［基本］OK.　［戦闘］OK.　

　イバラシティから引っ越す前に、寮に入りきらない荷物を置きに実家に帰省した。
　それに合わせて、兄のミリオンベルがスケジュールを開けてくれたので、実家のテラスでお茶をしているところである。

「式を王宮ですることになりました」
「……新作を式に間に合わせて作れってことだな？」
きらり、とミリの目が光る。
「ミリ、お父さんに似てきたね」
すぐ仕事の話に繋げちゃうんだから。
まあ、そう考えるだろうと思って話をしてるんだけれども。
「ごめんごめん。レイヤさんのおうちに嫁ぐんだから、王家御用達の式場とかホテルを紹介してもらうもんだとは思ったたけど、ビックリしたよ。母さんから聞いたけどね」
「香りのサンプルを考えないといけないから、ブーケの花や好みの香りを早めに決めてくれると助かる。アズと深雪ちゃんの」
「深雪ちゃんも？」
「当たり前でしょ。取材では顔は隠されるだろうけど、有名モデルの対の花嫁なんだし。ドレスとメイク代だと思って協力してくんないかなー？」
「……聞いてみる、よ」
任せた。といいながら香りサンプルをバッグから取り出して私の前に押し付けてくる。抜かりない。
「あと、花嫁姿で式の前なり後で、CMのポーズよろしく。アズだけな。王宮内は取材入れないから、俺が撮影した写真を取材依頼が来たら渡すんで。
深雪ちゃんとユカラくんは後ろ姿とか顔は見えないように撮るから安心して」
「ヒスカちゃんとバレットさん、エクちゃんとは撮らないの？」
王室御用達なんだし。
「やり過ぎは良くないでしょ。イ●スタ的なものがジェイド王国にあって、ヒスカちゃんかエクちゃんが投稿するのならいいだろうけど」
「あ。それはバズりそうだね」
だろ？
うんうんとミリが頷く。
「まあ、でも、私がアカデミーを卒業するまでだからあと少なくとも一年ちょいかかるよ？」
「商品開発的に考えたらそんなに時間ないから」
「たしかに」
「まだ新作を何にするか考えてないしな」
「そこからなんだね〜。私の研究レシピも使う？」
「使う」

なんやかんやでビジネストークを、義姉にあたるリアーナちゃんが来るまで続けていたのであった。


実際の式では、私たちのブーケモチーフの美容クリームは引き出物として配られた。
私たちのメイクに使われたコスメも、全て新作として後日公開され、結構な利益になったとかならなかったとか。

ENo.839 ユカラ とのやりとり


ENo.840 深雪 とのやりとり

特に何もしませんでした。