アーシェ(204) からのメッセージ >>
ヤールとの会話を聞き、そこでようやくカミユが自分と同じ客人だと察したようだ。
背後に現れたエンブリオに、若者の顔が一瞬固まった。
その姿に驚いたのもあったが、カミユには見えていないのだろうか、
という疑問が若者を支配しているようだ。
再び、黒い花を見渡す。
確かに、他者が欲しがるには少し意外かもしれなかった。
摘もうと再び跪き、そこでヤールの言っていたことを思い出す。花が折れるとそうと分かる――
ではゆっくりと、気遣うように…? ごく普通に振舞うか、悪戯心から勢いよくたくさん摘み取ろうか?
迷った末、自らの心の赴くままに任せてみることにした。 1D6 = 2 ( 2 )
麻紐の切れ端で摘み終えた花を纏めると、ヤールへと歩み寄り、一礼をする。
市場の片隅で手に入れたのか、取り出したのは古びた万華鏡だった。
筒が纏う、色とりどりの染料で花が描かれた赤い布は少し色褪せてもいる。
それを手に触れるように差し出した。盲いたままのヤールには無用なものであるが…
フィガロとカミユにも別れの辞儀をして、踵を返す。
草を踏む音を立てながら敷地の外へと歩いていった。
フィリー(224) からのメッセージ >>