ぴおがぼーっとしていました。正確に言えば、呆然としていたのですが。
契約していたはずのエンブリオ、セイレーン。その力が体からいつの間にか抜け落ちていました。
さすがに、なにかがおかしい。記憶も一向に戻りませんし、その事を考えるだけで頭が痛むようになっていました。

　かと言って解決方法など思い浮かぶはずもなく。言い知れぬ気持ち悪さをかみ締めて座っているだけ。

ぴおは無力です。だからと言って逃げ帰ることはしません。
ぴおは無知です。だからと言って歩みを止めることはありません。

　口から漏れてくるのは力の無い言葉。それを吐き出す事でどうにか吐き気をごまかし、頭痛を考えないように。

かつてあった力を偲びながら、何故かだくだくと零れ落ちる涙を止める術も知らず。
いつか解決される事を信じて。きっとおねぇちゃんが助けてくれるはずです。そう無垢に信じていました。

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　それは偶然？　いえ、違います。
ぴおの出逢った水憂いは、確かにぴおの母を知っていました。
名前、容姿、性格、癖、そして二人で恋した男の名前。
しかし、決定的に種族というものが違います。ぴおは、人間です。
本当に水憂いの妹であるならば、ぴおの母親は人間ではありません、人魚です。
すれ違う現実に、ぴおは自分でそれを調べる決意をしました。
そして知りました。自分の母親が『元人魚』であり、それを知りながら父親は娶ったのだと。
恋に敗れた母のおねぇちゃんは、今も水底で静かに恋歌を歌っていました。
二人の幸せを願いながら、相反する悲しみに包まれて。
　頭の中でパズルが完成して暫くして、突然ぴおは大泣きしました。
周りの大人達が大騒ぎするほど、とんでもない泣きっぷりでした。
普段明るく騒がしい悪戯っ娘だった少女が、声を枯らして涙も果てるまで泣き続けたのですから。
やれ何処が痛いだの病気になったかだのすったもんだの挙句、翌日けろっとしてたので大目玉を喰らいました。
しかし、ぴおは今でも昨日の事のように覚えています。おねぇちゃんは、私が助けるのだと。

そう言って、差し出された手にキャンディをそっと置くと、にこにこと笑いながら近くをふよふよと飛び回る。

そう言って、そっとベルトに触れる。それに応えるように、バックル部分が穏やかな光を発した。

少し屈んで、同じ視線になるようにしながら答える。

苦いものの話題が出てきた辺り、甘いハチミツづくしはもうたくさんなのかな？と感じました。

自分ではいくらでも舐めていられるけど、みんなはそうでもないと村を出て気づいたようです。

お花の話題で様子が変わったところを見てきっとお姉さんのことで心配や不安なのかな？と感じての精一杯の励ましでした。
内容は、相変わらずですが。

囁き声がくすぐったいのか、くすくすと、小さく笑っている。

髪を短くしたぴおを想像して、一人うなずく。

龍はまるでそういう経験があるかのように話す。
が、それを軽く流すように二の句を紡いだ。

今更ながら軽く名乗る。ただ、あまり自分を語る様子は無い。
見たままが自分である、といった様子である。

龍は自分の今の仮住まいを脳裏に浮かべた。
自分の後ろをついてくる少女はあのあばら家をみてどのように思うのだろうか？

龍は路地からそれほど進んでいないところでぴおに振り返ると、目の前の建物と廃墟の中間のようなものを指差した。

ぐりはピオの頭を優しく撫で、しゃがんで目線を合わせて

※ただし、イケメ（以下略のこと

そう魚が言い放てば魚は光に包まれる！

光が収束したそこにはたちまち瞬時に再生し、元の姿に戻った魚の姿が―――！

食べるのに躊躇うかなぁなんて思った模様

魚の言葉についてはスルーしたようだ。曰く"毎回魚のやりとりに付き合うと疲れるから"だそうで