［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　



　
人は何かに名を与える事を、“命名”と云う。


今となっては薄れてしまった文化であるが、
迂闊に“真名”を口に出してはならないという考えが当然の様にあった。


言霊という言葉すら存在する様に、
この国は古くから文字には力が宿るものだと認識されてきた。



古来より、“名”というもには特別なものだったのだ。




――こんな話を、聞いたことがある。



ある日、小さな海岸の村に一人の男が流れ着いた。
意識を失い垂迹していた男であったが、
彼を発見した村人達が連れ帰り、
看病をしてもらった事で十日後、意識を取り戻した。

しかし男は、目を覚ましたまでは良かったものの、
自分の名前は愚かどこからやってきたのかも覚えてはいなかった。
記憶喪失だったのである。

素性の解らぬ一人の男。

それでも、そんな男を村人達は拒絶する事なく、
落ち着くまで村に滞在する事を許し優しく接してくれた。

名前が思い出せなくては困るだろうと新たな名を与え、
代わる代わる看病を行い、
元気になった男に漁の方法を教え、
代わりに男は村人達に文字を教え、
皆で杯を交わす様になる頃には、男はその村の村人として受け入れられていた。

記憶を思い出す事は出来なくとも、男は幸せだった。


ーーけれども、ある日。

仰々しい出立の人々がその村にやってきた。

人よりも鋭い眼差しを宿す人の姿をした彼らは、
此処より遠い龍の国からやって来たと言い、行方不明の皇子を探しているとも言う。

数ヶ月前より空から落ちて行方が分からぬ。
人の子等よ、何か知らぬかと。

探し人の特徴を聞き、もしやと思い彼を呼び出してみれば、
その姿を目にした王国の人々は涙を流し喜んだ。
紛れもなく彼は皇子その人だったのだ。

けれども当の皇子はその涙を目にしても困惑するばかり。
何を隠そう彼は記憶が戻っていないのだ。
今の彼はあくまでも村人の一人であり、王族でも何でもない。
呼ばれる名を、自分のものだと認識していない。
自分が龍である事すら判らないとも言う。

その返答を聞き動揺する部下達の様子は、到底嘘をついている類のものではない。
彼らの告げていることは、紛れもない事実なのだと。認識しても。それ以上に。
素性が発覚しても素直に喜べない事が、皇子本人にとって何よりもの驚きだった。


当然の如く、皇子は決断を迫られる事となる。

国に戻って皇子としての生を全うするか。
このままこの村で穏やかに一生を終えるか。

一晩たっぷり時間をもらい、皇子が出した決断は


国に戻って、龍として、本来あるべき役目を全うするというものだった。


その背中を後押ししたのは、村人達。

こんな貧しい村に居続けてはならないと。
貴方は故郷である国に戻って幸せに暮らすべきなのだと。


けれども、皇子は緩く首を振る。

自分が国に帰るのは、故郷の為だけではない。
この村に恩返しをする為だと告げる。

自分がもし、本当に龍であるならば。
龍は水と空と共に在る生き物。
同時に、義理堅く優しい生き物だから。

自分の為に尽くしてくれたこの村の為に、何かをせずにはいられない。

記憶はまだ戻ってきてはいないけれど、
部下の者たちに本来の名前で呼ばれる度に、不思議と懐かしさを覚えるらしく。
元のあるべき世界で、徐々に思い出せるはずだと語る。

必ずやこの地に雨を降らせ、恵みを齎しこの村も豊かにしてみせると約束し、
ここで一人の村人として過ごした時間を、決して忘れはしないとも約束した。


事実を知り自覚を抱いたからだろうか。
それとも何か、彼の内に彼を突き動かすものがあるだろうか。

そう約束を交わす時には既に彼の顔には威厳の様なものすら感じられて、

……それでも、

部下達と共に彼らに別れを告げる、その瞬間。

皇子は、皇子としてのその面持ちとは異なる、
村人達だけが知る、この地で過ごした時と同じ笑顔で、


彼らの手を強く、優しく。握り返したのだった。




――そうして、時は流れ。


いつしかこの村は龍の加護ある村として自然の恵みに溢れ発展し、

その上空に、度々空を泳ぐ龍を見かける様になったと言う――。






そんな、ありきたりのお話。

そんな、涙ぐましい昔噺。


しかしそんな話をふとした瞬間に思い出す時に、
“もし”と考えるのだ。


・・
もし、


あの時、龍の国の人達が迎えにやってくる事がなければ。

彼が二度と龍であった時の名で呼ばれる事が無かったのなら。



彼は、龍である筈の自分を見失ったままだったのではないか。と。



自分は人間であると思い込み。

彼の中で与えられた名前が自分のものであると浸透していき。

龍であった頃の感覚は、真名と共に徐々に徐々に失われていく。


やがて、すっかり村人として溶け込んでしまったなら。


その瞬間、一人の村人がそこに生まれ、

“龍の皇子”は、死んでしまった事になるのではないかと。


そんなことを考えてしまうのだ。




“名前”とは、そう言うものなのだと認識している。




そしてそれは、
呼ばれる事が無くなれば、思い出す事が叶わなければ。

もし、何十、何百年とその名で呼ばれる事が無いまま忘れ去られてしまうのならば。

自分は何者なのか分からなくなる。見失わずにいられなくなる。



『忘却』

忘れるとは、『亡』くす『心』と記される。


それは ーー 実質 “死” に等しい。



だから名前は、その人自身であるのだと。

その人の、命なのだとーー語り継がれてきた。





（……もし）


（あの物語の様に、）


（二度と、呼ばれる事がなくなってしまったのなら――）



（……俺は、）




“いつか、自分で自分が分からなくなってしまうのだろうか”。




(……嗚呼、失敗した)


(あの時、危うくとも一度は帰っておくべきだった)


そんな事を思う度、途方もない真っ暗闇が眼前に姿を見せる。

元より傍にいたのだと、耳元で囁いている。


(失敗した)


悔やんだってもう遅い。



(未だ預けたままの“それ”を、早くに返してもらうべきだった)



先は見えない。

何も見えない。



思い出せない。



今、本当に俺は此処に居て。

本当に、生きているのだろうか。


……はっきりとしていた筈の輪郭が、ふとした瞬間に揺らぐ。



（……嗚呼、駄目だ。こんなんじゃ、）


（だから、早く。早く。）




（奴等に悟られていない今の内に、）

（　は や く　）








その為にも、今の俺には“この仕事”が必要なんだ。

...【 side : 　　 　　 】

十九号(153) から 俵むすび を手渡しされました。

十九号(153) に ItemNo.21 何かの骨 を手渡ししました。

ItemNo.7 かたやき を食べました！
　体調が 1 回復！（11⇒12）
　今回の全戦闘において 器用10 敏捷10 耐疫10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

守護者の姿が消え去った――

　

　

六角形の柱から天に向け、赤色の光柱が立つ。

どうやら次元タクシーで行けるようになったようだ。

十九号(153) から 三角むすび を受け取りました。

十九号(153) から 浮草 を受け取りました。

合成LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）

変化LV を 5 UP！（LV15⇒20、-5CP）
防具LV を 10 UP！（LV72⇒82、-10CP）

ItemNo.23 翌檜 から防具『海色琥珀』を作製しました！
　⇒ 海色琥珀／防具：強さ229／［効果1］回復25 ［効果2］－ ［効果3］－


デコイ(345) とカードを交換しました！

ディープフォレスト （ディープフォレスト）


治癒領域 を研究しました！（深度0⇒1）
治癒領域 を研究しました！（深度1⇒2）
ファンタジア を研究しました！（深度1⇒2）

ブレイドフォーム を習得！
再活性 を習得！
サモン：エンチャンター を習得！
百薬之長 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

十九号(153) は ペットボトル を入手！
枢木(296) は 蒲公英 を入手！
十九号(153) は 翠小石 を入手！
十九号(153) は 橙小石 を入手！
枢木(296) は ビーフ を入手！
十九号(153) は ぬめぬめ を入手！
十九号(153) は ぬめぬめ を入手！

十九号(153) に移動を委ねました。

カミセイ区 T-13（道路）に移動！（体調12⇒11）
ウシ区 A-13（道路）に移動！（体調11⇒10）
ウシ区 B-13（道路）に移動！（体調10⇒9）
ウシ区 C-13（道路）に移動！（体調9⇒8）
チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

『カミセイ区 H-4：チェックポイント《森の学舎》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - 十九号(153) の選択は カミセイ区 H-4：チェックポイント《森の学舎》

MISSION!!
ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》 を選択！
　　 - 十九号(153) の選択は ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》

［845 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［409 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［460 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［150 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［311 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［202 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［149 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［68 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　




　





不機嫌そうな表情。

　











首を傾げる白南海。

　





ポケットから黒いハンカチを取り出す。

それを手で握り、すぐ手を開く。

　

すると、ハンカチが可愛い黒兎の人形に変わっている。

　









眼鏡をクイッと少し押し上げる。






咄嗟に腕を組み、身構える。

　







そう言ってチャットから抜けるエディアン。

　




　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！