［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　毎晩のように、色無き竜が夢の中に現れる。
　英雄に成れ、と。
　一言伝えて、飛び去って行く。
　甘い味を認識しながら、目を覚ます。
　シメイが無ければとっくにうんざりしていた。しかし『何』に対してうんざりしているのか、もはや自分で判別できない。




　街はずれの酒場で、痩せた男から話を聞いていた。

「ランドルフ・アルストロメリア。黒い髪と青い目をした若い男らしい」

　―― 姓を聞いた時から思ってはいたが、あまり、この国の人間らしくない。

　僅かな情報を振り返っての感想が、これである。
　『ランドルフ』という名前自体はイェルデ共和国だと珍しくないのだが、『アルストロメリア』という姓を知って『らしくない』と考えた。

　―― そもそもアルストロメリアって、エスメラルダの姓じゃなかったか。今のこの国に、エスメラルダから人が流れてくることは……今は難しそうだが。

　正式にはエスメラルダ王国。イェルデ共和国の隣国にあたる。イェルデ共和国の元取引相手国で、今は交流を断っていると聞く。交流を断たれたことが元で物価の高騰に繋がったことも知ってはいるが、それをイェルデ共和国がどう感じているか 異邦人であるリオネルには想像することしか出来ない。
　想像する限り、良い感情を抱いてはいないだろうが。

　―― けど、『黒い髪』はどっちの国でも珍しい方じゃないか。『青い目』という特徴を考えると、エスメラルダの血筋だろうけど。

　これ以上考えることを止めて、リオネルは一言。

「これだけか？」
「支払われた分の仕事はしたぜ」

　僅かな情報を持ってきた男は、緑の目でリオネルを見上げた。

「オレはランドルフの居場所を調べてくれと頼んだ筈だ」
「煩ェ、騙されたテメェが悪いんだよ！」

　小柄な男はリオネルに殴りかかるような真似を ―― しなかった。近くにいた女の肩を掴んで、リオネルに向かって突き飛ばした。それを無視するような真似は出来ない。女を受け止めているうちに、男は行方を眩ませた。

「……コンラートのアレに引っかかっている奴、久しぶりに見た」

　囁く声が聞こえる。
　勢いよく盾を地面に叩きつけると、囁く声が消えた。

「……大丈夫か？」

　受け止めた女に声をかける。茫々とした顔のまま、女は頷いた。
　眉根を寄せるリオネルに、女は短く話す。

「仕方がないよ、あの人はそういう人なんだもの」
「……知り合いか？」
「違う、こうやって話したのはこれが初めて。けど分かるの、あの人はきっと 本当は悪い人じゃないって、目が合った時に……」

　―― どう見ても魅了されてやがる。

　察しが良くない方のリオネルであったが、虚ろな目で呟き続ける女を見れば 否が応でも何らかの干渉を受けたと分かった。
　頭が痛い。この国に来て初めて『神力』を持つ人間を見たが、それがあのような小悪党なんて。しかし魅了といった類いの力はどちらかといえば赤い竜の領分。赤い竜に善悪は無い。そして赤い竜は気に入った人間に、彼らが強く望む力を与える。

　―― 赤い竜から『神力』を賜った人間なら、神託を受けているんじゃないか。

　『神力』の使い手は、夢の中で竜の言葉を聴くことがある。竜が人に語り掛ける時は様々だ。災厄を起こすために言葉を伝えることもあるし、逆もまた然り。竜によって異なるが赤い竜の場合は 己の世界を保つために動く可能性がある。赤い竜は世界を支配しようとする可能性はあれど、世界を壊す可能性は無い。―― 力を失い、気が触れた時はともかく。
　リオネルが視線を移すと、数名がそっとこの場を離れようとしていた。

「おい」

　その数名の後ろ姿に短く声をかけた。彼らは同時に立ち止まる。

「コンラートと呼んでいたあの男を知っているのか？ アイツはどこにいる？」

　誰一人答えようとしない。
　―― あんまり荒っぽい手を使いたくない。どうかさっさと吐いてくれ。

「交渉しに行くだけだ。オマエたちのことを口外するつもりもない。そもそもオレはオマエらの顔は覚えたが、オマエらが何者なのかは知らん」

　一人の肩を掴んだ。少しずつ力を込めていく。
　リオネルの願い通り、彼らは存外あっさりと コンラートという名の小悪党の塒を伝えた。
　―― 護るべき人間を半ば脅して、なんとか進む道を見つけている。
　―― オレの行動は、英雄に相応しいのか？
　疑問を投げかける相手はいない。たとえ間違っていたとしても、立ち止まることは許されない。




　陽が沈んだ後、反対方向にある建物に向かった。
　嘘を掴まされる、という可能性を考えなかった訳ではない。しかし、それでも構わなかった。伝えられていた情報が嘘だったところで自分の行動が変わる訳ではない。今までと同じようにランドルフ・アルストロメリアの所在を探すだけだ。

　中には、顔に傷のある男がひとり。背丈を見ればリオネルとさほど変わらない。見回すと棚が並んでいて、棚に置かれているのは護身用の短剣、香辛料の入った小瓶、粗末な古着など 店のような形を取りつつも並んでいるものは統一されていない。
　カウンター近くの棚、一番下に置かれていた 黴かけた革靴の左側だけ手に取った。

「……なあ、店主。この靴はいつからこの値段で売られているんだ」
「さあな、俺が店を継いだ時からずっと変わっていない」

　持った革靴を右に回す、手が滑って危うく落としそうになった。首元を冷や汗が伝う。一度深呼吸をしてから、改めて靴底を見つめる。幾つも、穴が開いていた。おおよそ売り物とは思えないが、実際のところ売り物ではないと聞く。

「この靴はどうして穴が開いているんだ」
「さあな、俺が店を継いだ時には既に4つ穴が開いていた」

　革靴の紐を結んでから、元の場所に戻す。……蝶結びが縦になってしまったが、結び方が下手な分には 特に問題はないと聞いている。
　所謂符牒という奴らしい。教わった問答は全て終わった。手順が間違っていなければ、コンラートの拠点へ案内される筈だという。

「そんなに靴が気になるんなら、向こうの扉の奥に行くといい。そこに、他の在庫がある」

　リオネルは頷いて、示された扉の先に入っていく。中は一本道、階段で地下に向かっているようだ。背の高いリオネルが問題なく通れる程度の高さが確保されている。応答した大男も共に来るらしい。後ろから、重い足音がする。

「あの結び方、コンラートのところの派閥から聞いたんだろう。……どこの国から来たのかもしれねぇ奴に入り方を伝えるとはな。そろそろ手を切るべきだな」
「……」
「まあ、あんたには関係ねぇ話だ。用件済ませてさっさと帰れ」

　階段を下りたところで、道が開けた。そこは小さな酒場のように見えた。
　手前の方で見知らぬ女ども話していた男が、リオネルの存在に気づいて眉間を潜めた。酒が入った木のマグを手に、その場を離れようとする。

「コンラート」

　伝えていない筈の名を呼ばれて、コンラートは立ち止まった。傍に居た女どもに耳打ちしてこの場を離れさせた後、諦めた顔でリオネルを見上げる。

「金は返さねぇぞ」
「返さなくていい」

　迷うことなく答えた。

「先の、ランドルフのことを追及しに来た訳でもない。その代わり、違うことを確認しに来た。特にどこかに調べに行く必要もない、取り留めのない事だ」
「取り留めのないことを、わざわざここまで追っかけて聞きにくるなんてなァ。もし入り方を間違えたら、『門番』に叩き潰されるってのによ」

『門番』とはおそらく、応答をした大男のことだろう。本当の実力はさておきリオネルの見た目は騎士に近く、そんなリオネルのことを叩き潰すと言えるのだから 『門番』も相当の手練れなのかもしれない。

「オマエにとって重要なものが、他の誰かにとっては重要なこともあろうだろう？ オレがオマエに渡したガラスの貨幣のように」
「ふん。……要求次第じゃあ金を取る」
「赤い竜の夢を見たことはあるか？」

　コンラートは袖からナイフを出してリオネルに付きつけた。防ぐことも出来たが、リオネルは動かなかった。命を奪う用途で向けられたものではないと分かったから。

「……テメェ、あの赤い蜥蜴の手先か？」
「違う。オレは透明の竜の領土から来た者だ」
「透明な竜なんて聞いたことないね」

　この国の一般庶民の間では サンドリヨン竜国のことは知られていないし、調和竜の存在すら把握できていない。初代『不幸喰らいの英雄』の話が上手く伝わらなかった原因のひとつが垣間見える。

「しかしまぁ、今はそういうことにしてやる。テメェがこの国の人間じゃねぇのは目の色を見れば分かるし、何かの竜の手先だったら これを訊きたがるのも分からなくもない」

　この国は、リオネルの国ほど 竜の信仰が深く伝わっていない。とはいえ『神力』を持っている人間であれば、調和竜から賜った者を除いて全員が神託を体験している。『神力』を賜る時に必ず、神託による対話が行われる。つまりは神託についての共通認識を、必ず持っている。
　とはいえ、警戒させてしまったか ナイフは今もリオネルの顔に向けられたままだ。
　リオネルは恐怖を押し殺して、尋ねる。

「夢で何を言われた？ ……オレはそれを聞きに来た」
「……ふん。『銀の竜の頭が可笑しくなっちまった。このままだと、銀の竜が滅ぼしに来る。もう焼き払われた場所もある。今はイェルデだけだがこのまま止められなければ、銀の竜は他の国も滅ぼす』……大体そういった内容だ。馬鹿馬鹿しい」

　内容そのものは極めて単純であり、しかし同時に知識が無くとも分かりやすい。
　―― やっぱり、赤い竜は銀の竜を止めるために動いているんじゃないか。
　そう確信したからこそ、リオネルは次の言葉を伝える。

「そこまで赤い竜から聞かされているなら、オマエも手伝ってくれないか」
「はぁ？」
「オレはこの国の災厄を止めるために来た。それを、手伝って欲しい」

　コンラートはしばらくリオネルを見上げていたが、やがてナイフをしまった。もう片方の手で持っていたマグの中身を呷る。それが空になった直後、リオネルに向かって投げつける。
　リオネルはそれを片手で弾き飛ばした。

「ハッ。テメェ本格的に宝石箱みてぇな頭してやがる。この国が滅んで、いつか他の国も滅ぼす。そうすりゃいずれ他の国も何もかも全部おしまいだろうさ。それが何だ？？？」
「……テメェ、」

　理解が出来ない。世界が終われば、自分の身も危うくなるというのに。それが分からない訳でなければ、何故。

「そんなもん、今までと何も変わらねぇよ」

　リオネルの表情を見て、伝わっていないことに気付いたか。コンラートは言葉を続けた。

「異邦人のテメェでも、見れば分かるだろ。この国はとっくに終わってんだ。誰がいつ死んでも可笑しくない。人間に殺されようが、銀の竜に殺されようが、死ぬことには変わらねぇ。だから、やりたいように生きてんだ」

　言われてようやく分かった、―― 銀の竜を止めなくても、どうせ死ぬ。
　彼はそう考えている。

「……判った」

　災厄以前の問題であれば、自分に出来ることはない。授かった力で過去を『喰らう』ことは ―― 良くないことだ。

「オマエ含む、ここの連中がオレの邪魔をしない限り……この場所やオマエらのこと、誰かに言ったりはしない」
「ふん。用が済んだなら帰れ」

　リオネルの背に、コンラートは吐き捨てた。そのまま、最初と同じように適当な女と語り出す。
　―― 何となく、『黒』と似ている奴だったな。
　別人であることも分かっている。行動理念も全く違う。それでも『似ている』と感じた。その理由が、分からなかった。








　協力者が誰一人見つからないまま、『不幸喰らいの英雄』は他の街を行く。
　『不幸喰らいの英雄』が離れた後、街は銀竜の手で全て破壊された。

　『不幸喰らいの英雄』が人々を護れなかったと気づくのは、もっと先の話。

ENo.19 翠眼の蛇 とのやりとり


ENo.388 ユイノ とのやりとり

ItemNo.28 エナジー棒 を食べました！
　体調が 0 回復！（30⇒30）
　今回の全戦闘において 活力10 防御10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

守護者の姿が消え去った――

　

　

六角形の柱から天に向け、赤色の光柱が立つ。

どうやら次元タクシーで行けるようになったようだ。

シエ(11) に 700 PS 送付しました。

すごい石材（400 PS）を購入しました。

変化LV を 10 DOWN。（LV35⇒25、+10CP、-10FP）
百薬LV を 20 DOWN。（LV20⇒0、+20CP、-20FP）

解析LV を 35 UP！（LV0⇒35、-35CP）
防具LV を 5 UP！（LV90⇒95、-5CP）

カゲ(1619) により ItemNo.17 紅小石 に ItemNo.20 翠小石 を合成してもらい、魔力溢れる青い塊 に変化させました！
　⇒ 魔力溢れる青い塊／素材：強さ25／［武器］回復20(LV30)［防具］充填20(LV40)［装飾］列撃20(LV40)

ちわわ(180) により ItemNo.17 魔力溢れる青い塊 から射程3の戦盾『竜守の大盾』を作製してもらいました！
　⇒ 竜守の大盾／戦盾：強さ136／［効果1］回復20 ［効果2］－ ［効果3］魔力33【射程3】

ムリさん(760) とカードを交換しました！

呪符:背中に張り付く死 （フォレストオファリング）


アルスマグナ を研究しました！（深度0⇒1）
フィアスファング を研究しました！（深度0⇒1）
エネルジコ を研究しました！（深度0⇒1）

プリディクション を習得！
フィジカルブースター を習得！
パワーブースター を習得！
ファゾム を習得！
ブロック を習得！
フェイタルポイント を習得！
マインドリカバー を習得！
リストア を習得！
リンクブレイク を習得！
応酬 を習得！
アーマメント を習得！
アブソリュート を習得！
ウィークサーチ を習得！
ブレイクスルー を習得！
機知奇策 を習得！
ローエレメンツ を習得！
コンシアンス を習得！
ジェネラル を習得！
ウィンクルム を習得！
アスティオン を習得！
心機掌握 を習得！
マーシャルアーツ を習得！
エンチャントアーマー を習得！
ライブラリ を習得！
乱離骨灰 を習得！
レインフォース を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

シエ(11) は 栄養ドリンク+1 を入手！
シエ(11) は ボルト を入手！
シエ(11) は 海藻+1 を入手！
不幸喰らい(546) は 海藻 を入手！

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - シエ(11) の選択は チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》

MISSION!!
ミナト区 G-8：チェックポイント《珈琲店》 を選択！
　　 - シエ(11) の選択は ミナト区 G-8：チェックポイント《珈琲店》

［842 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［448 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［201 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［400 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［325 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［240 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［174 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［96 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［142 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［131 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［251 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［32 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［110 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［62 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［72 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［55 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［27 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［46 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［23 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




　




　








　






着物の裾を上げ、脚を見せる。

表面がドロドロし、変色している。

　








ふたりの全身をじーっと観察するカグハ。






ふたりの裾を戻すエディアン。

　

　

　






　

　

　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！