［基本］OK.　［戦闘］OK.　［スキル］OK.　

　　
　


　カラカラカラ

こぢんまりした趣味のいい居酒屋の引き戸が軽やかに鳴る。


「らっしゃいませー」


会計レジ近くにいた俺、御堂直江が声をかけつつ顔を向けると、信じられないものを見てしまう。
笑顔が固まる。


「やほー直江くん、いい感じのところで働いてるじゃない。

「お兄ちゃんがお店の人だー。」


眼鏡のパリピっぽい外見のノフナガさんとうちの妹が連れ立ってそこにいた。

お前ら何しに来た。
伊吹って制服姿見た事無かったたっけ？
当たり前すぎてコメントがアホっぽいぞ。
あとノフナガさん、うちの伊吹と居酒屋で何の用があるんすか、今の時間帯忙しいんですけどオーダーストップ1時間前に出直して貰えませんか、一人で。


「タクシー呼びましょうか？2台。
ここ酒を飲むところなんですけど、未成年のウチの妹連れてくるって、もう既に酔われてますよね。」

「酔ってないよー、ここはこれから酔う所だよね！
帰りにタクシー使う時は1台で足りると思うし、家の方向一緒だよ。
それより予約した小田なんだけど。」

「小田様ですか。
本能寺ですか。比叡山ですか。
是非とも公共の交通機関でお越し下さい。」


入り口からはオープン席の空いている席がちらほら見える。
IBATuberノフナガと言えば随分パチモン臭い名前だが、本名は小田信長というもっとパチモン臭く輝く方向を間違えていて憐れにすら思える名前だそうだ。
車で乗り付けるのを遠慮する分、居酒屋も観光地も大差ないだろう。

自身の営業妨害感は否めないが心のままに軽やかに応酬を続けているとその間黙っていた妹がぽそりと呟く。


「お兄ちゃん、格好いいんだね……」


丁寧語が珍しかったのだろうか。制服姿故か。
俺は妹の尊敬の眼差しに店の奥に進む事を許したのだった。





伊吹はド天然の部類の人種で外見は父親と母親のパーツを各自分担し合った顔立ちなので、あまり似ていない。
となると将来母親のように家事能力を何処かに置いてきたようになるのかなと思ったら、俺がしっかりしてないといけないと思う。
伊吹がうちに来た時も大体飯作ってるのが俺なのは、料理を教わっれ無いのと冷蔵庫の食材で変なものを作られたくないからだけど。
俺に無い華やかな顔立ちをしているからといって付き合う相手は吟味して欲しい。
ノフナガさんってアラサーだよね。もしかしてロリコン？


「ご注文は以上でよろしいでしょうか。」

「いいよー。さっき持ってきたのはまた後でよろしくね。」


それより美味しそうだね。
先に乾杯しよっか、と生ジョッキとウーロン茶のグラスが合わさる。
コースではなく単品で注文するからか、メニュー表と見比べて、これ枝豆で緑なんだってなどと会話が弾んでいる。
ノフナガさんがこちらにもお勧めを尋ねてきてとっさに思いついたのは雨水だったけれども生憎店の棚に無かったので、無難に店で一番出る日本酒を勧めておいた。

席を離れる時に伊吹がこちらに向けてスマホのシャッターを切るのが見えた。
了承も無しに撮ってはいけません。


「いーぶーきー」
「消しなよ。」

「ええ！勿体ないよ。」

「不意打ちとかそういう事する写真家もいるけど、そういうのキチンとしないと写真というメディアの評判自体が下がるの。」


そう言うと伊吹は残念そうにしつつ消してくれた。


「ちゃんと写真家としての心得とか持ってるんだね。」

「今は居酒屋のバイトですけどね。」


ノフナガさんもIBATuberなら炎上対策とか分かりますよね。
そう言いつつ、写真家と言われるのが少し擽ったかった。




その後他のお客も居るなか、何度もテーブルを行き来する。
店内は木装で仕切りで区切られた半個室の部屋が並ぶ。
間接照明も雰囲気のあるもので、産地直送の海鮮が人気だ。
もう少ししたら鍋が美味しくなるのでもつ鍋でも食べにくればいいのに、と思ったところでやはり二度と来て欲しくないなと思い直す。
この店をロリコン御用達の店にするのは如何なものか。

2人が来店してからいくらか経ったころ、声がかかり俺は冷蔵庫から二人が持参した白い箱を持っていく。
持ち込みの白い箱。
十中八九ケーキだろう。

ノフナガさんの誕生日か、夏フェスで臨時ユニットを組んでいたbuzzbee関連の何かお祝いか。


「お持ちしました。
箱を開けさせて頂いて宜しいですか。」

誕生祝いのケーキなら店員も一緒にお祝いするのがうちの店流だ。
追加で持ってきたナイフで取皿にケーキを切り分ける。
小さめとはいえちゃんとしたホールのケーキだ。
伊吹が、ノフナガさんがニヤつきながら切り分ける所作を見ている。

そんなに珍しいか？
特に伊吹はつい先日俺の誕生日を家で祝ったばかりだし。


「誕生日おめでとう。直江くん。」

「もう一度おめでとう、お兄ちゃん。」


蝋燭に火をつけ終わって、バースデーソングを歌おうという段階になって、俺に向けておめでとうと言われる。


「はあ？？」

「つまり、人のバイト先に来て、飲んで食って、最後のケーキが俺へのお祝いだと？」

「一度来てみたかったんだよね。
成人して働く直江くん、お父さんは感動だよ。」

「血縁は先祖10代遡っても1ミリも無い筈ですが。」

「お酒解禁だよね。さっき勧めてくれたポン酒、もう試してみた？
あれ美味しかったし、また一緒に飲もうね。」

「ノフナガさんがなんで女物の髪飾りをいつも付けてるのか聞いてみたいって思った事ならありますね。」


ノフナガさんが少し意外そうな顔をした。
さっきから塩対応してる自覚はあるし、断られると思っていたのだろうか。
単にお祝いをしてくれるなら3人で別の居酒屋に行けばいいだろうに。


「お兄ちゃん、バイト先に押しかけてごめんね。
いい機会だと思ったからノフナガさんに頼んで連れてきて貰っちゃった。」


伊吹が申し訳なさそうに言う。
伊吹を居酒屋に連れてく知り合いなんてノフナガさんぐらいなものだろう。
こう言う事に付き合ってくれるなんてIBAtuberはフットワークが軽いのだろうか。
ノフナガさんへのロリコン疑惑を当社比1/10に減少させつつ、いつか彼がうちの妹の事をどう思っているか訊いてみようと決意する。


「おめでとうー今日の主役の直江くん、どうぞ！」


ノフナガさんがケーキにフォークを差し入れ、こちらにマイクのように差し出してくる。
つまり、これは。


「直江くんのお祝いだから直江くんが最初に食べないと。」


思いもよらなかったという顔の伊吹がノフナガさんの手の上に自身の手を重ねる。


「嫌なファーストバイトですね。」


そういう自身の顔がどういう表情をしていたか伊吹にも聞きたくない。
一瞬二人のケーキ入刀を想像して迷った俺はノフナガさんの手からイブキの手を外させる。

そして俺はノフナガさんのフォークからあーんでケーキを口に入れて貰うのだった。

ENo.150 泥蘇光悪渡 とのやりとり

特に何もしませんでした。

解析LV を 10 DOWN。（LV10⇒0、+10CP、-10FP）

命術LV を 5 UP！（LV10⇒15、-5CP）
自然LV を 15 UP！（LV0⇒15、-15CP）
武器LV を 10 UP！（LV55⇒65、-10CP）

園華(88) とカードを交換しました！

デスペラート （デスブランド）


サモン：イフリート を研究しました！（深度0⇒1）
サモン：イフリート を研究しました！（深度1⇒2）
サモン：イフリート を研究しました！（深度2⇒3）

ストーンブラスト を習得！
アイアンナックル を習得！
リフレッシュ を習得！
アマゾナイト を習得！
フラワーバド を習得！
クリエイト：ホーネット を習得！
ブルーム を習得！
ブランチ を習得！
オートヒール を習得！
コロージョン を習得！
クリエイト：マナクリスタル を習得！
水の祝福 を習得！
地の祝福 を習得！
チャクラグラント を習得！
快進撃 を習得！
パワフルヒール を習得！
凍縛陣 を習得！
サモン：ウンディーネ を習得！
ブロッサムグレイブ を習得！
サモン：ノーム を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ミドー(1540) は 角閃石 を入手！
ミドー(1540) は 不思議な布 を入手！
ミドー(1540) は ビーフ を入手！

ウシ区 Q-2（草原）に移動！（体調11⇒10）
ウシ区 R-2（草原）に移動！（体調10⇒9）
ウシ区 R-3（森林）に移動！（体調9⇒8）
ウシ区 R-4（チェックポイント）に移動！（体調8⇒7）
チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

MISSION!!
ウシ区 R-4：チェックポイント《古寺》 が発生！
　　 - ミドー(1540) が経由した ウシ区 R-4：チェックポイント《古寺》

［870 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［443 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［190 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［380 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［296 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［204 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［143 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［61 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［123 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［108 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［129 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［12 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［37 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




チャット画面に映るふたりの姿。

　





　





　

　

　

　

　

　





　

　

　

　

　

　





　





　





　





清々しい笑顔を見せるふたり。

　

　

　






　








　

　

　

ふたりの愚痴が延々と続き、チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！