［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［スキル］OK.　

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「───兄さん、明日は10時に列車が出るからね。遅れちゃだめよ！」

「はいはい。列車はそれぞれ別になっちゃったけどね。きみは彼と一緒に、先に隣街に」





私が切符を手渡した後、笑って話す兄さんの顔が見えてほんの少し胸が痛んだ。




本当は同じ列車に3人で乗りたかった。
けれどその日その時間はたまたま空席が無くて。私と兄さんが住んでいる街は小さな片田舎で、最近鉄道が開通したばかりだった。
物珍しさも相まって、空席は瞬く間に埋まってしまう。
結婚式の式場がある隣街までの列車は9:30の便で空き席2つ。10:00の便で空き席1つ。
到着してから挙式までに準備する時間を考えると、選択肢はひとつしか無かった。




「……うん。兄さんとも一緒に行きたかったんだけど……」

「それは仕方ないよ。空き席がもう無かったんでしょ？
　代わりに頼まれてた花束は乗る前に、お花屋さんに取りに行っておくから」

「……ありがとう。ふふっ、楽しみにしてる」




──そう、お花！　
私が小さい頃から夢見ていたお嫁さんに欠かせないもの。ウェディングブーケだけは兄さんに持って来て欲しかった。
わざわざお花屋さんに取りに行かせる事になってしまったけれど、お花の種類は兄さんに選んでもらった。
どんな花にしたのかは私に内緒で！
私が結婚する朝、兄さんがお花屋さんに行ってあらかじめ選んでくれた花束を受け取って──列車に乗ってやって来てくれる。




それはとてもロマンチックで楽しみで。
きっと明日は世界でいちばん幸せな一日になる。
そう思うと、兄さんがまたこっちを見て笑っているのが見えた。




「口元、すんごい緩んでる」

「だって、だって楽しみなんだもの！　お嫁さんになるのが夢だったのは兄さんだって知ってるでしょ？」

「そりゃね。子供の頃から散々お嫁さんごっこで新郎役やってたもん。
　ともかく約束してた花束はちゃんと届けるからね。
　だから、


















　だから安心して先に行ってて────花嫁さん。」

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そこから先の事はよく憶えていない。
私は翌日の列車事故で死んだらしい事。そして兄さんは──セルフォリーフという世界に居るらしい事。


それだけが、否定の世界に堕ちた私に残っていた記憶だった。

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狭間世界の時間が26時を指す頃。
タニモリ区での戦闘の後、彼は咳き込みながら何度目かの蘇生を果たした。

《大丈夫ですか？ 思いきり銃弾で撃たれてました。 　よく身体の方が元に戻りましたね。何とか離脱出来ましたよ》

「大丈夫、なわけ、無いでしょ……っは、げほっ。 　……櫛をアンタに渡してなきゃ絶対死んでた。ったくもう、まだ身体中に鉛玉が埋まってるみたいよ」

何とか返事を返しながら、彼は苦い顔をして少し血混じりにむせ返った。
もともと赤い口紅を塗っていた唇に新しい鮮血の跡が残る。
今は先の決闘で敗北した彼をエイドの大黒猫が──私が身体を回収して逃げ失せた所だった。






この人は死なない。
魂を宿す小櫛が破壊されない限りは。

《……。》

何度も死んでは生き返る、今の私のご主人様。
この世界で私は彼が真っ赤な血で染まる姿を何度も見た。
最初、従者になったのはこの身体が彼の異能力に支配されていたのもあるけど。私は自分の意志で付いて行きたいと思った。

こんな世界でも正気を失ってなくて、生きる力の強い人。
上に立つ事に抵抗が無い人。指示を出して指揮命令を執る能力がある人。







（そんなあなただったから──）





















（────利用しない手は無いと思った。）


（アンジニティから喚ばれてしまった以上、考え無しに彷徨ったらきっと他の異能力者に潰されてしまうから）

（あなたの異能は他者の従属。いくつものエイドを従えれば役割分担が出来る。
　ひとりでいるより危険じゃないし、自分が出来ない事を他のエイドがやってくれるわ）

（それに──従う主人がいるエイドはそこら辺の野良より能力が上がる）







こんなに素敵な人、利用しない手は無い。
初めて出会った時からそう思っていた。


私はまだ、ここから消えたくなかったから。

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呆れた声で突っ込む声が聞こえた。
驚いたのなんて久しぶりだったからつい、返事が遅くなってしまったみたい。
ふよふよと霊体を漂わせる私に、彼は改めて笑って話を続けた。












……。
思ったより筒抜けだった様だ。
だからどうという事も無いのだけれど。──むしろそっちの方が話が早い、と思った私の事を察したのかは分からないけれど。
"私のご主人様"は流れる様に視線を送って言葉を続けた。













"よろしい"と最後に言葉を掛けて、彼は受け取った小櫛で乱れてしまった髪を整えた。




強くて美しい私のご主人様。
あなたとの主従ごっこはきっと、このゲームが終わるまで続くのだろう。

（──あなたと私、最後に叶うのはどちらの願いなのかしら）

それならいっそ、最期の時まで。
私は私の為に。あなたはあなたの為に。

ItemNo.22 架空の焼き肉 を使用しました！
　魔香のため、体調は回復しなかった。
　今回の全戦闘において 強撃10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

使役LV を 5 UP！（LV35⇒40、-5CP）
百薬LV を 5 UP！（LV15⇒20、-5CP）
付加LV を 5 UP！（LV46⇒51、-5CP）

ガガミネ(181) とカードを交換しました！

チタン （モータルバイト）


ヘカトンケイル を研究しました！（深度0⇒1）
ライブラリ を研究しました！（深度0⇒1）
ライブラリ を研究しました！（深度1⇒2）

インフェクシャスキュア を習得！
クライオセラピー を習得！
クリエイト：メディカルリキッド を習得！
スペシャルポーション を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ツバキ(805) は 匂辛夷 を入手！
ツバキ(805) は 橙色の果実 を入手！
ツバキ(805) は ビーフ を入手！

タニモリ区 D-16（山岳）に移動！（体調25⇒24）
タニモリ区 E-16（山岳）に移動！（体調24⇒23）
タニモリ区 F-16（山岳）に移動！（体調23⇒22）
タニモリ区 G-16（山岳）に移動！（体調22⇒21）

［822 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［445 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［490 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［199 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［407 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［325 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［250 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［181 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［105 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［148 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［144 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［288 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［40 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［199 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［84 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［99 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［78 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［45 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［76 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［55 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［1 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［83 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［13 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［38 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

空には変わらず光の玉が、星々を模している。

次第に集まり、大きな光になっていく･･･

　

　

　









　





　

　

　

集まった光がそれぞれ何かの形を成し、地上に落ちてゆく。





　

　

　





　

　

　

チャットが閉じられる――