早朝、眠い目をこすって起き出して来たユリアを訪ねて来たのは
金楊騎士（504）の契約エンブリオであり、ユリアの恩人である【職人】の使いであるドールだった。
そのドールが言うには、一揆の参戦者が４人チームを組んで互いの腕を競うメルンテーゼの闘技大会とやらに
いつのまにかユリアも参加する事が決まってしまったのだという。
なんとも勝手極まり無い話である……。

知らぬ間に決まってしまった事だが、面白そうな話である事には変わりない。
己の腕を試すにも絶好の機会だ。断る理由はもちろん無い。

白々しい挨拶が金色の箱から漏れ出す。声の主は間違いなく、ユリアのかつての恩人である男の物。

能天気な口調で話す。

横から何かが突風の如く素通りする。