［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［スキル］OK.　

　うぉー
　私はジェイド王国に戻るからいいけど、残されたロケットさんは一人で大使館のお仕事をこなすの大丈夫なんだろうか。
　そんな心配をしていた私に、ロケットさんは穏やかな表情で微笑む。

「ホッホッホ。実はね、イバラシティの大使館も事情があって撤収しなければならないんだ」
「あ、そうなんですか。また急な……でも、それでしたら私達の結婚式にロケットさんも招待しますよ？」

　なんだかんだで大使館でお世話になったロケットさんにも、晴れ姿を見てもらいたいと思ってお誘いしたのだが。

「招待してくれるのはありがたい。でもね、こちらでやり残した仕事を片付けないといけないんだ。まぁ、早く終わったら『ミユキ』くんの式に駆けつけさせて貰うよ」
「そうですか。早めに用事のほうが終わるのを願ってますね」

　ああ、と答えるロケットさんの表情は、気のせいか物悲しく見えたりしたのだった。
　何か大事な事を忘れているような気がするけど、さらばイバラシティ。
　長いようで短かったイバラシティでの色んな思い出、忘れないようにするよ。
　……忘れないようにって言ったそばから、何か忘れてるような気がするんだけど気のせいかもしれない。
　
　その事に気づいたのは、ジェイド王国に戻ってから昔からの親友のサクラに「おかえりミユキ、しばらく会えなくて寂しかったよ」って言われた時だった。
　どうやら私は、ハザマにいた少女にウルドという名前を奪われてしまったようだ。
　代わりにみんなにミユキと呼ばれる事になっただけで、特に誰かの記憶から消された訳でも無いからまったく生活に支障は無いのだけど。
　名前が変わることでの多少の変化といえば、ユカラと結婚したら名前がセンドウ・ミユキになってなんかちょろっとカッコよくなってしまうぐらいで、センドウ・ウルドより語呂が良くて寧ろ良かった。
　というか、イバラシティに住んでる人は知らないうちにハザマで誰かとすり替わっていたのだとすると、大使館の人達が音信不通になった原因も説明がつく。
　
　説明はつくけど、何をどうやったら解決できたのか。
　ロケットさんは犠牲になったのだ……多分。
　自分の力不足に歯がゆさを感じていたのはつかの間で、結婚式や披露宴の準備に追われる日々に、どんどんテンションが上がってきて毎日がハッピーになっていた。

　しょーがないよね、だって私は今一番幸せなんだし！
　今までめっちゃ不運だった分を挽回するぐらい幸福に過ごしてやるんだと、ウェディングドレスを身に纏って心に誓うのだった。

ENo.839 ユカラ とのやりとり

特に何もしませんでした。