［基本］OK.　［戦闘］OK.　

涼しくなるように、怖い話でもしましょうか。



所謂霊感と呼ばれるもの

見鬼（ケンキ）：人でないものを”視る”力
憑坐（ヨリマシ）：人でないものからのメッセージを”受け取る”力
今回は、夢見のお話。




――夢を見る。

酷い雨
暗い
飛行機
複雑
事故
事故があった所に何かがもじゃもじゃと激しく絡みついて、何が事故の本体なのか判別がつかない。
ああ、これは酷い夢だ。
解くには相当な時間がかかりそうだ……考えたくもない。

夢の中で鐘が鳴る。
続けざまに連続して強く打たれる音、早鐘とはこういう音なのだろう。
事故か、火災か、カンカンカンカン……不安を掻き立てる音
川のすぐ傍で
打ち鳴らされ続ける――



起きてからも心に大きく何かが残っていたり、音や色や感触や匂いを強く覚えている夢は、ただの夢でないことをそれまでの経験から知っていた。

飛ぶものの事故だろう。

核心に迫れないほど複雑に絡んだ酷い事故。
鐘の音の緊張度からすると、そう遠くない未来。


夢を見たところで、避けることはできない。
いつも、そう。
それは必ず起きる。
そして、”誰が””いつ”といった、肝心な情報が決まって欠落している。
それが起きた後でないと、夢のキーワードの何がどこに掛かっていたのか、わからないのだ。
私は考えるのをやめた。



4月も中頃に入った。
しかしその日はまだ冬のように寒かったことを覚えている。
翌朝早くに電話が鳴った。


「……えぇーーーーーーーっ！！！？？？
……だいちゃんって、……人違いじゃなくて？？？」


母親のクソデカ声に、私は半分起こされながらあぁその時が来たのか、と思った。
だいちゃんという名前には一人心当たりがある。


その人は父の友人であり家族ぐるみで付き合いのある方だ。
直接彼と血の繋がりはないものの、遠縁にあたる。

趣味はモーターパラグライダー。
クソデカ扇風機を背負ってパラシュートを握って飛ぶスカイスポーツ。

家はクソデカ河川のすぐ傍、飛行場所は河川敷。

テイクオフ後応答がなくなり、上空でパラシュートに絡まり川に落下、流される。
パラコードの絡まりが酷く引き上げに時間がかかり……。



ふんふん、と話を聞く。
普通であれば取り乱し悲痛な表情を浮かべたり涙を流したりするのだろう。
仮にも赤ん坊の頃から面識のある人が突然亡くなったのだ。
ついこの前にも会っている。
元気だった。一緒に食事もした。

私は「そっか」とだけ返す。
完全なるサイコ変人ムーブだが、答え合わせが成ってしまった。
後は、彼の心が安らかであったか、夢の状況と現実の状況を照らし合わせ一人心の中で探り、冥福を祈るだけだ。



葬儀から一ヶ月後くらいだろうか、川の土手で私の後ろを歩くだいちゃんと父が楽しそうに会話をしている夢を見た。
私は振り返っておらず二人の顔は見ていないが、二人はいつも通りの穏やかな友人同士だった。

だいちゃんはとても穏やかで、常にのほほんとした変わったおじさんだった。
何が起きてものほほんとありのままを受け止める。
常にポジティブで、楽しいこと好きなことを自分の力で追える強さを持っていた。
凄惨な事故ではあったが、彼の夢からネガティブな感情が伝わってくることはなかった。
きっと死すらも、彼の中では人生で起きる普通のことだったのだろう。
それに、空は長年彼が焦がれていた場所だ。
万が一のことがあっても迷惑をかけないようにと、子供が全員巣立ってから始めた趣味だった。



月日は流れ、一年後
納骨に参列するため彼の菩提寺を訪れた。
川の傍にある立派なお寺だ。
葬儀をした本殿の少し奥に墓地があった。

大きな建造物が墓地の中央に建っている。
彼の家の墓は、その建造物のすぐ横にあった。
ああ、良い場所にお墓があるんだな。


振り仰ぐ、私の目に映ったのは




――大きな鐘だった――

特に何もしませんでした。

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

シャルーン(844) は 元宝草 を入手！

特に移動せずその場に留まることにしました。

［844 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［412 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［464 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［156 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［340 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［237 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［160 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［97 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［41 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［17 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破



　

　

　

　　　ぽつ･･･

　

　

　

　　　　　　　　　ぽつ･･･

　

　

　



　




　

　

　

　　　　　　サァ･･･――

　

　

　

雨が降る。

　

　

　

　

　

　




よく見ると雨は赤黒く、やや重い。

　




急いで雨宿り先を探す白南海。

　

　

しかし服は色付かず、雨は物に当たると同時に赤い煙となり消える。

地面にも雨は溜まらず、赤い薄煙がゆらゆらと舞っている。

　

　




　

　

　

チャットが閉じられる――