「あら……まずいことになったわね」
「そうですね。すぐに合流しなければ……」
地下に侵攻したのはいいものの、アズとフィーさんとはぐれてしまった。アズ一人ではないだろうからそこはきっと大丈夫なのだろうけど……
「他人の心配よりも自分の方を心配したほうがいいわよ、ヘイル」
「そうですね。他の敵とは明らかに違う強さですね。あの人は」
「強さもそうだけど、数もね。一部は明らかに弱いとはいえ、数の差は侮れないわよ」
確かに、過去の戦いも数のせいで押されて危ないところが数度あった。あの時はアズがいたが、今回は私一人だ。それもあり、数の差はより広がっている。
「まあ、それでもやるしかないんですけどね」
「ま、無理しない程度にやりなさい。その時は私が助けるから」
「はい、判りました」
余りお嬢様の手を煩わせないためにも、ここは突破させてもらうしかない。

闘技大会の参加パーティが決まり、
女性三人の中、変に目立つ白い男は、礼儀正しく頭を下げた。