［基本］OK.　［戦闘］OK.　

Edo, Japan

◆
隣の町会から、怒った王蟲の群れのようなおびただしい数の赤ランが見えてくる。
DJポリスが神輿を誘導する声が聞こえてくる。

後ろには、揃いの半纏ごとに体育座りで整列する、おびただしい数の体育会系マッスルメン達。
「これが三社祭名物、殺意の体育座りだよ」
初参加の子に案内する声がする。
大の大人がこんなに大量に体育座りで整列するなんてこと、普通はないだろう。
毎年そこで写真を撮ることにしている。
間違いなく、そこでしか見れない光景だから。

何が人をそこまで神輿に向かわせるのか、自称文系囃子方の僕にはよくわからない。
が、肩の痛みと引き換えに自己肯定感や自己顕示欲は大いに満たされるだろう。
とても健康的であると思う。
その瞬間神輿を担いでいる人は”神”になれるのだ。
そしてその、存在の肯定は痛みとなって、祭りが終わってもしばらく文字通り痛感することができる。
なんと劇的なことか。


◆
神輿に先だって、DJポリスが通り抜けていく。
轢かれるわけにはいかないから、キレイに整列したマッスルメン達も列を崩して横に避ける。
……避けるなら何のために並んだのか？？？
考えてはいけない。
祭りには礼儀と作法があるのだ。
反すれば待っているのは物理的な死である。
大量の赤ランの正体は、作法違反をしてボコボコにされた奴を運ぶ救急車のランプだからである。
（救急車の中からは「おい写真撮っとけ」という声がよく聞こえる。証拠として使うのだろう）

謎の拍手の中をDJポリスがにこやかに通り抜けていく。
「ご協力、ありがとうございます」
神輿の迎えを居囃子隊『チーム御老体』に委ね、DJポリスが作ってくれた道から底抜け屋台を進行方向、最前列へ。
この時にはもうJCOMの中継カメラは神輿の引き渡しポイントを通過しているだろうか。
正直、ロング棒ガチカメラが多すぎてどれが公式中継カメラなのかよくわからない。
そのくらい、三社祭の本社神輿には熱心な撮影マニアが多くいる。


神輿が引き渡され、こちらの町会の神輿erが神輿にとっついていく。
祭りウォッチャー的には美味しい局面だが、先導の囃子隊にそのような余裕はない。
寄ってくる多数のカメラに構う暇もない。
引き渡された神輿が上がる前に、全員でお歌を歌うポイントがあるのだ。
ほぼ「え」と「お」しかない歌詞の意味はとんとわからないが、我々は歌わねばならぬ。
皆の存在を賛美するその歌を。

――ぃえ～→え↑ぇ↓ぇ↓～～～　よぉ～↑～～お→ぉ↓ぉ↓～～

お歌が終わると同時に手締めを一本、その最後の音に被せて渡御の囃子が始まる。
ミスは許されない。
打ち出しは、一人。


――拍子木の音

――歓声に包まれて


◆
神事という言葉を盾にした”文化”が、そこにいる全ての人を肯定していく。
笑顔で拍手を送ってくれる人。
涙ぐみながら神輿に手を振る人。
祭りの時しか会うことのない名も知らぬ友との再会を喜ぶ人。

囃子の音は、全てを肯定していく。
苦しみも、悲しみも。

昨年亡くなった方の家の前で、彼の人の人生を讃えるように神輿が掲げられる。
悲しみの涙も、感動の涙も、全てが肯定されていく。
その竜巻のような強い感情を、僕は表す言葉を知らない。
囃子は止まらない。
時間も止まらない。
神輿が降ろされれば、囃子は前を向いて進んでいく。
人生とは、そういうものなんだ。
時々振り返ってもいいけれど、前にしか進めない。
でもその”瞬間”は、永遠に生き続ける。
それを肌で感じられることが、僕は何より好ｋ………




ｳｨｰﾝｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｳｨｰﾝｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ




……スマホを見やると、薬の時間を知らせるアラーム。
どうやら、強めの幻覚を見ていたようだ。

「うおっやべっ！今日イバラ更新じゃん！何もしてねえわ！」

7月20日といえば、個人的に忘れることのできない大切な祭礼の日である。
災害や戦火の犠牲となった人々を弔い、今は亡き大好きな人に会いに行く日。
囃子の音以外何も聞こえない”静寂”の中で、死者達と会話を交わせる日だ。
そして、血の気が多い親戚達が何の約束もしていないのに何故か集まってしまう日でもある。

しかし、なんの音も感じることがないまま、時間だけが過ぎ……心が取り残されている。
時間が経っている、ということを知覚することができずにいる。
どうも、ぼんやりしてしまう。
時刻はもうそろそろ20時。

「……しょうがねえな、今回も日記落としましたって書くしかないな……えーと」





すいません、日記落としました(☝՞ਊ ՞)☝

特に何もしませんでした。

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

シャルーン(844) は 白詰草 を入手！

特に移動せずその場に留まることにしました。

［845 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［409 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［460 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［150 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［311 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［202 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［149 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［68 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　




　





不機嫌そうな表情。

　











首を傾げる白南海。

　





ポケットから黒いハンカチを取り出す。

それを手で握り、すぐ手を開く。

　

すると、ハンカチが可愛い黒兎の人形に変わっている。

　









眼鏡をクイッと少し押し上げる。






咄嗟に腕を組み、身構える。

　







そう言ってチャットから抜けるエディアン。

　




　

チャットが閉じられる――