［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

星々は都会の喧騒により闇に飲まれ、
大きく丸い満月だけが天頂より地を照らす。
しかし、光ある所に闇はあり、
月の淡く柔らかな光では心元なく、
すべてを照らし尽くせるものではない。
しかし、
月は照らしだす。
月の光に照らされた輝かんばかりの銀の長き髪が、
漆黒のマントと共に風に揺れてたなびく姿を。
そして、月の光よりも妖しく輝く紅の瞳を。
「……今日も平和だな。
　何事もないようで何よりだ。」
――彼女の名前は映美莉。
今日もまた夜の街のパトロールをしながら、
ビルの上で地を眺めている。
パトロールをしながらといっても、
もうパトロールを終えて帰るところではあるのだが。
そして、その呟きは、
平穏でよかったという気持ちが半分、
退屈だという気持ちで半分占められていた。
平穏なのはいいことだ。
そして得難く、
それが崩れ去ったときにこそ、
その大切さに気付くもの。
だからそれが崩されないのは一番だ。
されど、
それは同時に退屈であるということでもある。
変化がない。
いつも通り代わり映えしないというのは刺激が足りない。
それは面白味が薄いという事に等しい。
そして、面白味があるほどの刺激があるとき、
えてして平穏は崩れ去る事が多い。
なぜならば、それは常たりえないことなのだから。
例外をあげるとすれば、
平穏の中でも刺激、面白味を感じれる人だろうか。
残念ながらこの映美莉という人物にとっては、
それがわかるには年月が足りない。
まだ年若き乙女なのだから仕方ないことだろう。
「……いや、贅沢というものかな？」
しかし、映美莉は知っている。
それが両立することの難しさくらいは。
もう何度こぼしたかもわからない呟きは静寂の夜空へと消えてゆく。
今日は特に何もなかったのだ、
こうして独り言ちていても仕方ないかと、
薄く笑って首をふった所で――

――クゥ……

静寂を切り裂くかの如く、
小さな音がやけに大きく響いた。
どうもお腹が空いたらしく、
映美莉のお腹が空腹を訴えかけたようだ。
とはいえ、
別に晩御飯を食べてないだとか、
控えたとかした覚えはなく、
今日は平穏だったのだ。
激しく動いたという記憶もない。
ならば、この空腹はなんだというのだろう。
少なくとも……映美莉に思い当たる節はないが、
別段初めてというわけではない。
時にはそんなこともあるだろう。
と気にした風もなく、
夜食にかったパンを取り出し食べることにした。
パンを食べると柔らかく、
そして中には粒粒の入った心地よい触感が心地よい。
そして、甘い味わいが口の中いっぱいに広がる。
――粒あんパンである。
とりあえず、軽く食べてしまえばこういう時はお腹は落ち着く。
本来、こんな時間に食べるのは非常によろしくないことではあるが、
まぁ、映美莉に限っていえば気にする必要がない。
さて、おいしいパンも食べて、
お腹も満たしたことだし、
今度こそ帰ろう、
そう映美莉が思った矢先のことだった。

――クゥ…………

再びお腹の音が鳴った。
心なしか先ほどよりも大きかったような気がする。
――明らかに変だ、映美莉はそう感じ、
何かの攻撃を受けているのかとも考えたが、
変わった様子はやはり周囲にはなく、
そもそも、妙にも程がある。
「……一体どういうことだ？」
首をかしげる映美莉。
それも仕方ないことだろう。
さすがに何かを食べても空腹が収まらないのは初めてだ。
だが、それ以上に初めてでおかしいのは、
食べる前よりもお腹が空いている。
その一点だろう。
そして、何もせずともその空腹は今も増してきている。
徐々に。
だが確実に。
「馬鹿な……」
ありえない。
ありえないが、どんどんとお腹が空いてくる。
何か食べねばならない、
しかし、何を食べる？
先ほどパンを食べたというのに空腹が膨れ上がっているのだ。
他の物を食べたからといって効果が見込めるかというと怪しい。
可能性があるとすれば……
肉……それも真っ赤で血が滴るような――
否、そんなものより、
直接真っ赤なそれを飲み干したい。
白い柔肌に歯を――
そこまでそうぞうした所で、
映美莉は思わずはっとした様子で口をおさえる。
今、自分は何を想像した。
想像してはならないことを想像しなかったか？
映美莉の異能は吸血鬼である。
故に血を吸う、
血を吸う事でエネルギーを得るという事は可能だが、
別に吸わなくても問題がない。
緊急的なエネルギー補給手段でしか基本ない。
故に普段なら吸血衝動というものはないし、
あったとしても微弱なものだ。
そして、そこまでの衝動に襲われるのは……
「――戦闘などで激しく消耗した後……
　だが――
　それはあり得ない……
　どういうことだ……？」
何事もなかったのに戦闘など起きてはいないし、
それほどの消耗をするような行動をとった覚えもない。
能力を酷使したとしても、
そこに至るのは難しいだろう。
それなのに――
空腹――飢餓感はどんどんと増していく。
それは強烈な吸血衝動となって映美莉に襲い掛かる。
今はまだ耐えられる。
もうしばしの間は大丈夫だろうが、
これ以上――どこまで膨れ上がるかわからないと、
ずっと耐えきれるとは限らない。
で、あればどうすればいい？
一番シンプルな答えは吸血衝動を満たしてしまえばいい。
それをするためには血を吸う必要があるのだが……
「……ま、これも緊急、やむを得ないか。」
常に持ち歩いている輸血パックで済ますことにした。
あまりこういうのに慣れるのもよくないだとか、
ぶっちゃけ緊急の時のエネルギー補給にはいいが、
普通に食事のほうがおいしいので、
こういう食事の為に使うものではないが、
それでも、血を取り込むというのは吸血衝動を満たしてくれる。
これならば飢餓もおさえられ、
危機を脱することができるというわけだ。
正直、やむを得ないというほどの事ではないのだが、
――映美莉の気分の問題である。
ともあれ、すぐさま輸血パックから血を摂取する。
すぐさま満たされ、
安らいでいく空腹感。
吸血衝動もどうやら収まった。
そう思った矢先のことだった。

――足りない……

脳裏に小さな声が響く。
それは間違いなく声は出していないが、
自分の声だとわかる。
内側から響く自分の声に、
ドクン、と心臓の音が跳ねる。
揺れる体。
血を摂取した時よりも膨れ上がる空腹……飢餓感。
吸血衝動は酷くなり、
血をむさぼり、吸い上げたくなってくる。
(……ダメだ！)
誘惑に負けてはいけない。
そう自分を叱咤激励する。
しかし――

――何を我慢することがある？
欲望のままに血をすすり喰らえばいいではないか。
それだけの力もあるし、
どうとでもできるだろう？
私なら？

心の弱さに漬け込むように、
心の声は脳裏に響く。
甘く、蠱惑的に。
どうして我慢する必要がある？
楽になってもいいではないかというように。
まるで己の弱さを知っているかの如く、
己の弱さに漬け込むがごとく、
映美莉の心を惑わせる声。
当然といえば当然だろう。
それは紛れもなく映美莉自身の中から発せられたもの、
弱い自分というよりも寧ろ、
吸血鬼としての自分の欲求そのもであるだろうから。
だからこそ、
それに従わせるように、
誘導するように声は容赦のない言葉を投げつけてくるのは当然だ。
(だからといって……
その声に負けるわけにもいかん。
一体何が起きている……！？)
しかし、どうしてこうなったのか、
さっぱりわからない。
何か切っ掛けでもない限り起きえない事態。
しかし、その切っ掛けがないのだからさもありなんである。1
映美莉にできることはただ一つ。
それに耐えるしかない。
耐えるのが難しいと思っていても、
それ以外できることはない。
声に反論しても無駄だ。
そう、思っている自分がいるのもまた確か。
それに気を取られる方がまずい、そう、映美莉は感じているからだ。
故に無視するしかない。
「……急いで家に帰るか。」
とりあえず、
今一番まずいことを考える。それは、
今視界に人の姿をとらえること。
そして、何をなすべきかを考えると、
それは寝てしまう事だろう。
そうと決まれば話は早いと移動を始めたその矢先――

――映美莉の視界に入るのは、
一人の女性。
白磁のように白い首筋。
間違いなく清らかな乙女であろうその女性からは、
その素晴らしき血の香りが漂ってくるかのよう。

極上の餌、極上の贄。
ここまでお膳立てされて、
何を我慢することがある？
もう空腹を耐えるのは限界だろう？
吸血の衝動を抑えるのは苦痛だろう？
ああ、きっとこれは運命に違いない。
今ここで――
己の欲望に従って、
極上の贄の血をすすれ。
喰らえ。
これは運命なのだ――

映美莉の脳裏に声が響く、
映美莉は必死になってそれを否定し、
反抗しようとするが……
思考に霞がかかってゆく。
体が思うように動かない。
それどころか、映美莉の意に反して、
見つけた女性の方へと歩みが進んでいく。
(ダメだ……)
それでも尚抗おうとするが、
どんどんと意識が闇へと落ちていき、
体はどんどん己に反して女性へと手を伸ばし、
その首筋に牙を突き立てんとした所で――
映美莉は意識を完全に失った。

「うわぁっ！」
思わずベッドから跳ね起きる映美莉。
全身汗でぐっしょりとぬれている。
鼓動がバクバクと鳴っている。
夢だったのだろうか？
それにしては、妙にリアルな夢だった。
しかも嫌な夢である。
故に、起きてとりあえずする事は――
何か変わったことのないかの確認と記憶の糸をたどる事。
しかし、それはすぐに終わる。
特に何も問題はないというか、
記憶の糸をたどっても、
昨日は何事もなく寝た記憶しかないし、
顔や服に血がこびりついているということもない。
忘れている等の可能性は否定できないが……
「嫌な夢だった……という事でいいのだろうな……」
そうとしか思えない。
どうしてこんな夢を……？

ItemNo.35 エナジー棒 を食べました！
　体調が 0 回復！（30⇒30）
　今回の全戦闘において 活力10 防御10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

めぐる(142) に 80 PS 送付しました。
志騎(288) に 50 PS 送付しました。

使役LV を 1 DOWN。（LV30⇒29、+1CP、-1FP）

響鳴LV を 6 UP！（LV24⇒30、-6CP）
付加LV を 5 UP！（LV74⇒79、-5CP）

めぐる(142) により ItemNo.29 柿 から薬箱『薬を入れ忘れた薬箱』を作製してもらいました！
　⇒ 薬を入れ忘れた薬箱／薬箱：強さ190／［効果1］活力30 ［効果2］－ ［効果3］－

志騎(288) により ItemNo.8 月長石 から重鎧『宵闇のマント』を作製してもらいました！
　⇒ 宵闇のマント／重鎧：強さ190／［効果1］耐霊20 ［効果2］－ ［効果3］－

ItemNo.8 宵闇のマント に ItemNo.42 すごい石材 を付加しました！
　⇒ 宵闇のマント／重鎧：強さ190／［効果1］耐霊20 ［効果2］防御20 ［効果3］－

ItemNo.29 薬を入れ忘れた薬箱 に ItemNo.30 タイヤ片 を付加しました！
　⇒ 薬を入れ忘れた薬箱／薬箱：強さ190／［効果1］活力30 ［効果2］気合15 ［効果3］－

ItemNo.24 毒刀鍍金 に ItemNo.14 コベリン を付加しました！
　⇒ 毒刀鍍金／呪器：強さ689／［効果1］猛毒30 ［効果2］恐撃25 ［効果3］自滅19【射程2】


一深(35) とカードを交換しました！

無壊と不等号 （フォレストオファリング）


ギャンブリングハウス を研究しました！（深度0⇒1）
ギャンブリングハウス を研究しました！（深度1⇒2）
ギャンブリングハウス を研究しました！（深度2⇒3）

サイケデリア を習得！
催眠術 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

兎乃(223) に移動を委ねました。

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『マガサ区 K-8：チェックポイント《駅舎》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - 兎乃(223) の選択は マガサ区 K-8：チェックポイント《駅舎》

MISSION!!
マガサ区 S-16：ヨシバラ を選択！
　　 - 兎乃(223) の選択は マガサ区 S-16：ヨシバラ

［861 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［444 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［193 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［397 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［305 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［216 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［156 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［79 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［134 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［128 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［182 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［28 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［48 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［22 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［49 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［0 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




　

　

　

　

　

　




　






　

　

　

　

　

　







　

　

　

チャットが閉じられる――

ネオン輝く歓楽街、ヨシバラ。

　

何故だかネオンの代わりに

たくさんの提灯が街を照らしている。

　

どんちゃん、どんちゃん･･･

どこからか、太鼓や三味線の音色も聴こえる。

　

　

　

そんな街を多くの男女が歩いている。

みな黒い着物に身を包み、顔には黒い狐面――

　

　




　

　



瓦屋根の上、声の主と思われるひょっとこがこちらを見ている。

　

　




　

その声に反応するかのように、道行く狐面が襲い掛かる！