［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

これは一つ目の昔話。

わたしが『私』として芽吹いたのは、その時だった。

──彼が、わたしの前で、死んだ時だ。



* ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊



穏やかな山間を、一人の男が歩んでいる。
その男はくたびれた袈裟を身にまとい、細い獣道を、枝葉を避けながら進んでいた。

この日訪れたのは、この山に人の近づけない場所があって、そこを何とか人が通れるようにしてほしい、という依頼からだった。
目印は赤い葉が目立つ、柳の巨木。
柳と言っても枝垂れ柳ではないらしい。背が高く、丸い葉をつけるそうだ。
そんな他の樹と見分けもつかないようなものを目印とされてもと文句は言ったが、その樹は若い葉だけが赤く染まる、不思議な樹なのだという。
とにかく見ればわかるだろうと言われ、歩くこと数刻。
それらしい大きな樹が、遠目からでも見て取れた。

「………」

それと同時に、確信する。
あそこには、何かが『居る』と。

息を吐き、背筋を伸ばし────シャン、と錫杖を鳴らす。


男は、妖祓いという生業をしていた。



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『……また人間か』

鈴のような音が響いて、閉じていた目を開く。

『しつこいな』

何度追い払ってもやってくることに、もううんざりしていた。

『そんなに俺がここにいることが目障りか』

だが、ここを気に入っているのだ。
どうせ誰も訪れない場所に居座って、何が悪いのだろう。


やれやれと、その獣は身体を持ち上げた。



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旋風が巻き起こる。

その獣は、風を操る妖怪だった。
しなやかで細長い身体は、目にも止まらぬ速さで木々の合間を駆け、こちらに風の刃を飛ばしてきた。
それを札で弾きながら、これまで死者が出なかったのは幸いだったな、と内心溜息をついた。

今までこの地に足を踏み入れたのは、力もないただの一般人だと聞いている。
大方、最初の威嚇で肌を切り裂かれ、派手に出血したことに驚いて逃げ帰ったのだろう。
かくいう男も、脛からひどく血が出ている。けれど、痛みはなかった。


────鎌鼬。


この赤く染まる柳の大樹に住み着いた獣の正体は、おそらくそれだろう。

痛みを与えず切りつけることができる妖怪。だがそれは、決して優しさなどではない。気づかないうちに死に至る可能性だってある、危険な力を持った妖異だ。
これまでに死者が出ていないのは、単に運がよかっただけだろう。
この獣はまだ本気ではない。弱い人間を適当にあしらっているだけだ。

だからこそ、本気を出される前に祓う。

肌を切り裂かんとする風をいなしながら、あちこちの木々に札を貼りつける。
すでに何十枚も貼った札で四方を囲めば、あの獣の動きを止められるだろう。

誘う、誘う、ある一点へ。
東西南北、封印の力を込めた札が、その中心に妖異の存在を感知した瞬間。

『──ッ？！』

獣はその場に縫い留められたように動きを止め、地に倒れ伏した。



* ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊



『………』

身動きが、とれない。
久しぶりに力のある存在と対峙して、はしゃぎすぎてしまったらしい。
まさかこんな罠を仕掛けているとは思いもしなかった。

「……よし、動けんな？」

シャン、と金属を打ち鳴らす人間を睨みながら、大地に爪を立てる。
動ければ切り裂いてやるのに。どちらか強いか証明してやるのに。

「お前は祓う。恨むな、この山もいずれ人の地となるのだ」

その人間が何を言っているのかは、どうでもよかった。
ただ、純粋な力比べをして、勝ちたかった。

睨み上げる獣に、男は一枚の札をかざす。
それから何事かを唱えると、身体の内に衝撃が走った。

『─ッ……』

生きながらにして、この身を焼かれるような痛み。
人間が、こんな力を持っているなんて。
今まで弱い存在だとばかり思っていたのに、それは思い込みだったのか。

「──、……」

『……っ…』

男が言葉を紡ぐと、今度は四肢に痛みが走る。
そうして、爪の先の感覚が薄れていく。
そのまま意識まで薄れそうになって、歯を食いしばった。

『（まさか、こんな形で敗けるとはな……）』

本気を出す前に動きを封じられるなんて、口惜しい。
……だがしかし、これは、人間を侮った己が悪い。油断した己の過ちだ。

少しずつ遠のいていく意識の中、けれどやはり悔しいと思いながら────意識は途切れた。



* ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊



「……頃合いか」

獣は力なく地に倒れ伏している。
今ならば、たやすく祓うことができるだろう。

札を持ち替え、錫杖を鳴らす。

「いざ────」

祓おう。そう構えた瞬間だった。



『──■■、■■■■……？』



「……っ…！？」

背筋を、その神経を直接爪で引っかかれたような、ひどい悪寒を感じた。

咄嗟に身を引いて辺りを伺うが、動くものは何もない。

「い、今のは一体──？」

突然感じた謎の威圧感に、ただ身体が震える。
どこからか、何か得体の知れないものがこちらを睨め付けている。そんな感覚だ。
膝が笑うのを抑えられないまま、男はその正体を探して視線だけを動かした。

地に倒れ伏す獣を見やる。小さく呼吸しているが、もう虫の息だ。これはこの獣からではない。
ならばどこからなのか──そのまま視線を上げ、ようやく気づく。
獣の背後にそびえ立つ巨木が、不気味に捩じれていることに。

「！？」

驚いて瞬きをすると、捩じれているように見えたはずの樹は捩じれてなどいない。
けれど、鮮やかな赤と緑が混じったそれは、どこか普通ではない歪さを感じさせた。

「何だ、まさかこれも樹木の妖の類か……？！」

ならばこれも祓わねばならない。ここにいる妖を排除し、山を人が行き来できるようにするのが今回の仕事だ。

まだ四方には多くの札が貼ってある。これならこの巨木にも干渉できるだろう。
念を込め、札に力を飛ばす。

──けれど、妖を縛る力を持つ札は、何の反応もしなかった。

「どういう、ことだ？」

依然悪寒は続いている。何かがいるのは間違いない。
しかし、こちらからは干渉できない。
これは、相手が効力の対象である『妖』ではないということだ。

妖ではなく、おそらく依り代はそこにある巨木で、こんなにも強大な力を持つもの。

それは────



「ま、さか……土着の神がおわすのか……？」



この土地の主。精霊、あるいは神。
森羅万象に宿る八百万の神が、そこに。

この悪寒は、怒りだ。大地の怒りを向けられて、身体が震えているのだ。
そして怒りの理由は、十中八九この妖異を傷つけたせいだろう。

「お、お返し、します……！」

もう手遅れかもしれない。だがこれ以上怒りを向けられたらどうなるかわからない。
慌てて封印の力を緩めた。
縛りから解かれた獣は、力なく頭を揺らし、そして地に沈んだ。

その動きに、一瞬こちらへ向けられた怒りが霧散する。そしてさわさわと、風もないのに葉が揺れた。

「──っ！」

悪寒が止んだ瞬間、男はすぐさまその場から逃げ出した。

おそらくあの獣は長くは持たない。すぐにでも事切れるかもしれない。
そうなれば、怒りの矛先はまた自分へと向けられるだろう。
去らねば。ここを去らねばならない。
そしてどうにかして、この土地から距離を取らなければ。
いつまでもこの領域にいたら、いつ怒りを、祟りを受けるかわからない。

「聞いていた、話と違う……！」

必死に走りながら、男は頭を抱えて嘆いた。


「『蘇芳柳の怪異』！　あんなものだとは聞いていないぞ！」


ただ、人が近づくと旋風を起こす獣のような妖怪だと聞いていた。
それが赤く染まる柳に住み着いたから、『蘇芳柳の怪異』と呼ばれている、と。

だが実際はそれだけではなく、それを遥かに上回る力の持ち主……土着の神が傍らにいた。
赤く紅く染まった、柳の樹。それこそが怪異だったのではないか？

あの呼び名は、一体どちらを指していたのだ……？


どちらにせよ、あれの怒りを受け止められる人間などいない。
自然に宿る神は荒々しい。祟り、呪い、容赦なく人を押し潰す。

「早く、早くここを離れなければ……！」

果たしてその男は、無事に山を抜けることができただろうか。



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ENo.36 泥被る造花 とのやりとり

ItemNo.20 焦げ魚(一尾) を食べました！
　体調が 1 回復！（25⇒26）
　今回の全戦闘において 活力15 敏捷15 強靭15 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

響鳴LV を 5 DOWN。（LV30⇒25、+5CP、-5FP）
防具LV を 5 DOWN。（LV9⇒4、+5CP、-5FP）

百薬LV を 10 UP！（LV15⇒25、-10CP）
合成LV を 10 UP！（LV30⇒40、-10CP）

ItemNo.2 エナジー棒 に ItemNo.25 海藻 を合成実験し、活力漲る滑々な赤い塊 に変化することが判明しました！
　⇒ 活力漲る滑々な赤い塊／素材：強さ25／［武器］獄炎15(LV30)［防具］反炎15(LV30)［装飾］火纏15(LV30)

ItemNo.4 エナジー棒 に ItemNo.11 不思議な布 を合成実験し、謎の肉 に変化することが判明しました！
　⇒ 謎の肉／食材：強さ20／［効果1］増幅10(LV5)［効果2］攻撃10(LV15)［効果3］強撃10(LV30)


ItemNo.21 藍青の薙刀 に ItemNo.28 すごい木材 を付加しました！
　⇒ 藍青の薙刀／呪器：強さ689／［効果1］恐撃25 ［効果2］攻撃20 ［効果3］自滅19【射程1】


ラヴィアルテ(435) とカードを交換しました！

束縛愛の鳥籠 （クリエイト：ワンダーランド）


クリエイト：ワンダーランド を研究しました！（深度0⇒1）
サモン：ジャイアントメカ を研究しました！（深度0⇒1）
ムスケルクラフト を研究しました！（深度0⇒1）

インフェクシャスキュア を習得！
ドラスティックレメディ を習得！
草根木皮 を習得！
アディクティブチューン を習得！
コンテイジョン を習得！
グレイブシンプトム を習得！
地特性回復 を習得！
サイケデリア を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

スオウ(1331) は 百日紅 を入手！
スオウ(1331) は ボルト を入手！

チナミ区 J-18（森林）に移動！（体調26⇒25）
チナミ区 J-19（森林）に移動！（体調25⇒24）
チナミ区 I-19（森林）に移動！（体調24⇒23）
チナミ区 H-19（沼地）に移動！（体調23⇒22）
チナミ区 B-4（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

『オオキタ区 N-9：チェックポイント《源泉》』へ採集に向かうことにしました！

MISSION!!
ヒノデ区 E-4：海鳥カフェ を選択！

［861 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［443 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［192 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［393 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［295 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［214 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［150 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［72 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［131 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［121 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［151 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［12 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［46 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［3 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　

　

　




　




　



　




　

　

　




　

　

　




　

　

　




　

　

　

チャットが閉じられる――

ヒノデ区、海鳥カフェ。

眺めの良い海辺･･･とは、ハザマではあまり言えないが、

お店自体はイバラシティでの様子とあまり変わらないように見える。

　

･････ある点を除いて。

　






　

一切の鳴き声をあげず、カフェの周囲を飛んでいる。

その目は既にこちらを捉えており、巨体が静かに近づいてくる･･･