［基本］OK.　［戦闘］OK.　

長い間、世界と世界の間をさまよっていた。

私がいた場所が、世界の狭間でよかった。

私には、世界を渡る力はないから。

世界を飛び出す力はないから。

だから、世界と、世界の間を、ずっと歩いていた。

炎で照らしながら、少しずつ。
炎で提灯のように照らしながら、一歩ずつ。

さまよいながら、たくさんの世界を見た。

私の故郷に似ている世界。

人間がいない世界。

生き物がいない世界。

みんなが同じ世界。

大きな、大きな、たったひとりがいた世界。

イバラシティに似ている世界。

アンジニティに似ている世界。

大きな木がある世界。

少し大人の私がいる世界。

楽しそうな世界もあった。
居心地が良さそうな世界もあった。

この世界なら、幸せになれるだろうなって思える世界もあった。

でも、私が行きたい世界は、そこじゃない。
私を待ってくれている世界は、そこじゃない。

イバラシティ。

イバラシティ。

イバラシティ。

ずっと、ずっと、歩き続けて……

ずっと、ずっと、歩き続けて……

歩き続けられたのは、友達がいるから。
世界と世界の間で出会った友達がいるから。

鈴咲さん、杏里さん、メルリさん、兎乃先生、瑠璃さん。

足が止まるたびに、みんなの顔を思い浮かべた。
炎が消えるたびに、みんなの声を思い浮かべた。

だから、いくらでも歩き続けることができた。
いつまでも、照らし続けることができた。

ずっと、ずっと、歩き続けて……



「……初めまして、イバラシティ。

それと、『ただいま』」

ENo.223 兎乃 とのやりとり


ENo.277 キャロル とのやりとり


ENo.529 運命の輪の子供 とのやりとり