［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

[追想：瓦礫の寝所]









激しい閃光と空気を引き裂く轟音に目と耳を塞いだ。
全身を揺さぶる衝撃が収まった頃、目を開くとそこには赤黒い空が覆っていた。

《否定の世界》アンジニティ。

廃棄されたルピスは、そこにいた。



周囲には廃材やら何やらごみのようなものまで、そこかしこに山積みにされていた。
ルピスもこれまでに見たことがないような材質のものまで沢山だ。
なるほど。ここは自分だけではなく、様々な世界から棄てられたものが行きつく場所なのだと、
そういう風に理解した。

（私も、あの瓦礫の山みたいになるんだ）



その場を離れようと歩き始める。
歩いて少しでも気を紛らわせたかったのか、
それとも、同じ死ぬならせめて少しでもましな場所を探そうとしたのか。

赤い、何かの液体の水溜まりをびちゃびちゃと所々足を浸からせながら進んでいく。




行けども行けども同じような景色が広がるばかりであった。
ときどき建物（のようなもの。枠組みしか残っていなかったので元々何だったのかもわからない）の廃墟の横を通ったりもしたが、
それも大きい廃墟か小さい廃墟かの違いぐらいでしかなかった。
ささくれた木片が時々足に刺さって痛い。段々と足取りも重くなってきた。



そんな折、ふと立ち止まる。視線の先に人影が見えたのだ。

（あれは……？）

自分と同じように棄てられた人だろうか。
陽の光など何分ないもので、よく見えない。おそるおそる近付いてみる。
被り物をしているが、大柄の男だろうか。筋骨隆々としており、肥大化した両の腕をさらけ出している。
さらに近付いて物陰から覗いてみる。
被り物は……どうやら何かの動物あるいは魔物の骨だ。人の頭を覆えるほどの大型の生物の頭蓋骨だ。
両手にそれぞれ何か握っているのが見える。
斧だ。長柄の。伐採用の斧ではない。戦斧。
さらに足元にも人影が見えた。鎧を着こんだ人物だ。
横たわって動かないでいるが――その首から先がない。
少し離れた場所に、剣と、「それ」がごろりと転がっているのが見える。

「――――っ！」

思わず悲鳴を上げそうになる口を抑える。
おそらくこの大男に刎ねられたのだ。
加えて、よく見ると大男には首飾りが巻かれていた。
一見すると僧が身に着ける数珠のようであったが、違う。
生首だ。数珠のように見えたそれらは生首を繋ぎ合わせたものだ。
いずれも太い首の、生前は屈強であったろう男たちが、苦悶に満ちた表情で大男を飾り立てている。
戦闘狂か殺人鬼、あるいは処刑人か。
この際なんでもよかったが、いずれにせよ危険だ。ここにいるのはまずい。
この世界に棄てられた時点で「死」は意識していたものの、
こうもあまりに突如として目前に迫られると本能的に恐怖心が勝ってしまうものである。

すぐにこの場を離れようと後ずさったが、同時に大男もこちらを振り向いた。
姿を隠していたはずだが、気配に鋭敏なのか、既に気付かれていたらしい。
こうなっては猶予はない。急いで駆け出したが、それに合わせて大男ものしのしと大股で追い掛けてくる。
そこかしこに瓦礫があるような足場で上手く走れない一方、
大男はそんなものを意に介せんとばかりに踏破し距離を詰めてくる。

（このままだと追いつかれる。何か、何とかしないと）

魔術でどうにかしようとも考えたが、片目を失っている今、それは不安定なものであるし、
しかも焦りがこみ上げる中、走りながら行使できるほど魔術に熟達してはいなかった。
そう考えているうちに、ふとしたはずみで泥濘に足を取られ、大きく転倒してしまう。
倒れた先の瓦礫がいくつも肌に食い込み激痛が走る。

痛みに堪えた後、目を開くともうその一瞬の間に大男が眼前に立っていた。
斧を握ったまま無言でルピスを見下ろしている。
ルピスは立ち上がることもできず、もう座り込んだまま後ずさりするぐらいしかできなかったが、
背後にあるのも瓦礫の山である。どこにも逃げようもない。
その斧がいつ振り下ろされるか、縮こまりながらその瞬間に怯えていた。


大男は意外にもルピスから背を向けた。
まるで興味のないかのようにあっさりとその場を離れ、元居た場所へ戻っていった。
興味のない、というより興味を失ったという方が正しいか。
無抵抗の彼女は興味の対象ではなかったらしい。
先の三択で言えば「戦闘狂」が大男の気質に近かったのだろう。
ルピスにしては珍しく幸運であった。
まだしばらくはこの地獄のような世界を堪能できることになったのだから。



緊張の解けたルピスはそのまま瓦礫の山に倒れ込んだ。

（……）

難を逃れたのはよかったが、この先の算段は何一つ立っていない。
一命を取り留めたといっても、この世界のあり様では食事も満足にいかず力尽きるのも時間の問題だろう。
そう思うと再び歩き回ろうなんていう気力も起こらないのであった。
それにまた先の大男のような人物に遭遇しかねないし、尚の事だ。
そのまま仰向けになっているとすっかり全身から力が抜けて、意識までぼんやりしてきた。

（疲れた）

疲れたのは何もこの世界、アンジニティの様相だけに限ってではなかった。
今に至るまでの人生全てにおいて疲れ切ってしまっていた。
思い起こせばこの身を売り飛ばされ、道具としてぞんざいに扱われ、
いつからか災いをもたらすなどと言われ、「呪い」とまで言われ。
その眼も奪われ、挙句の果てには廃棄処分までされてしまった。

（私の人生って何だったんだろう）

せめて眼があったら、せめてこんなところにまで堕とされずに済んだんだろうか。
いや、はじめから眼なんてなければよかったんだろうか。

わからなかった。答えなど出るわけもないし、出たところで別にどうもしようもなかった。
考えるうちにだんだんとどうでもよくなってきた。
このまま横になったまま、意識が消えるまでいようか。

（もう、疲れた）





空はずっと赤黒いものだから昼も夜もあったのかわからない。
時間にして数日は伏していた。
途中で何か長い生き物が顔を覗き込んで「ケケケケ」と嗤っていたような気もしたけれど、
何も反応する気力もなかった。
だからそれが何だったのかよくわからないし、それも別にどうでもよかった。





そんなときだった。あの声を聞いたのは。

「――私、エディアン・カグから、アンジニティチームの方々へ」

案内役と称する人物により「ワールドスワップ」のアナウンスが行われる。
スワップ。別の世界との入れ替わり。
虚ろに伏していたルピスの耳にもその声は届いた。



（ワールドスワップ？）



（ここから、抜け出せるの？）

ItemNo.20 野菜炒め-極- を食べました！
　体調が 1 回復！（5⇒6）
　今回の全戦闘において 器用12 幸運12 命脈12 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

制約LV を 25 DOWN。（LV25⇒0、+25CP、-25FP）
変化LV を 11 DOWN。（LV35⇒24、+11CP、-11FP）

武術LV を 20 UP！（LV0⇒20、-20CP）
自然LV を 11 UP！（LV24⇒35、-11CP）
領域LV を 10 UP！（LV25⇒35、-10CP）
合成LV を 5 UP！（LV45⇒50、-5CP）

ItemNo.30 マギアショール に ItemNo.1 日陰蔓 を合成し、マギアショール を強化しました！（+35）
　⇒ マギアショール／聖衣：強さ253／［効果1］体力45 ［効果2］器用30 ［効果3］－

ItemNo.30 マギアショール に ItemNo.18 紫陽花 を合成し、マギアショール を強化しました！（+17）
　⇒ マギアショール／聖衣：強さ270／［効果1］体力45 ［効果2］器用30 ［効果3］－

ItemNo.30 マギアショール に ItemNo.28 不思議な雫 を合成し、マギアショール を強化しました！（+3）
　⇒ マギアショール／聖衣：強さ273／［効果1］体力45 ［効果2］器用30 ［効果3］－


ラプリナ(26) により ItemNo.29 ビーフ から料理『うさビーフ』をつくってもらいました！
　⇒ 家事スキル！［ 6 1 4 = 11 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ うさビーフ／料理：強さ54／［効果1］活力6 ［効果2］体力6 ［効果3］防御6

からす(213) とカードを交換しました！

カイロの日和 （スペシャルタイム）


エンチャントウェポン を研究しました！（深度0⇒1）
エンチャントウェポン を研究しました！（深度1⇒2）
エンチャントウェポン を研究しました！（深度2⇒3）

コンテイン を習得！
カウンター を習得！
エスコート を習得！
ハードブレイク を習得！
スカーレットスキュア を習得！
強打 を習得！
オーバーウェルム を習得！
覇気 を習得！
グランドウォール を習得！
アジール を習得！
炎舞 を習得！
金剛不壊 を習得！
ワイヤースライス を習得！
インセンディーズ を習得！
サンドストーム を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ラプリナ(26) は 花韮 を入手！
ルピス(608) は 水仙 を入手！
ディルクルム(889) は 水仙 を入手！
一紗(1075) は 花韮 を入手！
一紗(1075) は 強靭な皮 を入手！
ラプリナ(26) は ふさふさ を入手！
ラプリナ(26) は 立派な歯 を入手！
ディルクルム(889) は ビーフ を入手！
ルピス(608) は 生命の宝石 を入手！

ラプリナ(26) に移動を委ねました。

タニモリ区 I-9（草原）に移動！（体調6⇒5）
タニモリ区 I-10（道路）に移動！（体調5⇒4）
タニモリ区 J-10（道路）に移動！（体調4⇒3）
タニモリ区 K-10（チェックポイント）に移動！（体調3⇒2）
チナミ区 B-4（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

『リュウジン区 P-15：チェックポイント《渡し舟》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - ラプリナ(26) の選択は リュウジン区 P-15：チェックポイント《渡し舟》

MISSION!!
タニモリ区 K-10：チェックポイント《変な像》 が発生！
　　 - ラプリナ(26) が経由した タニモリ区 K-10：チェックポイント《変な像》
　　 - ルピス(608) が経由した タニモリ区 K-10：チェックポイント《変な像》
　　 - ディルクルム(889) が経由した タニモリ区 K-10：チェックポイント《変な像》
　　 - 一紗(1075) が経由した タニモリ区 K-10：チェックポイント《変な像》

［821 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［448 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［490 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［196 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［408 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［323 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［249 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［181 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［104 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［146 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［145 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［287 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［40 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［181 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［80 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［97 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［73 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［45 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［66 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［55 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［1 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［62 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［0 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［20 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

･･･夜空が見える。

　

　

　

どこからともなく無数の光の玉が空へと浮かび上がり、

真っ暗な空間を星々のように彩りはじめる。

　

　

　

少しずつ、少しずつ、

光が寄り添い集まっていくように見える。

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！