一息付く僕をふわもこ達が労ってくれる。
僕達は宿をお借りしているお医者さんの依頼で森の方に来ていた。
そこで出会ったドライアドと一戦交える事となり、結果として僕達の勝利に終わった。

先程戦ったドライアドが起き上がり、近づいてくる。
戦意はないようだけど……？

そう言って手渡されたのは小さな緑色の石だった。
お医者さんの依頼で言われていたものに一致する。
そう、今回の依頼はドライアドからこの石を受け取ってくるといったものだった。
本来なら戦いにはならないと思ってたけど、お医者さんからの手紙を渡した途端戦う事になったんだっけ？
一体何を書いてたのやら……

てっきり普通のお医者さんだとばかり思っていたけど結構色々な事やってそうだなぁ。
そうなると僕が倒れていた間にふわもこ達に出してた依頼もそういったある程度見知った場所への依頼だったのかな？
しかしあのお医者さんもいい加減只者ではない……けど詮索は無粋かな。

そう言ってドライアドはどこからか取り出したペンダントを握り、静かに呪文を唱える。
ペンダントについている宝石がほのかに光った気がした。

こうして僕達はドライアドと別れ、お医者さんの待つ家に帰る。




〜・〜・〜・〜・




晩御飯を食べ、夜の鍛錬を行う。
戦闘では十分に動けているものの、僕の身体はまだ本調子ではない。
それに、本調子になるだけではなく、新たに力を付けなければならない。
ふわもこ達はどんどん成長していっている。
それを活かす為には僕自身の成長が必要だと思う。

そう考えながら僕は棍を振るう。
今日の自分より明日の自分がが強くあるために。

二人は言葉少なだったものの、二人が見えなくなるまでしっかりと見送った。