［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

//side:イバラシティ


「海外って感じがするねえ」
「海外ですからね」

だよねー、と間延びした返事をしながら、クウィリーノは公園の舗装された道を歩く。
海外での仕事の合間、先方の都合でぽっかりと空いてしまった時間に散歩に繰り出したところだ。
買い物をするには中途半端で、帰国までの時間を考えると菓子類は今日選ぶのは難しい。
最終日にしっかりと土産を選ぶ時間を取っているから、ふとここまで足を伸ばした。
運動不足だから、と理由を述べて子守に来た阿左見も一緒だ。

黒い柵で歩道と区切られた向こう側には芝生があり、花壇がぽこぽこと作られている。
この辺りはまだ寒い季節だからか、あまり花の種類は多くない。
本国で言うところのゴールデンウィークの辺りになれば、チューリップが咲くらしい。

「木もあっちとは違うねえ」
「撮影して、見せて差し上げるのはいかがでしょう」
「そうする～」

この辺りでは最も古い王立公園だと言うここは、さすがの広さで自然豊かだ。
何となく歩きたくて寄ってみたけれど、どうにも自身の異物感が拭えない。
青い芝生、どかんと大きな木々が其処此処に生えて、地元住民がかなりラフな格好で歩いていく。
写真を撮っている者は観光客だろうか。
案外と、動物も多いらしい。
コテージでは午後にペリカンの餌付けが見られるだとか、水辺には白鳥や鴨が、木々の合間には栗鼠がいると聞く。
今の時期はどれがいるのかわからないけれど、湖に差し掛かれば、小動物に餌をやっている人がいた。
それを見ていると、傍らを歩いていた阿左見も、同じ方向に視線を向けた。

「うっかり噛まれて変な病気貰わないかな」
「手づからあげなければいいのではないでしょうか。さすがに各務さんでも治癒は難しそうですし」
「ふふ、僕の場合はその前に動物が逃げちゃうよ」

そう言いながら、スマホを懐から取り出した。
その拍子に、ころりとお守りが落ちかけて、空中で掴む。
思わず出張先にまで持ってきてしまった、お守り。
それを一瞬握ってから、再び懐に仕舞い込んだ。
これは、無くせないものだから。

途端、びゅう、と吹いた風は冷たい。
緯度の関係上、あちらよりも寒い季節が長いらしい。
手袋のありがたみを感じながら、スマホで遠くの小動物を撮影した。
遠くから撮影した所為か、手ブレで妙な躍動感のあるものまで撮れてしまった。

「……襲いかかってきた小動物、みたいな」
「…………味があってよろしいかと」

返事に苦慮したような間を挟んで、阿左見が笑う。
少し歩かせ過ぎたかと、そろそろ戻ることを考えながらも、湖に掛かる橋の上から遠くを見る。
薄青い空と木々の緑を映す湖面と、遠くに海外らしい建物、そして少し異質な観覧車が見えた。

今日通り過ぎてきた町並みも、異国情緒溢れていて、それでいて過去と現在が感じられる風景だった。
自身と血縁では関係のない土地だから、一歩引いて、こうして見ていられる。

（こっちだったら、見せたいな）

血縁者のいる場所だと、落ち着けないような気がする。
ここもそう遠くはないけれど、近くもない。
憂慮するならば、ここよりももっと遠くの、田舎でもいい。

追うものの来ない場所、そんなものを最近ふと考える。
一般的に綺麗だと言う場所を見て、浮かぶものがある。

びゅう、とまた冷たい風が吹いて、湖面が波打った。
ゆらゆらとさざめく逆さまの景色に、人々の笑い声が重なる。
つくづく、自身にはそぐわない。

「社長、そろそろ」
「はあい」

戻る時間かと踵を返すことにした。
いつか誰かとのんびりと歩くとしたら、履き慣れた柔らかな靴が良いかもしれない。
宮殿に、また別の公園、沿うような川や湖、見るものが多い上に長く広く続く場所だから。

さわさわと揺れる木々の音を聞きながら、再び歩き出す。
人はそれなりに多いけれど、やはり自然は心和ますものらしい。
それを阿左見の態度に見出しながら、クウィリーノ自身はもう少し人が少ないほうが好みだと思う。
あるいは、人がいようとも、よりエンターテイメント性の高い場所だとか。
そうして考えがまた本国に飛んで、そろそろ本当に、『確認』しなければならないと感じる。
それを振り切るように、傍らを見た。

「阿左見はこの国で観光に行きたい場所はないの？　阿左見だけ帰国ずらして時間作れたりするよ～」
「行きたい場所、ですか」

阿左見はそう言ってから頬に手を当てて、おっとりと笑む。
悩む顔ではないから、どうやら何か目当てがあったのだろう。

「名探偵の縁の地は、惹かれるものがあります」
「ああ、小説の？　情報を得るという点では阿左見も探偵みたいなものだねえ」
「うふふ、まさか。私などとてもとても」

笑いながら、少し気分が上向いたのを感じる。
案外、そう言うきっかけで異能を活かすことにしたのかもしれない。

「その探偵が好きなら、こっちの公園じゃないほうがよかったね？　あっちのほうだよね」
「ええ、その通りです」

指差した方向に、件の公園がある。
話の種として読んだ小説の中で、何度も名が出ていた公園だ。
他の有名なものだと、二重人格者を題材にした小説の登場人物が死ぬ場所でもある。

「以前も立ち寄りましたが、よいところだと思います。……実は今回も時間が出来次第、他にも寄ろうと思ってまして」
「そっか。じゃあ仕事が終わったら時間取るといいよ～」

もとより縁の地巡り――昨今は聖地巡りというのだったか――をする予定だったようだ。
会話しながらその方向を見る阿左見は、少しばかり楽しげで、しかし次の瞬間にはクウィリーノににっこりと微笑んだ。

「では、私の願いを聞き届けていただけるようですので、社長には時間を取れるように『しっかりと』お仕事に励んでいただきますね」
「うわあ」

がつんと特大の釘を刺されて、藪をつついたことにようやく気付いたクウィリーノは、薄青い空を仰いだ。
付添を子守と内心で揶揄した件は、ひっそりと、確かに回収されていったらしい。

雪里(1373) から 紫水晶 を手渡しされました。

ItemNo.14 夏祭香 を使用しました！
　魔香のため、体調は回復しなかった。
　今回の全戦闘において 増幅42 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

武術LV を 5 UP！（LV25⇒30、-5CP）
合成LV を 5 UP！（LV60⇒65、-5CP）

雪里(1373) の持つ ItemNo.6 駄物 に ItemNo.12 何か柔らかい物体 を合成し、駄物 に変化させました！
　⇒ 駄物発生！駄物 を入手！

雪里(1373) により ItemNo.10 冬虫夏草 から魔香『黒方』をつくってもらいました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 5 3 6 = 14 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 黒方／魔香：強さ381／［効果1］－ ［効果2］－ ［効果3］復活73

チュイ(1519) の持つ ItemNo.1 木通の薬玉 に ItemNo.8 雪花石膏 を付加しました！

フィーコちゃん(132) とカードを交換しました！

囓られた柘榴 （ハデスポムグラネイト）


アンチドート を研究しました！（深度0⇒1）
アンチドート を研究しました！（深度1⇒2）
アンチドート を研究しました！（深度2⇒3）

怪力乱神 を習得！
如夜叉 を習得！
ストラグル を習得！
プレリュード を習得！
滑々素材 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

クゥ(1372) は 杏 を入手！
雪里(1373) は 梨 を入手！
チュイ(1519) は 杏 を入手！
クゥ(1372) は アンテナ を入手！
チュイ(1519) は 赤色の果実 を入手！
雪里(1373) は 桃色の果実 を入手！

コヌマ区 T-11（森林）に移動！（体調6⇒5）
タニモリ区 A-11（森林）に移動！（体調5⇒4）
タニモリ区 B-11（森林）に移動！（体調4⇒3）
タニモリ区 C-11（チェックポイント）に移動！（体調3⇒2）
チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

MISSION!!
タニモリ区 C-11：チェックポイント《屋台》 が発生！
　　 - クゥ(1372) が経由した タニモリ区 C-11：チェックポイント《屋台》
　　 - 雪里(1373) が経由した タニモリ区 C-11：チェックポイント《屋台》
　　 - チュイ(1519) が経由した タニモリ区 C-11：チェックポイント《屋台》

［817 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［442 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［479 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［200 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［408 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［327 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［265 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［192 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［111 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［145 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［145 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［304 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［41 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［208 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［92 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［104 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［96 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［46 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［80 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［62 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［9 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［24 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［45 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［2 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［88 / 100］ ―― 《黒い渦》不運



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

ザザッ――

　








少女がつぶやく。

　

　

　





雑音で声がかき消える。

　

　

　





　

　

　




　

　

　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！