［基本］OK.　［戦闘］OK.　

　ニコレットを人質に取られ、警察たちは微動だにできずにいた。
　「なんて事を…ッ」
　ストライクス警部は苦々しげに呟くが、ずれた眼鏡を直す事しかできずにいる。
　リトゥラはニコレットを引きずりながら出口の方に移動しつつ、震える声で恫喝する。
　「逃走用の車の鍵を寄越しなさい！！」
　その時だった。
　不意に、じゃらり、と金属質な音が耳元で鳴った。
　そして、低く囁くような声が、リトゥラの鼓膜を不気味に撫でる。
　「これが欲しいのかい？」
　怖気がするほど乾燥した、まるで色のない、灰色の声だ。
　耳にするだけで、全身の血の気が引いた。
　その一瞬の隙に、車の鍵が床に落ちる音がしたかと思うと、かさついた無骨な手が、背後からリトゥラの両手首を掴んだ。
　「子供を人質に取るなんて、どこまでも人でなしだな…」
　その手は紛れもなく、あの胡乱な探偵ｰｰｰｰｰｰチャコール・タールの手だった。
　いつの間にか背後にいた探偵に掴まれ、リトゥラは強引にニコレットから引き離される。
　「なんで…そこにっ…！？」
　動揺で表情を凍りつかせるリトゥラを、探偵は冷笑する。
　「なんでって？アンタがニコレット捕まえるのに夢中になってる間に、逃走しそうな動線で待ち伏せさせてもらったよ。いや参ったね、まさかこんなに上手くいくなんて。」
　探偵はまるでワルツでも踊るかのように、リトゥラの体を反転させ、自分と向き合う形にする。　
　「困るんだよなあ、俺の前で荒事を起こされるのは。探偵の仕事は事件の解決だ。目の前で起きる事件の仲裁じゃあないんだぜ？」
　探偵はリトゥラの腕を掴んでいた片手を離し、その手を彼女の顎に添える。
　まるで口付けでもするのかというような耽美的な光景だが、それには似つかわしくないほどリトゥラの顔は青ざめ、探偵の目はギラついていた。
　探偵は甘く、不気味に、囁いた。
　「俺の【目】の前で、事件を起こされちゃあ困るんだよ。」
　ニコレットは見てしまった。リトゥラを睨め付ける探偵の双眸が、異様に赤く、熱く、煌々と燃えたぎっているのを。
　近づくことも、触れることも、直視することも許されない、苛烈で厳然な眼。
　ｰｰｰｰｰｰそれはそれは、天壌を照らす烈日の如く。
　「あ、ああ、あ、痛い、頭が、痛い、熱い、熱い、あつッｰｰｰｰｰｰ！！！！！」
　睨まれているリトゥラは何故か呻き苦しむと、糸が切れるように膝から崩れ落ちた。
　異常な光景を間近に目撃してしまったニコレットと、何が起きたのかわからない警察達の沈黙で、場が静寂に包まれる。
　その静寂を破ったのは、他でもない、探偵が埃を払うように手を叩いた音だった。
　「はい、一件落着。ほら、警部殿、このままにしてていいのかい？」
　先程までの輝きは何処へか、すっかり冷え切った目をした探偵は、他人事のように投げかける。
　その言葉にハッとしたストライクス警部は、慌てて部下に命じた。
　「た、逮捕ーーー！！逮捕です！！！それと医師の手配を！！急いで！！！」
　部下達はもたつきながら、気絶したリトゥラに手錠をかけ、屋敷の外に運び出した。
　
　探偵はポケットから小さな黒革の手帳を取り出すと、操作中に情報をメモしたページを開く。
　「…アイシーン・ピアニッシモ…っと。アンタの秘密、頂いたよ。」
　そう呟き、メモにリトゥラの本名を書き足したかと思うと、一連のページを手帳から切り離し、くるくると丸めて小さな細い筒にした。
　そして。
　探偵が、丸めた紙を両掌で包み込み、ゆっくりとその手を開くと。
　彼の手の中にあったはずの丸めた紙は、どこにもなくなっていた。

　ｰｰｰｰｰｰ代わりにそこにあったのは、一本の紙巻きタバコだった。

特に何もしませんでした。

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

［821 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［444 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［481 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［200 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［410 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［328 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［263 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［189 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［111 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［146 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［146 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［299 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［41 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［203 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［89 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［99 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［90 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［46 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［76 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［56 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［5 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［21 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［43 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［0 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［11 / 100］ ―― 《黒い渦》不運



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

Cross+Rose越しにどこかの様子を見ているエディアン。




　

　

　











いくつかの映像が映し出される。

　







　

不思議そうにするエディアンを見て、軽くため息をつく白南海。






　






　

　

　

チャットが閉じられる――