炭になってしまったキノコは、かすかに旨味を感じたような気もする。とりあえず腹は膨れた。
　そろそろ美味しい飯にありつきたい所だ。腹が減っては何とやら。
　なけなしの銭で買ったのはたくあん。初めて見るが、根菜の漬物らしい。
　しかし噂によると食材としてよりも、別の用途で重宝するというのだが……。どういうことだろう？

　所で、初めて一時的に他者と組むことになった。
　黒い――とかげ、だろうか。サラマンダーとよく似ているので、おそらくその通りのはずだ。
　そのせいもあってかサラマンダーが些かの興味を示していた。やはり類は友を呼ぶのか、と思うと微笑ましくある。

　目当ては白馬のエンブリオ。
　フェアリーが反応を示していたのも、こいつの気配を察知したせいなのかもしれない。
　ともあれツイている。あとは自分の力と、この頼もしい仲間の力を信じるのみだ。

ネイベールは苦笑いする。

ネイベールはしばらく袋の中身をじゃがらじゃがらと動かしてから、
ゆっくり手を引き上げた。