妖精のフェイがなかば強引に手を取って引っ張ってくる。

そう言って煽ってくるのは先日フェイがいたずらで捕まえた、水の精霊パロロコン。
無理やり旅の道連れにさせられ最初は不満気な様子だったが、意外と順応性が高いようで
今ではナチュラルにエンブリオとして参加している。そしてなぜかこの呼ばれ方である。


そんなこんなでやってきたのは、旅先で寄った街の大衆酒場。

たまには休息を、という提案に従うのはやぶさかでなかったが人の多く集まる場所に
魔族である自分が行くには不安があった。そこで皆が仮装をして練り歩くハロウィンの
時期を選んだのだが・・・




『お、ねえちゃんそいつぁ魔女の仮装かい？』

『あらかわいい。アタシもあと10歳若ければねぇ』

『いいぞー！脱げーー！！』

既にハロウィンの時期が過ぎかけていたので仮装をしている人は少なく、逆に
目立ってしまった。しかも普段の服よりも露出が高かったので余計に注目を浴びる始末。

休息どころか疲れが溜まる一日になってしまったのだった。

しぶしぶ　て　に　とるが　さやは　ついた　ままだ・・・