
どことも知れぬ空間…。
形もなければ音もなく、あるいは時間すら存在しない。
ダンタリオン。
そう呼ばれる悪魔達の、思考が集う場。
《ですから、こんな戦い方では生温いと言ってんですよッ!!》
思考の中に甲高く響く年若い女の声。
《うるせぇよ、どう戦おうが俺らの勝手だろうが。》
反論するのは粗暴な男の声。
《そのやり方で負け続けてるんでしょう!?
手も足も出せずに臥して、あげく敵を影響力1位に押し上げるなど…。
明確な利敵行為です、恥を知りなさいッ!》
《はーっ、別に俺らの影響力はそんな下がってねぇじゃねぇか。》
《敵に影響力を渡してるのが問題だっつってんですよッ!!
このままじゃ陣営の敗北に繋がって
》
言い合う二人を少し離れて観察する、他の意識もあった。
《あーあ、またやってるよあの二人ー。》
《よく飽きませんわね…鬱陶しいですわ。》
《ねー、虚無もうんざりだよねー?》
《………どうでもいい。》
その空間に集う意識は、五つ。
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粗暴な男『暴虐』 |
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絢爛な女『執着』 |
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笑顔の少年『邪気』 |
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虚ろな少女『虚無』 |
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そして、名もなき新入りの娘。 |
《生後15時間のくせにピーピー喚くんじゃねえよ。》
《はぁっー!?私達の個は生み出された瞬間から確立してる、年功序列を持ち出すなど愚の骨頂です!時代錯誤の脳筋暴力バカ!》
《アァっ!?》
《あーもー、うるさーい!
それで結局、キミはボクらにどうしろってのさ。
なんか考えがあるんだよね、とっとと聞かせてよ。》
《ええっ!よく聞いてくれました邪気君。
私達はもっと協力しあうべきなのです!
それぞれに異なる思考と異なる性質を持つのが私達。
状況に応じて適した人格で対応すれば…それは他には無い大きな利点となります。
今のような時間毎に交代するなど非効率、もっと流動的に使い分けましょうよ。
そうでしょう、皆さん!?》
《…………。》
《…………。》
《…………。》
《……はぁー。》
熱弁を振るう新入りの言葉に、しかし帰ってきたのは沈黙だけ。
《………え?何で?何がいけないんです?》
《…信じてないから。》
少女の意識が静かに広がる。
咎めるでもなく、嘲るでもなく、ただ淡々と事実を述べるように。
《私達は、他の誰のことも信じていないから。
あなただって、そうでしょう…?》
《それ、は…。》
《憎ければ殺せばいい、裏切り者は粛清すればいい。
でも、私達の間でそれは出来ない。
私達は、互いを害する事は出来ないのだから…。》
《ま、暴虐の食事を摘み食いしたりはするけどさー。》
《クソガキッ、やっぱテメェか!!》
《…隙を見せるのが悪いんですわよ。》
《………。これが、精々。
私達は、同じ身体を共有しているけれど…。仲間じゃ、ない。
そんな繋がりじゃ、ないの…。》
《あら、虚無が仲間を語るなんてね…。あの娘の入れ知恵かしら?》
《…別に、そう思っただけ…。》
語り終え、少女の意識は沈黙する。
仲間じゃない。
同じダンタリオンでありながら、彼らの関係はあまりにも異質。
《そんな…このままじゃ私達はまた負け続ける…。
勝利…勝利しないといけないのに…。私は勝ってイバラシティに…。
なのにっ、こんな人達とどうやって…。》
《………ふん。》
応えるものは誰も居ない。
手を差し伸べるものも居ない。
突き放すような冷たい意識がその場を支配する
ドゴオオオオオン!!!
沈黙を突き破って空間が震え上がる。
形も音も、あるいは時間すらも存在しないその空間を、
明らかな衝撃が駆け抜けた。
《なっ、何ですかこれ!?》
《外部からの攻撃か…?
おいっ、誰か勝手に外に出たのかよ!?》
《…この場には、5人居ますわね。》
《はーい!》
《………ん。》
《全員、居る…?じゃあ外で何が…。》
《いや、そうか…。
目覚めやがったのか、あのジジイッ
》
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「ククク……カカカッ………!!!」 |
異様な巨体が笑い声を上げている。
2mを越える体躯、巨木の如く膨れ上がった右腕。
赤いローブを着込んでいるが、その上からでも分かる異常な筋肉。
それでいて、頭部は禿げた頭と髭を蓄えた老人のそれ。
そのアンバランスな姿は、人の範疇を越え化物を連想させる。
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「ハァーハッハッハアアアア!!!」 |
高笑いと共に、その豪腕を大地へ打ち付ける。
否、打ち付けたのは地面ではない。
地面の上に置かれた、一冊の本。
"ダンタリオンの書"
老人はその本目掛けて、容赦ない殴打を浴びせていた。
《何なんですかこのお爺さん!?》
《目覚めて早々にそれかよ、クソジジイッ!!》
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「おぉ、久しいのお…暴虐か。 なんぞ知らん人格も増えとるではないか。 ここは何じゃ?ハザマ? ほぉ〜、またけったいな事件に巻き込まれおって。」 |
《まさか…これもダンタリオンだって言うんですか…?
何で、何で"本"を攻撃してるんですか!!
それは私達の
》
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「わかっとるわい。 ほれ、よく見んか。」 |
本は
無傷だった。
老人が放つ重い質量を持った打撃は、
しかし本に届くこと無くすんでの所で停止する。
攻撃の余波だけが空気を震わせ、攻撃自体は一切当たってはいない。
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「やはり通じんか…。 ワシらの成り立ちからすれば当然の事じゃが。
カッカッカッ! 軽い"うぉーみんぐあっぷ"じゃよ!!」 |
老人はひょうきんな笑顔で笑っている。
ちょっとした老後の趣味に勤しんでいたとでも言わんばかりに、あっけらかんと。
そんな軽い態度で、自らの命より重い本を害しているのだ。
脳内に混在する意識の中では、ただただ疑問と怒り、呆れに恐怖が浮かんでいた。
《何で、何でそんな…。》
《コイツが望むことは自身の破滅。
だが、俺達の手で直接死ぬことなんて出来ねぇ。
だからこのジジイは俺達を誘うのさ、
あの手この手で…破滅へとな。
それが俺達ダンタリオンの最後の一人。
『破滅』のダンタリオンだ。》
破滅のダンタリオン
老若男女様々な姿を持つ悪魔。
赤いローブを着た巨躯の老人、右腕を豪腕に変化させる。ローブの内に本を手にしている。
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「カッカッカッ! 久しぶりに目覚めたんじゃ、軽く見学でもしてくるかのぉ。 この世界は、ワシに充実した破滅を与えてくれるのか…。 期待しておるぞい?」 |
《こんな、人が……。》
批難も、失望も、意味はなく。
ただ老人が徘徊する様を見届けるしか無い。
彼らダンタリオンは、決して仲間などでは無いのだから
キムナイヌ と別れました。
座敷童子 をエイドとして招き入れました!
血糊子さん(1478) に
60 PS 送付しました。
付加LV を
5 DOWN。(LV42⇒
37、+5CP、-5FP)
自然LV を
5 UP!(LV0⇒
5、-5CP)
合成LV を
10 UP!(LV50⇒
60、-10CP)
ItemNo.7 柿 に
ItemNo.32 不思議な布 を合成実験し、
渦巻石 に変化することが判明しました!
⇒ 渦巻石/素材:強さ25/[武器]災20(LV35)[防具]追風15(LV40)[装飾]反乱20(LV35)
ItemNo.7 柿 に
ItemNo.22 駄物 を合成実験し、
何か固い物体 に変化することが判明しました!
⇒ 何か固い物体/素材:強さ15/[武器]攻撃10(LV20)[防具]防御10(LV20)[装飾]共鳴10(LV20)
ItemNo.7 柿 に
ItemNo.27 韮 を合成実験し、
黒い塊 に変化することが判明しました!
⇒ 黒い塊/素材:強さ20/[武器]疫病10(LV20)[防具]耐闇10(LV20)[装飾]放衰10(LV10)
血糊子さん(1478) により
ItemNo.20 栄養ドリンク から料理『
栄養ドリンクリゾット』をつくってもらいました!
⇒ 栄養ドリンクリゾット/料理:強さ90/[効果1]活力10 [効果2]防御15 [効果3]鎮痛20
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血糊子さん 「え~と、こういう料理が好きなの?まあ、簡単で実用的ではあるかなあ……。」 |
血糊子さん(1478) により
ItemNo.24 パンの耳 から料理『
豪華なパンの耳』をつくってもらいました!
⇒ 豪華なパンの耳/料理:強さ45/[効果1]体力10 [効果2]幸運10 [効果3]活力10
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血糊子さん 「高級小麦粉と高級バターで作った、一味違うパン……の耳だよ!ふかふかして耳とは思えないおいしさだよ!」 |
ダーシャ(1232) とカードを交換しました!
デスペラート
(デスペラート)
サモン:ソルジャー を研究しました!(深度0⇒
1)
イディオータ を研究しました!(深度2⇒
3)
怪力乱神 を研究しました!(深度0⇒
1)
ストーンブラスト を習得!
スキューア を習得!
クリエイト:ホーネット を習得!
タービュレントブルーム を習得!
☆風霊力 を習得!
☆サモン:ソルジャー を習得!
☆水魚之交 を習得!
☆サモン:ジン を習得!
☆風起雲湧 を習得!
☆トランプダウン を習得!
☆初習得ボーナス:各FPが12増加した!
◇通常獲得:各CP・FPが5増加した!

[860 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[431 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[492 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[171 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[369 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
[274 / 500] ―― 《商店街》より安定な戦型
[193 / 500] ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
[134 / 500] ―― 《古寺》戦型不利の緩和
[47 / 500] ―― 《堤防》顕著な変化
[116 / 400] ―― 《駅舎》追尾撃破
[5 / 5] ―― 《美術館》異能増幅
[1 / 1000] ―― 《沼沢》いいものみっけ
[24 / 100] ―― 《道の駅》新商品入荷
[72 / 400] ―― 《果物屋》敢闘
―― Cross+Roseに映し出される。
ザザッ――
暗い部屋のなか、不気味な仮面が浮かび出る。
マッドスマイル
乱れた長い黒緑色の髪。
両手に紅いナイフを持ち、
猟奇的な笑顔の仮面をつけている。
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マッドスマイル 「――世界の境界を破り歩いてはその世界の胎児1人を自らの分身と化し、 世界をマーキングしてゆく造られしもの、アダムス。」 |
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マッドスマイル 「アダムスのワールドスワップが発動すると分身のうち1人に能力の一部が与えられる。 同時にその世界がスワップ元として選ばれる。スワップ先はランダム――」 |
女性の声で、何かが語られる。
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マッドスマイル 「・・・・・妨害できないようね、分身。」 |
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マッドスマイル 「私のような欠陥品でも、君の役に立てるようだ。アダムス。」 |
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マッドスマイル 「・・・此処にいるんでしょ、迎えに行く。 私の力は覚えてる?だから安心してね、命の源晶も十分集めてある。」 |
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マッドスマイル 「これが聞こえていたらいいけれど・・・・・可能性は低そうね。」 |
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マッドスマイル 「絶対に、見つけてみせる。」 |
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マッドスマイル 「そして聞こえているだろう、貴方たちへ。 わけのわからないことを聞かせてごめんなさい。」 |
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マッドスマイル 「私はロストだけど、私という性質から、他のロストより多くの行動を選ぶことができる。」 |
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マッドスマイル 「私の願いは、アダムスの発見と・・・・・破壊。 願いが叶ったら、ワールドスワップが無かったことになる・・・はず。」 |
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マッドスマイル 「・・・これってほとんどイバラシティへの加勢よね。 勝負ならズルいけど、あいにく私には関係ないから。」 |
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マッドスマイル 「アダムスは深緑色の髪で、赤い瞳の小さな女の子。 赤い服が好きだけど、今はどうかな・・・・・名前を呼べばきっと反応するわ。」 |
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マッドスマイル 「それじゃ・・・・・よろしく。」 |
チャットが閉じられる――