［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「……月子おばあちゃん」

「うん？」

「俺が漆職人を継がないの、残念だった？」

「いや全然。まったく」

「ぜ、全然まったくって……逆に関心無いのかと思っちゃうじゃん」




家の庭で煙管をふかす祖母と、和室前の縁側に座る孫息子。
今月で17歳になった少年は来年高校を卒業する。片手には"進路相談"と書かれた紙が携えられていた。


自分の問いかけに応える声があまりにきっぱりしていたので、思わず肩を落としそうになった所で。
煙を吐きながら祖母が振り返る。


凍てついた雪景色の中、85歳になった祖母の立ち姿はまるで弱々しさの欠片も無い。
相変わらず強い人だった。
……流石に煙草はもう身体に触るだろうと、辞めてほしい事は母親共々何度か口を挟んだのだが。
その辺りに関して聞く耳を1ミリも持たなかった祖母は割とアウトローというか。
もとい自分の嗜好品だけは──酒と煙草だけは絶対に譲らない所があった。



「そういう意味じゃねえよ。
　楸《アンタの母親》は身体が弱い。物づくりする体力が保たせられなかった。
　肌も荒れやすい。漆でかぶれたら暫く手が使い物にならない。
　椿《アンタ》はやりたい事が別にある。お前が綺麗にしたい相手はモノじゃなくて人なんだろ。

　それならこれで終いってだけさ。アタシの仕事はアタシの代まで。
　孫息子はもう髪と化粧の修行がしたいって決まってんだし、ひとまず心配事もない。どこにガッカリすんだよ」



祖母の声色は「当たり前だろ」くらいの語気を帯びていた。
この人は自分の生業が途絶える事に執着していないのだ。
あんなに高値で取引される漆器を作る手を持つ人なのに。



「別の職人さんを育てたりはしないの？ 人を雇うとか」

「よその奴でも身内でも同じなんだよ。どの道長い目で見りゃアタシが育て切れねえ。
　責任持って本気で育て上げるんなら最低10年は掛かるぜ。途中でぽっくり逝く可能性のが高いだろ」

「……」



切り返しにぐうの音も出ない。
藝術の才を授かりながら祖母はその実、思考は極めて現実的な人だった。
生来の気質なのか。職人故の目線の持ち方なのか。或いは戦時を生き延びて来た為か。
少年は黙る事にした。

吸い終えた煙管の灰を落とすと、祖母は少年がいる縁側まで戻って隣に腰を落ち着けた。



「ま、そういう訳でアンタは心置きなく自分の道を進むんだな。
　学校はともかく楸の説得には骨が折れそうだなァ。そこは協力してやるよ」

「……ありがとう。おばあちゃん。
　母さんにはちゃんと自分で伝えるから。ヘアメイクの修行もお店で住み込みで働けばお金掛からないし」

「は、真面目だな。実家の金使って専門学校行くとか考えねえの？
　いきなり現場突っ込んだら死ぬほどシゴかれるぜ」



既に職人の道を歩んできた祖母は意地の悪い笑みを浮かべた。
今更だがこの人は昔からめちゃくちゃ口が悪い。
しかし今の言葉は正しいのだろう。何せ自分が見つけたヘアメイクの職場は海を超えた先に在る。
超えなければならないハードルは山ほどある。
少なくとも英語は話せる様にしておかなければならない。外国人ばかりの現場で実力を示して行かないと即クビだろう。
海外は特に、就職が上手くいっても使い物にならなければ何日も経たずに解雇するのが習慣だった。



「でも折角連絡取れたトコだったから。
　おばあちゃんだって技術は現場で目で見て盗めって言ってたじゃん。
　それにそれ位追い込まないと独り立ちなんて出来ないし」

「何だ、言い返されちまった。……分かったよ」



笑いながら首を振る祖母。
つられた様に少年も笑った。



美しいものを作る手を持つ祖母。
幾つもの絵筆で巻絵柄を描き、朱色を塗る手が少年は好きだった。
こんなに口が悪い祖母も仕事をする時間は間違いなく、息が継げない程に集中しているのだ。

ENo.548 葵 とのやりとり

特に何もしませんでした。

魔術LV を 5 UP！（LV15⇒20、-5CP）
装飾LV を 5 UP！（LV80⇒85、-5CP）

シャムシェール(1605) とカードを交換しました！

竜化―狂竜猛進― （チャージ）


チェインリアクト を研究しました！（深度0⇒1）
チェインリアクト を研究しました！（深度1⇒2）
チェインリアクト を研究しました！（深度2⇒3）

イグニス を習得！
ファイアスパウト を習得！
凍結耐性 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ツバキ(805) は 方解石 を入手！
ツバキ(805) は 爪 を入手！

▼エイド化候補（基本行動にてエイド化可能）
ツバキ(805) のもとに とら が泣きながら近づいてきます。

リュウジン区 A-7（山岳）に移動！（体調25⇒24）
リュウジン区 B-7（森林）に移動！（体調24⇒23）
リュウジン区 C-7（森林）に移動！（体調23⇒22）
リュウジン区 C-8（森林）に移動！（体調22⇒21）
リュウジン区 C-9（山岳）に移動！（体調21⇒20）

［844 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［412 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［464 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［156 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［340 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［237 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［160 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［97 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［41 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［17 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破



　

　

　

　　　ぽつ･･･

　

　

　

　　　　　　　　　ぽつ･･･

　

　

　



　




　

　

　

　　　　　　サァ･･･――

　

　

　

雨が降る。

　

　

　

　

　

　




よく見ると雨は赤黒く、やや重い。

　




急いで雨宿り先を探す白南海。

　

　

しかし服は色付かず、雨は物に当たると同時に赤い煙となり消える。

地面にも雨は溜まらず、赤い薄煙がゆらゆらと舞っている。

　

　




　

　

　

チャットが閉じられる――