時に、他の世界では山賊と言うものがいるらしい。

障害物の多い山岳や森林に潜み、商人や旅人を襲って身包みを剥ぐ職業らしい。
らしいというのは、メルンテーゼの山や森では人間など生態系の下の下の下、捕食対象にしか見られないためであり、そもそもそんなところに潜むのが自殺行為だからである。
エンブリオと契約した上で狩る相手を吟味した熟練の猟師か、そもそも山や森に住む生物をさらに捕食対象にするような魔獣の類でもなければ、積極的に足を踏み入れることもないだろう。
反乱の参加者の中には、私達のようにその強さをエンブリオとして得るべく踏み込むものも少なくないのですが、それもあまり数が多くないため、ふもとで取引をするときに会う程度である。


それだけに、気付いた時には遅かった。

人数はこちらと同じ4人。
逃走経路は塞がれている。
顔を隠す気もないのは、そもそもより多くの恨みを買うことすら勲章とするためか。
周囲に人は居ない、つまり助けも期待できない。
お嬢様の背中をカバーするように、武器を構える。

姿を見つけると、ぱたぱたと走って相手に飛び込み

ぎゅーっと抱きついた

目の前にいる可愛らしい花の妖精をじっと見つめています

System Message : M.E.E.駆動...出力...30%...40%...50%...M.E.E.戦闘出力確保......

System Message : M.E.E.駆動...出力...30%...40%...50%...M.E.E.戦闘出力確保......

シャリン――、シャリン――
　どこからともなく音がする。

　　　シャリン――、シャリン――
　　　　それは、だんだん近づいてきている、そんな気がする。