
「頭が……痛い……」
風邪を引いたか。
あるいは一時的な疲れか。
こっちに来てから最初はこのようなことが起きないためにも気を張るのを止めていたが
最近の出来事で、一気に疲れが来てしまったか。
「くそっ、先に進まないと……」
――どうなんだろうか。
先に進んで、何があると言うのか。
誰が、先に進んで何があるといった?
少しぐらい怠けてもいいのではないか。
いや、もう止まってもいいかもしれない。
「―――」
瞼が視界を黒く塗りつぶしてくる。
最後に見えたのは、赤黒い地面と――。
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――それは始まりで
「『ここまで生きてきてくれて、ありがとう。
過去の君のおかげで、俺は君に出会えた』」
「『一緒に遊ぼう。一緒に食べよう。一緒にいよう。
そうして、一緒に生きる意味を探してみよう』」
――それが理由で
「勿論俺だけじゃない。
――だっている。
俺の知らない、――の友達もいる。
―― 一人じゃない」
――そうしてきっと、思った
「すぐじゃなくていいんだ。
一週間後……あ、いや。
一か月後……一年後?
一緒に住んでみないか?」
――正直な気持ちが嬉しかった
『…あの、――。
やきもち、やいてくれた?』
『…うん、だからね。
休憩時間中の私は――』
――ちょっと照れてるところが可愛かった
『洋風のホラーは平気なんだけど、和風は少し苦手かも。
…なので、手を繋いで行きませんか、――?』
――だけど大事なことを隠してしまうから
『私のことこのまま自由にさせておくなんて思えないし。
……いなくならないかどうかなんてわかんない、し』
『……ふふ、それも悪くないかも。
京介とならどこにいても幸せだと思うし』
――そんな君と
「――、俺は君のことが好きです。
もうそんなことはバレてるだろうし、今更だけど。
でも言葉にして伝えたいから、伝えます。
君のことが好きです。これからの将来を、一緒に居たいです」
――彼女が俺を見つけてくれたから
――彼女に会えたから
――だから、この先も
「ほうら、高い高い」
――きいたことのある声
「あー、あー」
「ぱぱー、わたしもー!」
――子供の声が響く
――元気で、力いっぱいな強さの声
「よしっ!二人同時だ!いくぞー!」
「あー!」
「キャー!!」
――望んだ世界
――きっとここにたどり着いて見せると、意気込んだ場所
――でも、もう……
『―――』
――、あ
「ははは、大丈夫だって!」
――、っあぁ
『もう、――』
「大丈夫、もう無理も無茶もしない。
あの時みたいなことはもう起こらないから。
だから、大丈夫。
これから先はどんな最後でも、ずっと傍にいるから。
なっ、――」
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「……っ、ゴホッ。
気持ち悪ぃ……」
口の中でジャリジャリした感覚を覚え、唾液を吐き捨てる。
どうやら少し気を失っていたらしい。
なんとも腑抜けた夢をみていた気がする。
「あー……あ、体が動く」
さっきまで頭痛と疲れでひどかった体も、なんとなく動くようになっている。
憑りついていた悪魔のささやきも聞こえなくなっている。
「………」
がしがしと頭を掻く。
少し、無駄なものが消えた気がする。
まだ纏まっていないけれど。
「………進もう」
立ち止まっている暇はない。
この先に何があるのかなんてよくわかっていないが。
ただ、立ち止まっているよりは何かにたどり着ける。
その途中でもいいし、最終的でもいい。
見つけるべき相手を見つける。
そして、伝えたいことを伝えよう。
俺が見たあの未来のキミを、伝えよう。

(絵:ENo.801 せおりさんのPL様)

[861 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[443 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[500 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[192 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[393 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
[295 / 500] ―― 《商店街》より安定な戦型
[214 / 500] ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
[150 / 500] ―― 《古寺》戦型不利の緩和
[72 / 500] ―― 《堤防》顕著な変化
[131 / 400] ―― 《駅舎》追尾撃破
[5 / 5] ―― 《美術館》異能増幅
[121 / 1000] ―― 《沼沢》いいものみっけ
[100 / 100] ―― 《道の駅》新商品入荷
[151 / 400] ―― 《果物屋》敢闘
[12 / 400] ―― 《黒い水》影響力奪取
[46 / 400] ―― 《源泉》鋭い眼光
[3 / 300] ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
―― Cross+Roseに映し出される。
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ノウレット 「呼ばれなくても出てきちゃう☆ノウレッ――」 |
ノウレット
ショートの金髪に橙色の瞳の少女。
ボクシンググローブを付け、カンガルー風の仮装をしている。やたらと動き、やたらと騒ぐ。
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ノウレット 「・・・・・・・・・」 |
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ノウレット 「え、誰もいない! ・・・・・何か落ちてます。・・・・・・・・・紙切れ?」 |
紙切れ
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ノウレット 「・・・えっとぉ・・・・・」 |
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《 サボってみます。 案内役一同 》 |
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ノウレット 「・・・・・・・・・・・・」 |
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ノウレット 「えええぇぇぇぇ・・・・・・・・・」 |
チャットが閉じられる――