［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

－－－－－【Side　イバラシティ】－－－－－

「一つ、聞いてみても良いかしら」
いつもの仕事の終わり間際、何となく手持ち無沙汰になる時間に彼女は口を開く。

「勿論です。一つと言わず全部聞いてください、全部答えますよ。答えの保証はしませんが」
その口ぶりからさして重篤な案件ではなさそうだと判断したのだろう、軽口で助手が答える。

「できれば経験に基づいた確かな回答をお願いしたいところだわ。」
「善処しましょう。それで、どうしたんですか」
「ちょっと最近ね疲れてるのよ、色々と。それで何かいいリフレッシュ手段を知らないかなと思って」
その言葉を聞くや否や助手の男の目が鋭く輝く。
……いや、輝いたのは彼の眼鏡かもしれない。

「針ですね」
「即答ね」
「いえ、思っていたよりも重要な案件だったので。まあ模範解答は上司の体調を心配するべきなんでしょうけども、心配するからこそ針をお勧めしますね」
「いいえ、ありがたいわ。話が早くて。それで、針、ね。やったことないわね」
「まあ針に抵抗があるという話でしたら整体あたりからでも、何にせよ疲れは大敵です。特に自覚のあるやつは。早めの対処をお勧めしますよ」
あまりにも正しいことを言われている。しかし、どちらにも馴染がない。

「整体、それもあんまりね。なんていうか痛そうで」
「あー、まあ痛いところは痛いですね。ただそれ以上に身体が楽になるので差し引きプラスかと」
「うーん、わからないわね。あんまりお世話になったことない世界なのよね」
「メンテンナンスフリーで動けるというのは美徳かもしれませんが身体の不調に気づきにくいという欠点なのかもしれません。自覚症状がある今、この機に総合メンテナンスをしてみては」
「今日は随分まともなことをいうのね」
恐らく心から心配されている。なぜなら顔にそう書いてあるからだ。

「いつだってまともなことしか言ってないと自負しておりますが。それに、上司の体調は仕事の上で重要ですからね」
「心にもない心配をありがとう。整体ね。……そういえばこのビルの２階にもあるじゃない、整体？かはわからないけれど」
「あー……ありますね、はい」
「微妙な反応ね。さては行ったことある？」
「ありますよ。近場の整体で当たりを引けると大助かりなので。ただ、うーん……整体よりかはマッサージ寄りですし」
その違いが良くわからないが、

「煮え切らないわね、あんまり良くないのかしら」
「いえ、こればっかりは相性なので何とも言えない部分なのですが、決して下手とかではないです。覚えてる限りでは店内も清潔感があって悪い印象は特にありません」
「そうすると、何か別に気に入らない要素があったという事かしら」
「端的に言うとそう、なんですが……。伝わるかな。こう、全く痛くないんですよ」
「……良いことのように思えるのだけれども」
「なので、相性なんです。僕はある程度痛い方が良く効く気がして」
「あぁ、なるほどね。それは確かに相性だわ。……でも、それだけで同じビルにあるという地の利をひっくり返せるほどの負の面とはあまり思えないのだけれども」
「……鋭いですね。あとは、実は店員さんですね。なんていうか、『合わない』って初対面で感じてしまいまして」
「……え、どんな人。逆に気になるわねその人」
「いや、こう、普通に学生さんだって話で、普通に会話もしてたんですが。……『避けろ』って直感が伝えて来ました」
「……俄然気になってきたわね。貴方、そういう苦手意識とかない人だと思っていたもの」
「いえ、結構苦手な人はいますよ。良く行くラーメン屋に出現するチーマーの少年とか」
「それも気になるから今度聞かせて頂戴、チーマーの少年て」
「……あぁ、そうだ行くなら一点、気にした方が良いことが」
「何かしら、心構え？」
「まあ、そんなようなところです。なんていうか、僕もうつぶせで見えてなかったので断言は難しいんですが、……腕が多いんですよ」
「……あー身体変化系の異能はあり得る話ね」
「一応お伝えしておかないと驚かれるかなと思って、……あれはスタンダードではないという事だけ」
「まあ、心しておくわ」
この後にでも行ってみようかと心に決めて残務を片付ける。
日常に溶け込み過ぎていると、こういう見逃しをしてしまうものだが、……少しだけ楽しみである。

───

－－－第三湖東ビル２Ｆ　リラクゼーションサロン リフレックス－－－

「いらっしゃいませ、こんにちわー」
「あの、予約とかしてないのだけれども、大丈夫かしら」
「はーい、大丈夫ですよー、こちら問診票です。おかけになってご記入くださーい」
促されるまま、問診票を記入していく。
前情報のとおり、店内の清潔感はある。何やら優し気な香りも悪くない。しかし……

「……茅芽さん、……あの、もしかしてこのビルの上の階でお勤めの方ですよね？」
「えぇ、そうです」
「わぁ、良かった。たまにこの辺りでお見掛けしてたので。それにこの前、一緒にお勤めかな？眼鏡の男の人は来てくださったんですけど一回しか来てくださらなかったので、合わなかったのかなぁって思ってたんです」
「あぁ、まぁ、その彼からの紹介というか……」
「はい、ありがとうございます。あ、申し遅れましたー。本日担当させていただきます、五月女です。よろしくお願いします」
「えっと、はい、よろしくおねがいします」
「それじゃ、ベッドの準備も出来たので、こちらへどうぞー、全身の倦怠感でしたよね。任せてください、得意分野です」
……確かに、このお店には、なにか苦手だと感じる部分がある。気のせいだろうか。

───

「じゃあ、お着換えが終わったら終わったらお声かけお願いします」
そう言ってカーテンを引こうとする少女を少しだけ呼び止めて、

「あ、ちょっと、……えぇと、施術は貴女がしてくれるという事になるのかしら」
「はい、そうですよ。あ、なにか不安なこととかありましたか？よく言われるのは見るからに非力なんだけど大丈夫かって男の方には言われるんですけど」
「あぁ、まぁ似たような疑問を」
目の前の自分より全体的にひと回り小さく（そして若いであろう）少女の腕に不安を覚えないわけではなかった。
しかし、それ以上に、この店に他の人の気配を一切感じないのも気がかりだ。

「そこは大丈夫です、お任せください。店長からも安心してお店を任せられると太鼓判をいただいてます」
胸を叩かれる。前情報の通りなら大丈夫なのだろうが……。ところで店長はどこにいるのだろう。

「それじゃあ、着替え終わったら呼んでくださいねー」

───

「なかなかですねー。茅芽さん……これは難題ですよ」
うつ伏せを指示され、ベッドに空いた穴に顔をうずめる。その状態で背中数か所を軽く押され、少女にそう告げられる。

「この前来た男の方もそうでしたけど、徹底的なデスクワークの人ですね。あと、足を組む癖があるかな」
「わかるものなのね」
「はい、頑張って勉強してますので。姿勢が前傾気味で肩こりがひどいのと、あとカバン、いつも右肩で掛けてますよね。たまに持つ方変えた方がいいですよー」
「……そこまでわかられると、なんか恥ずかしくなってきたわ」
「まあ、腕の見せがいがありそうな御身体ってことです。それじゃ、始めますねー」
そう言われ少し身構えるが、グッとは来ず、手のひらで肩回りを擦られる。

「あ、力抜いてくださーい。やっぱり、茅芽さんあんまりこういうお店来てないですよね。まずは触れられることに馴染ませるのと、血のめぐりを良くするのとでゆっくりやっていきますねー」
そう言って、温かい掌で肩から腕にかけてをゆっくり伸ばされる。
温められたところから親指に力がこもり、圧迫されていく。
圧が抜かれたところに血が流れ、血行が良くなるのを感じる。
確かに痛みはない、しかし、……これ、眠くない？いや、眠い。

「んっんー……そろそろかな」
うつらうつらとした意識で彼女がそうつぶやいたのを辛うじて聞き取った直後からだろうか、
明らかに二本の腕、二つの掌では不可能な動きが混じり始める。
明らかな異変に何が起きているのか見ようと動こうとするが、

「あー、無理に動かないでくださーい、今筋肉緩んでるから危ないんですよー」
確かに体に力が入らない。その状況に少し焦りが産まれる。

「大丈夫ですよ。ここには今私と茅芽さんしかいませんから、何なら寝ちゃっても平気です」
いや、今自分がどうなってるのかが気になって仕方ないのだが、

「学者肌ですね茅芽さん。それとも学者さんなのかな？でも、ここは仮定より結果が大事なお店なんですよ。大丈夫、お目覚めの時にはきっと疲れは取れてます」
心でも読んだかのように彼女がそう言って、トンと頭頂部を押したその時、意識を手放した。

───

「はーい、お疲れさまでした。良くお休みでしたね。どうですか御身体の方は」
「……確かに軽くなった気がするわ」
身体は軽い。時に肩なんかは羽でも生えたかのようだ。
だが身体と心のつり合いが取れていないような気分である。

「むむっ何か不満げなご様子ですね」
「……いいえ、別に」
「えーと、あ、施術中のあれが気になってるんですね。えーと、……茅芽さんならいいか。あれ、実際増えてますよ。ただ、お見せするとなかなかショッキングな姿なので、リラックスの観点からもお見せしないようにしてるんです」
「……そうなの、気を使わせてしまったわね」
「いえいえ、あ、今日はお水を多めにとって早めに休んでくださいね。あと、あんまり長いこと歩いたりするのもお勧めできないのでタクシーとかで帰った方がいいかも。呼びましょうか？」
「……えぇ、お願いするわ」
「はーい、じゃあ、待ち時間に少しお話ししませんか、お茶もありますし」

そう言って、彼女、『五月女 朱理』と軽く談笑をする。
彼女の兄の事、その怪我の事、そういった負傷を治すための勉強を兼ねてこの店で働いていること。
自分の仕事の事、助手の事、彼が苦手だと言っていたこと。

「茅芽さん、もっと無関心な人かと思ってましたけど、面白い人ですね」
「貴女も、もっとぽわっとした子かなと思ってたけど、しっかりしてるのね」
「また来てください。折角同じビルで働いてるんですから」
「えぇ、また寄ることにするわ」
「あと、助手さんにも、お待ちしてますと伝えてくださいね」
「……善処するわ」
「あ、タクシー来たみたいです。それでは、また。あ、階段気を付けてくださいね」

そういわれ、見送られて店を出る。
……恐らく、私でギリギリなのだろう。
私でギリギリ苦手でない、相手できる範囲だ。
彼は間違いなく彼女が苦手だろうなと、心底感じ取れる。
明日、彼女が待っていると助手に伝えたらどんな顔をするのだろう。
そう思うと、明日の感想戦も少しだけ楽しみだ。

ENo.77 偽黒初 とのやりとり

ItemNo.11 エナジー棒 を食べました！
　体調が 1 回復！（18⇒19）
　今回の全戦闘において 活力10 防御10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

具現LV を 5 UP！（LV23⇒28、-5CP）
付加LV を 5 UP！（LV64⇒69、-5CP）

麺屋の龍人(1595) の持つ ItemNo.24 良いお魚 から料理『スターゲイジーパイ』をつくりました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 3 6 1 = 10 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 技巧料理！［ 5 5 3 = 13 ］成功！料理の強さが増加！
ItemNo.45 ビーフ から料理『ピンクスライム』をつくりました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 4 4 3 = 11 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 技巧料理！［ 2 6 4 = 12 ］成功！料理の強さが増加！
　⇒ ピンクスライム／料理：強さ92／［効果1］活力6 ［効果2］体力6 ［効果3］防御6

ItemNo.10 お魚 から料理『濁った煮凝り』をつくりました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 2 5 4 = 11 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 技巧料理！［ 5 1 6 = 12 ］成功！料理の強さが増加！
　⇒ 濁った煮凝り／料理：強さ185／［効果1］活力13 ［効果2］敏捷13 ［効果3］強靭13


めぐる(142) とカードを交換しました！

『なんでも癒してあげますよう？』 （サクラフィアンマ）


マッドストーン を研究しました！（深度0⇒1）
サクラフィアンマ を研究しました！（深度1⇒2）
ラッキースター を研究しました！（深度0⇒1）

クリエイト：モンスター を習得！
オーバーフロウ を習得！
クリエイト：ピッチダーク を習得！
レフリヘリオ を習得！
クリエイト：キャノン を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

偽黒初(77) は 天青石 を入手！
Dr.笹子(831) は 天青石 を入手！
麺屋の龍人(1595) は 鱗鉄鉱+1 を入手！
麺屋の龍人(1595) は 欠けた刃 を入手！
Dr.笹子(831) は 立派な皮 を入手！
麺屋の龍人(1595) は 金の光焔 を入手！
Dr.笹子(831) は 金の光焔 を入手！

偽黒初(77) に移動を委ねました。

ツクナミ区 P-13（森林）に移動！（体調19⇒18）
ツクナミ区 Q-13（森林）に移動！（体調18⇒17）
ツクナミ区 R-13（道路）に移動！（体調17⇒16）

MISSION!!
ツクナミ区 R-13：オオトラ が発生！
　　 - 偽黒初(77) が経由した ツクナミ区 R-13：オオトラ
　　 - Dr.笹子(831) が経由した ツクナミ区 R-13：オオトラ
　　 - 麺屋の龍人(1595) が経由した ツクナミ区 R-13：オオトラ

［817 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［442 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［479 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［200 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［408 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［327 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［265 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［192 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［111 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［145 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［145 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［304 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［41 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［208 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［92 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［104 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［96 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［46 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［80 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［62 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［9 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［24 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［45 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［2 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［88 / 100］ ―― 《黒い渦》不運



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

ザザッ――

　








少女がつぶやく。

　

　

　





雑音で声がかき消える。

　

　

　





　

　

　




　

　

　

チャットが閉じられる――

ホルモン焼きのお店、オオトラ。

明かりの灯るお店、香ばしい良い匂いも漂ってくる。

　





店から男が出てくる。

　

こちらを睨みつける･･･




　






（初発生のイベント戦：異能FP+5！生産FP+5！）