余裕ができたので、簡潔に、書く。

ここに呼ばれた……のかは定かではないが、気がついてからもう10日ほど経っただろうか。
どうにか生きてはいるが、全てがあやふやだ。

正直なところ、ここに来る前のことははっきりと覚えてはいない。
とはいえ、なにかの手がかりがここで得られる……という出来過ぎた話はありえないだろう。
奇妙な連中ばかりがいるこんなバカな世界に、いったいなにが。

生き延びることが困難な世界というではない、というのが幸いと言えるだろうか。
奇妙な連中にさえ鉢合わせしなければ、水は冷たく心地良い。



...追記
かろうじて手がかりと言えそうなものは、この古びた手帳に書かれた「公国の為に」という一文だろうか。
いったい私は何をしていたのだ？