［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

僕という存在を言葉にしたら、そのたった一行しかない短い文章で終わってしまう。
言葉は残酷だ。
その一行の文章は確かに間違っていなくて、合っているからこそ否定もできず、見たままの印象を読者に与えてしまう。
それはとても自然で、仕方のないことなのかもしれないけれど、それが今の僕にはとても悲しい。
これがもし一本の樹であったならば、そんなことは思わなかっただろう。

あなたは樹としてこの世に生を受けました。
あなたはとても大きくなることができます。
あなたは人の品種改良によって作られました。
あなたの養分は人です。
あなたは世界を救うことができます。
あなたは樹です。
あなたは懸命に生きようとします。
あなたが切っ掛けで世界は滅びました。
あなたを消すために人類は団結しました。
あなたがこの世に生まれたから世界は滅びたのです。

気が付けばアンジニティという否定の世界に僕は居た。
始まりの世界において、僕に記憶する機能は無かったので、これはただの記録。
罰を受ける為には樹のままでは難しかったのだろう。
僕には自我と罪の記録を与えられ、この荒廃した世界へと落とされた。
この世界に純粋な人間はほとんど居らず、碌な栄養を取れない僕は常に飢餓に苦しんでいた。
出来ることと言えば、考えることだけだ。
僕の罪とは、いったい何なのだろう？
たくさんの人間を殺めたことは間違いない。
広がり続ける根と自重で大陸も地盤も滅茶苦茶にしてしまったことは事実だ。
その結果、世界を救うためと人間たちの使用した数々の兵器が原因で世界は滅んだ。
人々は言う。お前さえいなければ、と。
悪魔の樹。世界を滅ぼした一本の樹。
この世に生まれたことが罪なのだと。

正直、記録だけ見ても「だから何？」以外の言葉が見つからない。
人によって作られたそうだけど、作った人は僕の親じゃない。
そして、人を栄養にして人類の居ない世界を作りたかった、という想いも僕には理解できない。
ただ、この世に生まれたからには生きようとする。
生きるために必死に根を伸ばして、栄養を摂って、また根を伸ばして……
色々と歪められてしまったけれど、僕はただ懸命に生きただけ。
それが罪だというのならば、別に罪でも構わない。
否定の世界で理不尽な境遇に落とされ、飢餓を抱えたまま地面を這いずる小さな小枝。
いずれ朽ちるにしても、永遠にこのまま苦しみ続けるにしても、どちらにしても僕の目的は変わらない。

生きること。

この世に生まれたからには、ただそれを全うするだけ。
それだけでいい。
それだけで良かった。
……この世界に。ハザマに落とされる、その時までは。


──熱い。
楽しい幸せ美味しい安らぎ平穏安心不安......痛い苦しい助けて吐きそう潰れる悲しい辛い愛しい憎い燃える寒い震える千切れる怒り激高破壊寂しい愛しい大好き怖い嬉しい酷いやめて好き大好き愛してる愛して許せない死ね詫びろ消えて苦しめ泣け惨め焦燥後悔嫉妬失望裏切り衝撃茫然絶望憂い殺意憎悪怨恨無為無駄徒労希望愉快自暴自棄悲観執着諦観渇望壮絶虚無憤怒...　..　........

尽きる事のない感情という劫火。
初めて知るその膨大な情報の洪水は、枯れて干からびたこの身にはただひたすらに毒だった。
これまでに感じたあらゆる事象とは比較にならないほどの責め苦。
最初にあった甘く穏やかな感情は唐突に終り、そこから先は言葉に変えられないような膨大な感情という名の拷問だ。
生きるというただそれだけの存在理由が消し飛ぶほどの死にたいという気持ち。死ねないという全く正反対の苛烈な想い。僕という小さな存在の中で激しく衝突しながら何度もぶつかり、反射して弾かれて……
十数年分の過酷な人生で蓄積された感情を、僅か一瞬の内に詰め込まれた僕は、こうして嬉野聖となった。

それから十数時間が経過した。
今の僕は嬉野聖であると同時に降雪夜道でもある。
今なら理解できる。悲しいという感情も、嬉しいという感情も。
彼女の記憶が僕を人間にしてしまった。
ただ生きるだけだった僕が、僕が奪ってしまったあらゆる命たちが抱いたその感情の記録をきちんと正しく理解できるようになった。
今もなお溢れんばかりに渦巻く感情の渦に曝されながら、僕は生きている。

この侵略戦争がどういう結果に終わったとしても、この感情だけはもう消そうとしても消えることはないだろう。
きっと、これが本当の罰なのだ。
ただ生きるだけで良かったあの頃にはもう戻れない。
戻れたとしても、僕はそれを選択しないだろう。
なぜなら、彼女を知ることができたから。
彼女を知って、そして分かたれたことが、これまでの何よりもずっとずっと辛いことだとしても。

この感情の正体を、僕は知らない。
それは、降雪夜道がまだ知らない感情だからだ。
だから、それでいい。
この想いを胸に秘めたまま、この先永遠に巡り会うことができないのだとしても。

彼女の住む世界を守る。その手助けを、少しでも──












それが……


叫びながら地面に伏せた聖の上を、黄色い熱線が薙ぎ払う。
衝撃波に転がりながら、次々と樹が倒れてくる中を這うようにして抜けていく。

ここは──戦場だ。
1時間の内に数度ある戦闘は、時を経るほどに激化していく。
最初は小さな小競り合いみたいだった戦いも、別次元へとシフトしていた。
現地生物を手懐けて戦わせていた二人組は今では巨大なロボを喚び出して辺りを焼き尽くし、
最後には大爆発を巻き起こすし、元から頭のおかしかった剣士風の男は気が狂ったかのような激しい動きを繰り返しながら津波を起こしたり相手を滅多斬りしてたりする。
そして癒し系かと思われていた肉の塊は、お肉を捻り出すだけでなく変な怪物を生み出したり辺り一面を夢の国にしたりしている。わけがわからない。
それぞれが好き勝手している中で、僕ができることはそれほど多くない。とりあえず樹を植えたり水を撒いたりして貢献している。あと、最近ダンスも覚えたので良く踊っている。このパーティーで唯一の常識（樹？）人だ。

嵐のような戦場が静かになるのは、相手が沈黙するか、
この暴れまわっている狂人たちが疲れて倒れるかのどちらかだけ。
そうして戦闘が終わったとしてもすぐまた次の相手が襲ってくる。
そんな繰り返しをかれこれ24時間もぶっ通して行っている。正気の沙汰じゃない。
僕は樹木だから良いけど、この人達とかイバラシティの人の身体と精神はどうなっているの？
どうやら一部の常識人達は、もう既にベースキャンプに引きこもったりボランティアみたいなことをして過ごしているらしい。僕もそうしたい。
だけど、既に敵対行動を示してしまったアンジニティは、今更「味方だよ～」みたいな事を言ってもタクシーの運転手さんがイバラシティのベースキャンプまで乗せていってくれないのだ。

だったらアンジニティのベースキャンプで？
いやいや、僕の目的を考えたらそれは駄目だ。その選択肢は無い。
ひ弱で可愛いだけの僕にできる事と言えば、この頭のおかしな同行者たちに付いて行きながら期を窺うことだけ。
イバラシティのために、ううん夜道のためにできるのはそれくらい。
今はただ普通のアンジニティらしく植林しながら疑われるような行動を慎み、従順な振りをしよう。




戦闘が終われば肉塊さんの吐き出した肉塊を集めて調理する作業が始まる。
ついでにその辺に落ちていたよくわからない物で箱を作ったり、紐を引っ掛けて御守みたいにするのも最近のトレンドである。
24時間も同じことを繰り返していればさすがに慣れてしまっていた。
最初は拾った小石をちょっと綺麗にしたりするだけだったのに、今ではなんかものすごい石の塊から精巧な等身大の僕を彫刻することも可能になっている。
自分でも何を言っているのかよくわからないけど、これが装飾Lv99ということらしい。

料理を覚えたのも事あるごとに僕に噛みついて（比喩表現ではなく）くる頭のおかしな狂人さんに、少しでも気を逸らせるよう生肉を加工し始めたのがきっかけだ。
最初は上手くいっていたのだけど、最近また僕の根を齧ったりしてくる。
この前なんて僕にビーフを投げつけてきた。意味がわからない。（それも、連続して二度も、だ！）
命の危険を感じることはないのは、彼にもひとかけらの良心が残っているからだろうか？
もしかしたら豆苗のように思われているのかもしれない。
食べても根っこが残っていたらまた生えてくるとでも思っているのだろうか？
もしそうなら根っこを齧るのだけはやめて欲しい。
この前ちゃんとそう言ったのに、わかったような顔をしてまた根を齧ってきた。もう嫌だ。

そういえばこの前別行動をしたあと、合流した時に労ってくれた人がいた。
そう、見た目も言動も普通なのに、気が付けば現地でおじさんを拾ってきて飼い始めた人だ。
最近はロボを出したりもする。
普通だと思っていた人が実は異常者だった、みたいな話はフィクションとしてはよくあるけれど、実際に目にした感想は『ああ、やっぱり』だった。このアンジニティにまともな人がいるわけないのだ。
肉塊さんは最近ウマを出せるようになった。
乗れるのかと思ったら敵に突っ込んでいって自爆した。神風特攻というらしい。
意外なことに喚び出した相手の見た目も変えられるらしく、この前は僕の姿をした元馬が、盛大に自爆して肉塊になっていた。……ああ、やっぱり。
今度からは普通にそのままでとお願いしたけれど、どこまで理解してくれたのかはよくわかんない。
いつも僕たちが肉塊さんのお肉を食べたり、料理したりするのも本当のところはどう思っているのだろう？

よくわからないけれど、貴重なたんぱく質なので仲良くしたいものである。

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今も、嬉野聖はハザマで活動を続けている。
それが彼女のために自分ができる唯一の事を信じて。

──だが、もう嬉野聖の知る降雪夜道はどこにもいない。
イバラシティに発生したワールドスワップ。
ハザマで1日が過ぎる内に、あちらでは1年が過ぎ……
状況は大きく様変わりしたが、それを知る手段はもう既に失われている。
嬉野聖となった樹木の贖罪。
彼女がそれに気が付くのは、まだずっと先のことになる。

蹲る肉塊(251) から 活力漲るアンテナ を手渡しされました。

持明院 寂怜(555) に ItemNo.34 鉄くず を手渡ししました。

ItemNo.17 ビーフ を食べました！
　体調が 1 回復！（21⇒22）
　今回の全戦闘において 活力5 が発揮されます。

蹲る肉塊(251) から 因果喪失 を受け取りました。

だれかのおうさま(366) から 藤 を受け取りました。

持明院 寂怜(555) に ItemNo.37 鉄くず を送付しました。
持明院 寂怜(555) に ItemNo.4 丸太 を送付しました。
だれかのおうさま(366) に ItemNo.7 24時間戦うやつ を送付しました。
だれかのおうさま(366) に ItemNo.25 ビーフ を送付しました。

百薬LV を 10 DOWN。（LV35⇒25、+10CP、-10FP）

幻術LV を 15 UP！（LV0⇒15、-15CP）
料理LV を 5 UP！（LV42⇒47、-5CP）

ItemNo.40 活力漲るアンテナ から薬箱『1/1等身大木彫り樹木ちゃん人形』を作製しました！
　⇒ 1/1等身大木彫り樹木ちゃん人形／薬箱：強さ283／［効果1］防狂30 ［効果2］－ ［効果3］活力33

水晶アデュラリア(798) の持つ ItemNo.19 活力漲るアンテナ から薬箱『眠りを誘うベラドンナ』を作製しました！

ItemNo.39 ビーフ から料理『親の顔より食べ慣れた仲間のお肉』をつくりました！
　⇒ ハチミツをドバドバかける！［ 4 2 1 = 7 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 親の顔より食べ慣れた仲間のお肉／料理：強さ28／［効果1］活力6 ［効果2］体力6 ［効果3］防御6


持明院 寂怜(555) により ItemNo.40 1/1等身大木彫り樹木ちゃん人形 に ItemNo.31 毛+3 を付加してもらいました！
　⇒ 失敗しても怒らないで！！［ 6 6 3 = 15 ］通常付加
　⇒ 特質強化！効果3のLVが11増加！
　⇒ 1/1等身大木彫り樹木ちゃん人形／薬箱：強さ283／［効果1］防狂30 ［効果2］回復25 ［効果3］活力44

教祖様とくま(910) とカードを交換しました！

神護 （ワイルドインスティンクト）


インソウル を研究しました！（深度0⇒1）
ハデスポムグラネイト を研究しました！（深度0⇒1）
ヘカトンケイル を研究しました！（深度0⇒1）

アマゾナイト を習得！
ホワイトカード を習得！
ラディウス を習得！
リリーフ を習得！
サンシャイン を習得！
泡沫 を習得！
神威 を習得！
クラウン を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

蹲る肉塊(251) は 錆びた刃 を入手！
だれかのおうさま(366) は ドラム缶+1 を入手！
嬉野聖(399) は 錆びた刃 を入手！
持明院 寂怜(555) は 十薬 を入手！
だれかのおうさま(366) は 甲殻+2 を入手！
だれかのおうさま(366) は ビーフ を入手！
だれかのおうさま(366) は 不思議な雫+1 を入手！
嬉野聖(399) は 長い髪 を入手！
だれかのおうさま(366) は ビーフ を入手！
蹲る肉塊(251) は 汚れた玩具 を入手！

▼エイド化候補（基本行動にてエイド化可能）
嬉野聖(399) のもとに くわがた がゆっくりと近づいてきます。
嬉野聖(399) のもとに 蜃 が微笑を浮かべて近づいてきます。
嬉野聖(399) のもとに 捨てBB弾 がゆっくりと近づいてきます。

蹲る肉塊(251) がパーティから離脱しました！

だれかのおうさま(366) がパーティから離脱しました！

現在のパーティから離脱しました！

リュウジン区 D-4（沼地）に移動！（体調22⇒21）
リュウジン区 D-5（沼地）に移動！（体調21⇒20）
リュウジン区 D-6（沼地）に移動！（体調20⇒19）
リュウジン区 C-6（沼地）に移動！（体調19⇒18）

だれかのおうさま(366) をパーティに勧誘しました！
MISSION!!
リュウジン区 D-3：昇竜レジデンス が発生！
　　 - だれかのおうさま(366) が経由した リュウジン区 D-3：昇竜レジデンス
　　 - 嬉野聖(399) が経由した リュウジン区 D-3：昇竜レジデンス

［826 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［447 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［491 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［198 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［402 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［323 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［246 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［182 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［103 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［145 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［141 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［277 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［35 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［147 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［77 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［93 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［67 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［43 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［66 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［55 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［0 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［0 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［0 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

　　　･････ヴオオォォォ･･･ッ！！

　

　

　

チャットに響く走行音。

　

　

　



　

　

　　　ヴォンヴォンヴォンヴォンッ

　

　




　

アルメシアがバイクで登場する。

　

　

　








　








　

　

　







　

　

　　　――ザザッ

　

　

　

　

チャットが閉じられる――

聳え立つ巨大マンション、昇竜レジデンス。

　

その姿はハザマでも健在で、それを見上げると――

　




上空からふたつの巨体が迫り来る！