても私はきゃーきゃーいいながら
僧侶らしく援護に徹してればいい。
さあ、心機一転大草原へれっつごー！