［基本］OK.　［戦闘］OK.　［スキル］OK.　

俺は道徳の教科書が嫌いだ。
お前は悪い奴だと本に言われてるみたいで気分が悪い。





道徳の教科書には、人の体や心を傷つけるなって書いてある。
どうして俺がそれを守るんだろう。
みんな俺の悪口を言う。
母さんが"シュウキョウ"に通ってるからって俺を悪く言う。ジロジロと見てヒソヒソと何か喋ってる。
口でやめろと言った。誰も聞かなかった。
手を出した。誰も効かなかった。
効かなかったし、俺を見る目も悪口ももっと悪くなったけど、俺は我慢できなかった。
教科書はそんな俺を悪く言う。
俺は道徳の教科書が嫌いだ。





道徳の教科書には、家に帰ったら「ただいま」って挨拶しろって書いてある。
どうしてそんな事をしなきゃいけないんだろう。
俺は誰に「ただいま」を言うんだろう。
その「ただいま」は誰のためなんだろう。
俺が帰ってきて嬉しい人なんていないのに。
例えば道端の犬のフンとか、触るとかぶれる毛虫とか、母さんが俺を見る目は、そう言うのを見るのと同じだ。もっと嫌な感じがするかもしれない。
嫌いというより怖いんだ、いて欲しくないんだ。目がそう言ってる。
今日みたいに喧嘩なんかしてきて傷をつくった日には、その目はもっと冷たくて鋭くなる。包丁でも向けて来ないようにするみたいな目を向ける。
その目が嫌で、胸にささって息をするのも苦しくて、俺はもっと喧嘩を我慢できなくなる。
そしてまた冷たくて鋭い目を向ける。また包丁の目が俺に刺さる。
だから俺はちょっと具合が悪くても学校に行く。
行きたくないけど、いてほしくないんだから仕方ない。
そして行ったら帰らなきゃいけないから、家に帰る。
帰りたくないし、帰ってきてほしくないのに帰る。
だから「ただいま」なんて言っても仕方ないから言わないのに。
教科書はそんな俺を悪く言う。
俺は道徳の教科書が嫌いだ。



まだまだうんざりするほど元気いっぱいで、暑くて仕方ない夕焼けに照らされた帰り道ことだった。
帰りたくないけどどこにも居るところなんてないから、仕方なく重たい足で、下を向いてアスファルトを眺めながら歩いていると。

ばうっと、吠える声。

顔を上げる。
目の前には柴犬が居た。
柴犬だけが居て、飼い主がいなかった。
ついでに首輪もない。
──野良犬だ。

野良犬は閉じた口を剥いて尖った歯を見せつけながら、口の中でぐるぐると声を鳴らす。俺を嫌ってるみたいだ。
俺はただその犬が怖くて、そこから一歩も動けずにいた。

ばう！
犬がもう一度吠える。
合わせて、俺の膝がふらりと揺れた。
怖い、すごく怖い、堪らなく怖い。
あの歯で噛まれたらどれだけ痛いだろう。
いや、痛いだけじゃない、確か野良犬に噛まれるとキョウケンビョウって奴になって死んじゃうんだ。
俺は死んじゃうかもしれないんだ、今。

不幸だ、不幸すぎる。
俺はやけっぱちな気持ちになった。
どうしてこんなのと会っちゃうんだ。
どうしてホケンジョとか言うところにいないんだ。













やけっぱちな気持ちが、急に色と熱を変えて、全部が怒りになる。
腹が立って仕方ない。
ああ、そうだ。
なんで俺がこんな目にあうんだ。
俺は何もしてないのにみんなに嫌われて、母さんにも嫌われて、それが嫌で我慢できなくなって怒ればもっと嫌われて。
なのに、犬まで、たまたま会っただけの犬なんかまで俺を嫌って吠えている。

俺は犬と目を合わせたまま、四歩くらい下がった。
そして、俺は足の近くに落ちてた大きな石を両手で抱えて持ち上げた。
下ばかり見て歩いていたから気がつけたんだ。

石を抱えたまま、犬の方へとゆっくり歩く。

犬がお前が嫌いだと鳴いた。クラスの奴らみたいに鳴いた。
犬がお前が嫌いだと睨む。母さんみたいな目で睨む。





許せない。

許せない、許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない。

許せないでいっぱいになった頭で歩いて、気がつけば犬は足下の位置に。
犬が飛びかかる。
俺はそれを




殴った。

殴って、殴って、殴って。
殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って。





殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って
──────────気がついた。

犬は、子供の俺よりも低くて小さくて。
いくら吠えても殴りやすい。
いくら牙をむいても、それでも殴りやすい。


殴りやすいから、殴って、殴る。
それは。





───とても、楽しくて。

殴って、殴って殴って、殴って殴って殴って。
殴って殴って殴って殴って殴って殴って嬉しい殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って楽しい殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って楽しい殴って殴って嬉しい殴って殴って心地好い殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って楽しい殴って殴って殴って殴って嬉しい殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って─────




















気がつけば、犬は死んでた。

「───え？」

僕はぼうっとしていた。
今の気持ちが理解できなくて。

わかるんだ、誤魔化せないんだ。
今だってそうなんだから。

俺は、犬を殴って、楽しかった。
こんな悪い事が、堪らなく楽しくて嬉しくて心地好かった。


「───は、ははは……。」

そしてわかったんだ。母さんの目、母さんの言葉。

『お前にはよくないものがついている。』

そうか、そうなんだ。
人に手足があるみたいに、犬猫にしっぽがあるみたいに。
俺にはよくないものが付いてるんだ。



俺は、よくないものなんだ。

ENo.202 黒須御日 とのやりとり

でっさん(1340) から 不思議な粉+2 を手渡しされました。

でっさん(1340) から 不思議な粉+1 を受け取りました。

響鳴LV を 5 DOWN。（LV20⇒15、+5CP、-5FP）

百薬LV を 10 UP！（LV15⇒25、-10CP）
料理LV を 5 UP！（LV25⇒30、-5CP）

インフェクシャスキュア を習得！
ドラスティックレメディ を習得！
ヴェノムスパウト を習得！
ディビジョン を習得！
美酒佳肴 を習得！
コンテイジョン を習得！
グレイブシンプトム を習得！
ガオケレナ を習得！
ドリンカー を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

「蛇」(929) は 曹灰長石 を入手！
でっさん(1340) は 岩塩 を入手！
「蛇」(929) は 不思議な粉 を入手！
「蛇」(929) は 不思議な粉+3 を入手！

でっさん(1340) に移動を委ねました。

チナミ区 C-17（山岳）に移動！（体調25⇒24）
チナミ区 D-17（山岳）に移動！（体調24⇒23）
チナミ区 E-17（山岳）に移動！（体調23⇒22）
チナミ区 D-17（山岳）に移動！（体調22⇒21）
チナミ区 B-4（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

［860 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［443 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［193 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［400 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［320 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［225 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［161 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［91 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［144 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［129 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［221 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［28 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［92 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［58 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［64 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［51 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［23 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［14 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




久しぶりにチャット画面に映るふたり。

　





引きつったような表情。

　







　





　





　

　

　

　




　

　

　

不自然にチャットが閉じられる――