
ハザマ/ダチョウ庭園跡地にて
まったく、帰って早々黒こげにされるとは適わない話だ。
後衛がのみ生き長らえただけ大したものです、せっかくならお互いの後学の為あの少女を起爆するところまで踏み込められたなら尚よかったですが。
さわらぬ格安空き家不動産と不発弾に祟り無しでしょう、転売しようにもリノベーションしようにも固定資産税が嵩み土質汚染の状態も保証がされかねますからね、今は持ち株を溜めるごとく純に支度をするのみです。
一方で守護者との死闘はわれわれが勝利を収めたね、大変に結構。
なぜ勝つことが出来たのか分析しかねるほどに切り詰めた攻防になってしまいましたがものを言うは成果のみです。
苦戦の原因としてはある程度フォローした上でも振るわない命中率と、やはり神風でしょうか。
いずれにせよ戦闘不能時のあがきを防ぐ手段はなにがしか調度した方がいいらしい。
それでは満を喫し、飛んでカミセイ南方。我らが新天地ッ
さっそく待ち構えて居ましたか!イバラの民、それも危険地帯相応の難敵のようだ。
武器性能、研究進捗などを鑑みるに生殺与奪の沽券を握っているのは相手方と見積もらざるを得ん。
ええ、生殺与奪も五月雨もそれ自体十分な脅威ではあるが、それを変調でどうにかしようというのではなくてね。
怖れているのは鰻屋で話題になっているともいう、三強と思しい水撃が取り揃えられている事です。
ビッグウェイヴ,ディープブルー,アルヒェ。
これらが中盤で必殺にあてがわれるか、序盤から一気に畳み掛けてくるのかどうかが我々の命運の分かれ道となるでしょう。
初手グラトニー、これで更なる回避特化の有利を取るという搦め手には今回目を瞑ります。
敵の攻撃が苛烈な予測され、もはや私は徹頭徹尾にアブソーブを行使するのもまま手の内ではあります。
ことアルヒェに於いてはこちらへの被害を減らした上で、自傷ダメージはそのまま受けてもらう事になるはずですからね。
仮にそれが功を奏してこちらが持ちこたえ、さらには相手の高い回避力を潜り抜けて法衣の弱点である脆弱性を付けたとしましょう。
ですがそれによって押しきれるほど甘い相手でもないのです、その原因、敵陣の相互幇助の構えとでも呼びましょうか。
相手はほぼ全員がなんらかの優れた回復手段を手札に有しているのです。
もちろん2名が持つパワフルヒールにカテゴライズされる治療も目を引きますが、カームフレア,セイクリットファイアなども回復としては比較的イレギュラーな火炎系能力でありながら凄まじい再生力を誇る。
猛毒,腐肉の存在を匂わせる変則アタッカーもこちらをじわじわ削ぎながらボロウライフでダメ押しを仕掛けてくるというのがその手口。
お互いに庇いあう形で容易に立て直しをしてくる相手に、全体を一度に削り過ぎないようにしつつも負担をかけここぞという時に確実に一気に落す、そんな芸当は困難です。
ではどうするか、偶然の幸運に賭けひたすら攻めるか?全面防御の姿勢でドローを狙うか?
否。そのような甘いことは致しません、せっかく降り立った鉄火場の最前線ッ その恐怖!代償!それを相手に大いに刻み込んでこそ我らの大義。
SPの攻撃を考えなかったではありませんが、いかんせん相手の守護が堅くこちらも札不足でございます。
敵がされて嫌がるであろう工作を、幾つもの山を絞りながら立てていき、行き着いた答えにこそッ
私の求めたものが見える筈なのです、そう、私の望みとの合否に関わらずね。

[845 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[409 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[460 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[150 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[311 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
[202 / 500] ―― 《商店街》より安定な戦型
[149 / 500] ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
[68 / 500] ―― 《古寺》戦型不利の緩和
―― Cross+Roseに映し出される。
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
 |
白南海 「・・・ロストの情報をやたらと隠しやがるなワールドスワップ。 これも能力の範疇なのかねぇ・・・・・とんでもねぇことで。」 |
 |
白南海 「異能ならリスクも半端ねぇだろーが、なかにはトンデモ異能もありやがるしねぇ。」 |
不機嫌そうな表情。
 |
エディアン 「私、多くの世界を渡り歩いてますけど・・・ここまで大掛かりで影響大きくて滅茶苦茶なものは滅多に。」 |
 |
エディアン 「そういえば貴方はどんな異能をお持ちなんです?」 |
 |
白南海 「聞きたきゃまずてめぇからでしょ。」 |
 |
エディアン 「私の異能はビジーゴースト。一定の動作を繰り返し行わせる透明な自分のコピーを作る能力です。」 |
 |
白南海 「あっさり言うもんだ。そりゃなかなか便利そうじゃねぇか。」 |
 |
エディアン 「動作分の疲労は全部自分に来ますけどねー。便利ですよ、周回とか。」 |
 |
白南海 「集会・・・?」 |
 |
エディアン 「えぇ。」 |
首を傾げる白南海。
 |
エディアン 「――で、貴方は?」 |
 |
白南海 「ぁー・・・・・どうすっかね。」 |
ポケットから黒いハンカチを取り出す。
それを手で握り、すぐ手を開く。
すると、ハンカチが可愛い黒兎の人形に変わっている。
 |
エディアン 「わぁー!!」 |
 |
エディアン 「・・・・・・・・・」 |
 |
エディアン 「・・・手品の異能ですかー!!合コンでモテモテですねー!!」 |
 |
白南海 「なに勝手に変な間つくって憐れんでんだおい。」 |
 |
白南海 「糸とかをだなー・・・・・好きにできる?まぁ簡単に言えばそんなだ。 結構使えんだよこれが、仕事でもな。」 |
 |
白南海 「それにこれだけじゃねぇしな、色々視えたり。」 |
眼鏡をクイッと少し押し上げる。
 |
エディアン 「え!何が視えるんです!?」 |
 |
白南海 「裸とか?」 |
 |
エディアン 「ぇ・・・・・」 |
咄嗟に腕を組み、身構える。
 |
白南海 「・・・嘘っすよ、秘密秘密。言っても何も得しねぇし。」 |
 |
エディアン 「ケチですねぇ。まぁ私も、イバラシティ生活の時の話ですけどねー。」 |
 |
白南海 「・・・・・は?」 |
 |
エディアン 「案外ひとを信じるんですねぇー、意外意外!」 |
そう言ってチャットから抜けるエディアン。
 |
白南海 「あぁ!?きったねぇだろそれ!クッソがッ!!おいいッ!!!
・・・アンジニティぶっ潰すッ!!!!」 |
チャットが閉じられる――