［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

SIDE:HAZAMA

男が一人、歩いていた。
くたびれた亜麻色のコートを揺らしながら、ざりざりと地面を踏みしめて進む。

荒廃しきった狭間の街並み。
似たような風景の間を進んでいけば、コンクリート造りのビルが現れる。
8階建てほどだったであろうビルは、外壁が崩れ落ちるなどして半分程度の高さになってしまっていた。
それでも周囲よりは幾分か破損が少ない。

瓦礫で塞がった入り口ではなく、建物の横に回り込んで一階の窓枠を飛び越えて侵入する。
室内に降り立てば、床に散乱したガラスを踏み砕く音がぱきぱきと響いた。
什器類が殆ど見当たらない空きビルの中を迷いなく歩き進めば、奥の小部屋に着く。

中を覗くとソファでうずくまって寝息を立てる女性が一人。
男が羽織っているものと似た亜麻色のコートを着込んでいる。
所々についた切り傷や滲んだ血が傍目には痛々しいが、男は動揺した様子もなくずかずか近寄って声を掛けた。

「おい、起きろちび助。いつまでも寝てんじゃねえ」

「…………。ちびじゃないです」

呼びかけられた本人は大層不機嫌な低い声音で応答する。

「おお、怖ぇ。そんなんじゃあ子どもが逃げてくぜ。
　いつもはうんざりするくらい笑顔じゃねーか」

対して、男の方は愉快そうに笑うばかりだった。
近場にあった事務椅子をからから引きずってソファの向かいに置き、どかりと座った。
女はそれを半開きのじとりとした目つきでねめつけて、のそりと身体を起こす。

「機嫌直せよ。やっとお前の姉ちゃん見つけて会ってきたんだぜ。
　にしても、昔からそうだったけどよ、そっくりだなぁ……。
　ああ、今はそんな話どころじゃあねぇな」

懐かしむような遠い眼差し。
が、大きく息を吐くとその表情は真面目なものに変わる。

「それで、どうだったんですか」

「あー……駄目だったなあ。聞く耳なんざなかったよ」

がしがしと帽子の上から頭をかく。
あのまま話を続けていても、頑なに拒む姿勢は変わらなかっただろうと。

「お前はヒズミに会ってよぉ、どうすんだ。話してわかるたぁ俺は思わねえぞ」

「姉妹の問題だって言ったのは叔父さんなのに」

「……そりゃあ、そうだが」

決まり悪く目線を横に逸らした。

「じゃあ、なんだ。お前には何か解決するような算段があるってわけか」

「私は、私がやりたいことをするだけだから。結果は姉さん次第ですけどね」

「なんだぁ、そりゃ。随分適当じゃねーかよ」

そんなことを言いながらポケットをまさぐって煙草を取り出そうとして、また戻す。
行き場をなくした手は帽子を無造作になおして落ち着いた。

「……姉さんは、判りたくないだけなんだ。
　叔父さんだって、そう思ってるでしょう？」

赤い瞳が、じっと見つめる。

「昔から、ずっとそう。
　自分の行動が招く結果や評価を、あの人が理解できていないわけがない。
　だってずっとずっと、誰かの期待に応えて生きていたんだから。
　…………父さんとかね。」

最後の言葉は忌々しい、とでも言いたげな響きだった。
『母さん』と言わなかったのは、多少なりとも叔父への気遣いがあったからなのだろうか。

「他人の想いを汲み取って、他人の期待通りのことをして、それで変わらず笑ってる。
　絵に描いたような優等生だった。
　向こうの私もそれを真似して生きてるけど、想像するだけでとっても窮屈でしょ？
　あんなのは、自分を殺すだけですよ」

自嘲するような笑み。

「……人のふり見て、ってか？　ああ、全く笑えねぇや。
　そんで、自分なんてないようなあいつが、初めて見せた欲だって。そういうことかよ」

帽子のつばを引き下げ、目深に被る。その表情は窺えない。

「そう。だから、本当は少し嬉しいんです。
　姉さんは、何を棄てても私を助けたかったんだって。
　昔に掛けてくれたあの言葉は、愛情は、薄っぺらな上辺だけのものじゃなかった」

姉にとって妹の命は、世界よりも価値のあるものだった。

「───でも、うん。それだけ」

唐突に笑みを消して、ひとつ頷く。

「世界より価値があるのは、姉さんにとってだけなんですよ。
　私は、自分の存在を世界と比べようとは思わない」

「……。つくづくお前らは、」

「面倒くさい姉妹だなって思いますよ、自分でも。」

また呆れるような笑みをこぼした。
幾らか姿勢を直すと、本題だとばかりに話を切り出す。

「それはさておいて、場所の見当は？一箇所に留まるとも思えませんけど」

「俺の話も大事だったろうがよ……ったく。
　あー、俺が会ったときはリュウジン湖の近くだった。
　他のやつらにも調べてもらっていくつか候補は出してる。
　おい、手帳出せ」

催促するとボールペンで簡単な地図と印を書き入れていく。
筆圧の強い軌跡で地図が形作られていくのを目で追う。
他のやつら、という言葉が引っ掛かった。

「……協力してくれる人がいるんですか」

「一条と、七瀬んとこの嬢ちゃんだよ。……あと四葉な」

最後の人物の名前を聞くなり「ああ……」と心底嫌な顔をしたが、合点がいったという風に頷く。

「お前さんは会いたくもないだろうが、今回は感謝くらいはしとけ」

書き込み終わると、苦笑いで手帳を差し出す。
相変わらず苦虫を噛み潰したような表情だったが、素直にそれを受け取った。

「どうも。」

それから、ひどく億劫そうに立ち上がる。
『痛み』はなくとも、身体的なダメージは存在している。
疲労も着実に蓄積されているのだろう。
上がりきらない靴の底がコンクリートの床をざり、と擦る音が響いた。

「……おう、もう行くのか」

帽子を少しばかり上げて、立ち去ろうとする背へ視線を投げた。
問いかけられれば入り口の枠に手をついて、立ち止まる。
振り返ることはなかった。

「皆を待たせてますし、ここにいても怪我は治してもらえないので？
　……ああ、考えないようにしてたのに。
　お別れしなきゃいけない人が他にもいるの、思い出しちゃった」

かくり、と肩を落としてうなだれる。その様子を琥珀色の瞳が見ていた。

「......そーかい。俺にはお前のことはわからねぇしよ、
　色々抱えてるもんがあるんだろうが……後悔だけはするんじゃねえぞ」

「わかってるよ。何度も聞かされましたから。
　私は、自分が納得できるように動いてる。元からそのつもりです。
　…………また何かあったら、会いに来ます」

そう告げると、今度こそ部屋を後にした。

ENo.624 キャロ とのやりとり


ENo.658 天弖 とのやりとり


ENo.692 こはり とのやりとり


ENo.1288 裏葉 とのやりとり


ENo.1364 絶えず流るる泡沫 とのやりとり


ENo.1530 エリカ とのやりとり

ItemNo.5 ナックルダスター を破棄しました。

ItemNo.30 エナジー棒 を食べました！
　体調が 1 回復！（25⇒26）
　今回の全戦闘において 活力10 防御10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

セシリア(326) に ItemNo.9 鱗+1 を送付しました。

魔術LV を 5 DOWN。（LV25⇒20、+5CP、-5FP）

武術LV を 5 UP！（LV15⇒20、-5CP）
百薬LV を 5 UP！（LV25⇒30、-5CP）
料理LV を 5 UP！（LV35⇒40、-5CP）

セシリア(326) により ItemNo.2 公孫樹 から防具『茜色の薔薇』を作製してもらいました！
　⇒ 茜色の薔薇／防具：強さ327／［効果1］活力30 ［効果2］－ ［効果3］－

ItemNo.7 紅蓮のブレード に ItemNo.26 すごい石材 を付加しました！
　⇒ 紅蓮のブレード／武器：強さ381／［効果1］体力30 ［効果2］体力20 ［効果3］－【射程1】

ItemNo.2 茜色の薔薇 に ItemNo.4 生命の宝石 を付加しました！
　⇒ 茜色の薔薇／防具：強さ327／［効果1］活力30 ［効果2］活力30 ［効果3］－

こはり(692) の持つ ItemNo.7 鈴蘭のブローチ に ItemNo.42 不思議な粉+1 を付加しました！

ジェスタ(1527) とカードを交換しました！

ハリケーンキャノン （ガスト）


プレリュード を研究しました！（深度0⇒1）
プレリュード を研究しました！（深度1⇒2）
ムスケルクラフト を研究しました！（深度0⇒1）

ハードブレイク を習得！
スカーレットスキュア を習得！
精神力 を習得！
ドラスティックレメディ を習得！
四百四病 を習得！
応病与薬 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

シュリ(215) は 空木 を入手！
セシリア(326) は ふきのとう を入手！
キャロ(624) は 空木 を入手！
こはり(692) は 百日紅 を入手！
セシリア(326) は 爪 を入手！
こはり(692) は 毒液 を入手！
セシリア(326) は とげとげ を入手！
セシリア(326) は 蒲公英 を入手！
こはり(692) は 装甲 を入手！

▼エイド化候補（基本行動にてエイド化可能）
キャロ(624) のもとに とら が微笑を浮かべて近づいてきます。
キャロ(624) のもとに アルラウネ がものすごい勢いで駆け寄ってきます。
キャロ(624) のもとに かぶとむし がものすごい勢いで駆け寄ってきます。

コヌマ区 C-3（森林）に移動！（体調26⇒25）
コヌマ区 C-4（山岳）に移動！（体調25⇒24）
コヌマ区 C-5（草原）に移動！（体調24⇒23）
コヌマ区 C-6（草原）に移動！（体調23⇒22）
コヌマ区 C-7（山岳）に移動！（体調22⇒21）

［861 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［443 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［192 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［393 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［295 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［214 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［150 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［72 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［131 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［121 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［151 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［12 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［46 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［3 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　

　

　




　




　



　




　

　

　




　

　

　




　

　

　




　

　

　

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